建て替え工事が予定されている日吉の市営「さかえ住宅」のシンボルともいえる桜並木の伐採が行われました。
きのう（2023年）12月25日、日吉6丁目の横浜市営「さかえ住宅」のシンボルとして住民らに親しまれてきた約30本の桜の木々の伐採作業を実施。
日吉6丁目「日吉自動車学校」の練習コースに作業車が乗り入れ、横浜市営「さかえ住宅」での桜の木の伐採が行われた（12月25日）
この日のうちに、日吉自動車学校との間の桜の木を伐採。葉が落ちたこの時期が作業に適しているともいわれている
来年（2024年）1月からは建物本体の解体も始まる予定とのことで、解体完了後に着手する新たな建物の建設に向けての工事が本格化することになりそうです。
1970（昭和45）年に建てられた「さかえ住宅」は、鉄筋コンクリート5階建ての建物2棟に180戸を設けた市営住宅。
新たに175戸の住宅棟を建設する計画が決定したことから、今年夏までに全ての住民が他の市営住宅などへの仮移転を無事に行うことができたとのことで、建物解体前の周辺環境の整備の必要性から、まずは桜の木々の伐採を行ったといいます。
高い枝から少しずつ桜の木を切り落としていた
横浜市建築局によると、桜の木の樹齢や強度などの調査や診断を行った上で伐採を決定したとのこと。
また関係者によると、これまでの建物は河川に近い場所にあったこともあり、位置をずらす必要性が生じた上、現在の建築法上、建物に道路が接していないと問題があるといい、桜が植えられていたスペースに道路と駐車場を建設する計画になったといいます。
人々の生活に根付いてきた「桜並木」（2022年3月）
日吉自動車学校の「練習コース」をいつも桜色に彩ってきた（2022年3月）
この日、重機などの作業スペースを提供した隣接する日吉自動車学校（日吉6）の担当者は、「さかえ住宅と当校の練習コースの間にあった桜は本日中に伐採すると聞き、さびしい限りです」と、来校者にも評判だったというその桜の美しさが見られなくなることを惜しみます。
作業現場を訪れていた元住民は、「住宅が建てられた当初からあった桜が全てなくなることはとても残念」と、桜を伐採するチェーンソーの音を聞き、急ぎ駆け付けたとのこと。
今年の春が「最後」の桜の風景となった（2023年3月）
「またこの住宅に戻ってくる予定ですが、ここに桜があったことを記録し、多くの人々にずっと覚えていてもらえれば」と、元住民は、さかえ住宅の桜の美しさが人気を博し、近隣の集合住宅でも隣接地に桜を植えることになったというエピソードについても懐かしそうに語り、切られていく桜の木々の姿をスマートフォンのカメラに収めていました。
現地に掲出されている「開発事業のお知らせ」によると、来年（2024年）9月下旬の工事着工、2026年10月下旬の新住宅の完成を予定しているとのことですが、住宅の解体工事が順調に進んだとしても、「当初予定より建築工事の開始が遅れる可能性があります」（市の担当者）とのことです。
7月末で住民の「仮移転」が無事に終わり、8月から現地への立ち入りができなくなった
敷地内の「矢上川公園」も2026年10月下旬までは使用できない予定。解体工事が来年（2024年）1月からスタート、しばらくの間は大型車両の出入りに注意が必要となりそう
なお、今回の建て替え工事により、北綱島ポンプ場に隣接した場所にある敷地内の「矢上川公園」も、2026年10月下旬まで（予定）の休園を現地に掲出、すでに立ち入りができない状態となっています。
解体工事に伴い、近隣の自治会町内会の関係者や隣接地に住む住民への説明会は実施済みとのことですが、しばらくの間は大型車両の出入りなどに注意が必要となりそうです。
【関連記事】
・日吉6丁目の市営「さかえ住宅」を建て替え、2023年度に住民仮移転へ（2021年3月8日）
【参考リンク】
・さかえ住宅自治会 (＊令和5年度より建て替えのため休会）（日吉地区連合町内会）
