パソコンやスマホでも警戒を、日吉・妙蓮寺のコンビニでネット会社偽る詐欺を阻止 | 横浜日吉新聞

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スマートフォン(スマホ)やパソコンの使用で特殊詐欺に狙われる時代になりました。

詐欺被害を未然に防止した「セブンイレブン横浜日吉本町4丁目店」

詐欺被害を未然に防止した「セブンイレブン横浜日吉本町4丁目店」

神奈川県警港北警察署(大豆戸町)は、先週(2020年)9月18日、港北区内で発生した2件の特殊詐欺被害の阻止者に対する感謝状を贈呈、その功績を称(たた)えました。

1件目、日吉での事例は、日吉本町駅から徒歩約3分のオーケー日吉店向かいにある「セブンイレブン横浜日吉本町4丁目店」(日吉本町4)。

先月8月14日の午後に来店した70歳くらいの女性が、自宅のパソコンを使用中に、画面にウイルス感染されたので連絡してくださいというメッセージが表示されたため、記載された電話番号に連絡したところ、電話に出た男から、大手IT企業のサービス・グーグルプレイのギフトカードグーグルプレイカード」を修理費用として5万円分購入するよう言われたといいます。

そのため、同店に来店した女性は、購入方法の確認のためレジに来訪、理由を確認した店員が購入させることなく、警察に相談するよう伝え、女性が交番で相談をした結果、詐欺被害をストップさせることができたといいます。

妙蓮寺駅から徒歩1分の旧綱島街道沿いにある「ローソンLTF港北妙蓮寺店」でも店員の対応から詐欺を未然に防ぐことができた

妙蓮寺駅から徒歩1分の旧綱島街道沿いにある「ローソンLTF港北妙蓮寺店」でも店員の対応から詐欺を未然に防ぐことができた

2件目となる妙蓮寺でのケースは、東急東横線の妙蓮寺駅から徒歩1分の旧綱島街道沿いにある「ローソンLTF港北妙蓮寺店」(菊名1)で。今月9月6日午後に詐欺未遂が発生します。

60代の女性が、大手ネット通販企業・アマゾンを偽り「アマゾンから裁判を起こす」というショートメールをスマホで受信。女性が、ショートメールに書かれた、同企業のサポートセンターを名乗る番号に電話をしたところ、電話に出た男から、「4万8千円の未納料金があり、コンビニで買うように言われた。課金したら、お金は最終的に戻ります」といわれ、5万円分もの電子マネー「ビットキャッシュカード」を購入しようとしたといいます。

これに対応した店員が架空料金請求の詐欺と確信、購入させることなく、110番通報を行い警察が詐欺の手口を女性に伝えると、ようやく女性は被害を認識し、詐欺を未然に防止することに至ったといいます。

店員対応で詐欺を阻止、ネット企業名乗るメッセージに警戒を

アマゾンと言われて、すっかり信じてしまった」と2件目の女性が語るように、今回の詐欺阻止の事例では、や「グーグル」「アマゾン」といった、インターネットやITサービスを利用する誰もが親しみやすい企業名を名乗っていること、パソコンやスマホを通じて架電を誘導し、店に足を運ばせたという共通点が見られています。

港北警察署の署長室で、9月18日午前に感謝状の贈呈式が行われた

港北警察署の署長室で、9月18日午前に感謝状の贈呈式が行われた

妙蓮寺の店員は、「お客様には、一度購入したら払い戻しができないことを伝えました。“店員に迷惑になるから、一度外に出て電話して”と電話口の相手に言われたことを怪しいと感じ、お客様もようやく気付いてくれました」と、“4万8千円”という微妙な金額、そして“お金が最終的には戻る”と言われたことも、つい女性に詐欺を信じ込ませてしまった一因と分析します。

また、日吉の店員は、「お客様が、グーグルプレイカードに慣れない感じで、カードも持たずにレジに来たことで、詐欺の疑いを持ちました。ニュースを日頃から確認するなかで、ちょうどコンビニでの電子マネーで5万円の詐欺被害という事例を見掛けたことも、阻止のきっかけとなりました」と、同時刻に勤務していた先輩店員にも相談、詐欺を食い止めることに成功したと説明します。

感謝状を送られた2人は、「声掛けは大切だなと思った」、「なるべくこれからも声掛けをしていきたい」との意気込みを語った

感謝状を送られた2人は、「声掛けは大切だなと思った」、「なるべくこれからも声掛けをしていきたい」との意気込みを語った

今回の店員の対応について、同横浜日吉本町4丁目店など日吉本町エリアで3店舗のセブンイレブンを経営するオーナーの菅原健一さん・ゆかりさん夫妻は、「折に触れて詐欺被害について注意喚起しているものの、忘れたころになって起きてしまうもの。日々の忙しい業務の中詐欺をストップしてくれた素晴らしい従業員がいてくれてよかった。その判断力を見習いたい」と語ります。

時に、コンビニ店頭での接客対応の現場では、「店員の声掛けが来店客の心象を害してしまうのでは」とそれぞれ声掛けに委縮してしまうシーンも時にあるといいます。

横浜日吉本町4丁目のオーナー菅原健一さん・ゆかりさん夫妻も、店員の対応力を“素晴らしい”という言葉で称(たた)えていた

横浜日吉本町4丁目のオーナー菅原健一さん・ゆかりさん夫妻も、店員の対応力を“素晴らしい”という言葉で称(たた)えていた

港北署生活安全課の原英伸課長は、「特殊詐欺は、電話1本、1回の被害で被害者の人生を大きく変えてしまうほどの卑劣な犯罪。コンビニ店員の皆さんには、引き続き、お客様へのタイムリーな声掛けをお願いをできれば」と、“まだまだ減らせていない”と感じているという詐欺被害を防ぐための協力を呼び掛けます。

港北署管内では、今年9月17日現在での特殊詐欺被害は28件発生、被害額は対前年でマイナス約1170万円となったものの、すでに約4400万円に至っているといるとのことで、個々が「心当たりのないメールや電話に対応しない」ことを心掛け、さらには警察になるべく速やかに相談するなど、家庭や地域ぐるみでの詐欺被害防止対策やその呼び掛けを行う必要がありそうです。

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【参考リンク】

港北警察署のサイト

「大手通販サイト」を騙った料金請求のメールに注意!!(同)


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