<神奈川県>武蔵小杉駅近くに「宿泊療養施設」確保、中原・港北エリアで拡充 | 横浜日吉新聞

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神奈川県は、新型コロナウイルス陽性者のうち、軽症者や無症状者向けの宿泊療養施設として、JR武蔵小杉駅の新南口(横須賀線側)に近い綱島街道沿いにある「リッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉」(中原区新丸子東3、302室)を確保したと発表しました。今月(2021年)2月25日(木)から使用する予定です。

JR武蔵小杉駅・新南口近くの綱島街道沿いにある「リッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉」(左側のビル)。1階から4階までは「中原消防署」として使われている

神奈川県では、これまで主に横浜市中心部や相模原市など県内西部寄りエリアの宿泊施設を療養施設として使っていましたが、今月2月1日には港北区新横浜の「新横浜国際ホテル(本館)」(206室)を新たに確保しており、今回のリッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉の使用開始により、港北区や中原区など人口の多いエリアでの宿泊療養体制が拡充されることになります。

2月1日までに県が確保している部屋数(床数)は計1798室・床で、リッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉の302室が加わることで計2100室・床にまで拡大しました。

2月1日から県が宿泊療養施設として使い始めた港北区新横浜の「新横浜国際ホテル(本館)」は全206室あるが、利用者は2月14日時点で29人にとどまるという

ただ、確保した宿泊施設では、療養エリアとスタッフエリアのゾーン分けをしたり、倉庫などを確保したりするため、実際に稼働できるのは室・床数のうち6割から8割程度とされています。

また、2月14日時点で県内の宿泊施設で療養を行っている陽性患者は172人のみにとどまっており、自宅療養の649人と比べ3分の1程度です。

今年1月26日の記者会見で黒岩祐治知事は、「(宿泊施設は)すぐに確保できるものではなく、この先どうなるか分からないので用意していく」と話しており、今回の確保は“今後の備え”という面が強いとみられます。

宿泊療養者向けの注意事項には、外出の禁止や外部からの物品・食品などの持ち込みができないなど、療養中はほぼ“軟禁状態”となることが書かれている(神奈川県「自宅・宿泊療養のしおり」より)

県はリッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉を選んだ理由について、「県内の一定規模の客室数を有する宿泊施設と調整したところ、療養エリアとスタッフエリアの区分け入所者の動線確保など、感染防止対策を確実に行える施設」だったと説明。

入所の際は、県が用意した車で行うため、外部者との接触はなく施設からの外出や外部者との面会も認めていないといいます。入所者の療養日数は平均7日間。

なお、リッチモンドホテル・プレミア武蔵小杉が営業する21階建てのビルは、1階から4階を「中原消防署」が使用するという全国的にもめずらしい複合施設となっています。

【関連記事】

<神奈川県>新横浜で「ホテル」200室超を確保、新型コロナの宿泊療養で(新横浜新聞~しんよこ新聞、2021年1月27日、今月2月1日から稼働)

【参考リンク】

新型コロナウイルス感染症軽症者等の宿泊療養施設としてのリッチモンドホテル プレミア武蔵小杉の利用について(2021年2月15日、神奈川県)

新型コロナウイルスに感染した患者の発生状況(県内「宿泊療養者」の状況も)(神奈川県)


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