<横浜市が見解>18区別の「感染者数」を毎日公表しない理由とは

横浜日吉新聞

特定地域への風評被害の防止」や個人情報の保護が背景にあるのだといいます。横浜市が18区別の新型コロナウイルスへの感染者数を週に一度しか公表しないことや、クラスター(集団感染)が発生した施設を明かさない理由が公式の場で述べられました。

横浜市役所と横浜市会議事堂

横浜市では、新型コロナウイルスの感染者が発生した今年(2020年)2月18日以降、発生した場所について「横浜市」とだけ記載し、感染者が100人を超えた4月10日以降は週に1回、4連休中となった7月24日(金・祝)を除き、金曜日に感染者の数のみを区別に公表しています。

先週9月25日(金)に行われた横浜市会の「決算第一・第二特別委員会連合審査会」の場で、区別の数値や陽性率の公表について健康福祉局の田中博章局長は、「患者の個人情報保護、特定地域への風評被害の防止誤解を生じない分かりやすいデータ整理等を考慮しつつ公表する必要があると考えている。このようなことを総合的に判断し、陽性率および区ごとの発生数については、毎週金曜日に公表している」と説明。

18区別の感染者数の公表例(9月25日の横浜市による発表資料より)

週に1回としている理由として同局長は、「現在の発表においても、かなり患者さん等においては、公表の扱いについて、非常に慎重になられる方もいらっしゃり、拒否をされる方もいらっしゃる。そうしたことも含め、一週間まとめての公表としている」と述べました。

また、クラスターが発生した施設を公表することについて城博俊副市長は、「公表の基準については、厚労省の『情報の公表に係る基本方針』に基づいており、感染者に接触した可能性のある方を把握できていない場合に施設名を公表するということになっている」と説明。

同副市長は、「本市では感染の可能性のある範囲が把握できている場合は、施設名等は公表していない。施設名の公表を積極的にやるというのは一見、良く聞こえるが、逆に施設からの協力が得られないというようなことにもつながりかねないということで、国の方針でわれわれは対応していきたいと考えている」と答弁しました。

横浜市の感染者に関する公表情報は、「横浜市」としか明かさない一方で感染者ごとに細かな点まで記載している(9月25日の横浜市による発表資料より)

これらは、日本共産党の古谷靖彦市議(鶴見区選出)からの質問に答えたもので、同市議は「区ごとの発生数は、個人情報に当たらないのではないか。他都市をぜひ見比べていただきたい。横浜市は非常に(公表されている)情報が薄い」などと指摘していました。

なお、川崎市では初の感染者が発生した3月12日以降、在住区を個別に明記しています。また、市立学校で感染者が発生した場合についても、当初は学校の所在する区のみを公表していましたが、「憶測や不確かな情報による混乱や風評被害等が生じないよう取り組む」(同市教育委員会)との考えから、7月20日以降は学校名を公表する方針に変わりました。

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<横浜市>7/24(金・祝)は区別の感染者数を公表せず、「連休中のため」(2020年7月27日、連休中を理由に予告なく公表を取り止めたことがあった)

新型コロナ感染数、4/10(金)時点で港北区は11人、行政区別に3日遅れで公開(2020年4月13日、初めて区別の感染者数を公表したのは4月10日で、3日遅れでホームページ上に掲載していた)

【参考リンク】

横浜市「新型コロナウイルス感染症関連」の記者発表一覧(金曜日の公表分にはPDFの発表資料に区別の数値のみが記載されている)

川崎市内の新型コロナウイルスに感染した患者の発生状況(PDFの発表資料には、これまでに発生したすべての感染者と在住区・職業などが記載されている)


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