横浜市会で議論、「集団感染が収まれば安定」「医療崩壊の状況にない」 | 横浜日吉新聞

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病院での集団感染(クラスター)がどうしても多いが、医療崩壊という心配な状況にはなっていない――。きのう(2020年)5月12日に開かれた横浜市会で、市内における新型コロナウイルスの感染状況や医療体制、緊急事態宣言後の見通しなどを林文子市長が答えました。

横浜市における感染者数と経路不明の数の推移、5月に入り経路不明者数が減っている(2020年5月7日「横浜市新型コロナウイルス対策本部会議」資料より)

横浜市内では今週5月11日(月)公表分の感染者数が6人だったことについて、林市長は「決して油断できるものではない」としながらも、「大半がクラスター(集団感染)で、病院がどうしても多い。市中感染というか、原因(感染経路)の分からない人は1人や2人となっており、クラスターが収まればかなり安定しているという状況にもなるかと思う」との見方を示します。

集団感染については、これまでに旭区の病院で50人以上、瀬谷区や港北区の病院で一定規模の集団感染が発生しているほか、4月下旬以降は緑区の病院における感染者も目立つ状況。

また、市内の介護施設でも集団感染が発生しているといい、グループホーム2カ所で27人、特別養護老人ホームでは5人、ケアハウスは5人の感染者が出ていることを明かしました。

飛沫の拡散防止として設置されたアクリル板を前に答弁する林市長(横浜市会インターネット中継より)

市内の医療体制については、500床分を確保しているといい、5月10日時点での入院者は86人(重症14人・中等症29人・軽症42人・無症状1人)にとどまっており、「500床のうち5分の1も使っておらず、医療崩壊という心配な状況になっていない」(林市長)。

一方、林市長は「私見」と断りながらも、「(横浜市は)10万人あたり12人くらいが感染したという計算になるが、東京都では34~35人が感染し、大阪府全体では19人くらいだ」と述べ、「日本の大都市で、感染率だけで言うと横浜は非常に少ない都市」と話しました。

そのうえで、今年2月3日に横浜港へ入港し、大黒ふ頭(鶴見区)に着岸した英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で集団感染が発生したため、「“横浜のクルーズ船”という言い方をされてしまって、いかにも横浜の感染がすごいというイメージがある」と、クルーズ船内感染の呼称に不快感も漏らします。

今回の横浜市会「第1回臨時会」で最後の使用となる関内の本会議場では、感染防止策として出席議員を午前と午後で分けながら開催(横浜市会インターネット中継より)

一方、緊急事態宣言が発出されている現状については「私見だが、やっぱり6月くらいからは徐々に(経済を)開いていかないことには、学校もそうです。経済界だって、これ以上持ちこたえられない」と述べました。

これらは、自民党の関勝則市議(磯子区選出)や日本共産党の古谷靖彦市議(鶴見区選出)、無所属の井上さくら市議(鶴見区選出)の質問に答えたものです。

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<新型コロナ感染数>港北区は3人増の38人、集団感染で緑区が急増(5/15時点)(新横浜新聞~しんよこ新聞、2020年5月15日、集団感染が相次いでいる)

<横浜市長>緊急事態宣言の「一刻も早い解除へ全力」、学校再開へ準備も(新横浜新聞~しんよこ新聞、2020年5月15日)

【参考リンク】

横浜市内の陽性患者の発生状況データ・相談件数(横浜市)


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