ネット印刷のさきがけ「ART名刺工房」が20周年、地元企業にも“日吉クオリティ”で浸透

横浜日吉新聞
1997年9月24日に日吉で創業した「ART名刺工房」のサイト。ネット印刷時代のさきがけの企業として立ち上げてから20周年を迎える

1997年9月24日に日吉で創業した「ART名刺工房」のサイト。ネット印刷時代のさきがけの企業として立ち上げてから20周年を迎える

インターネット草創期に日吉で起業した“ネット名刺店”が今月(2017年9月)24日で創業20周年を迎えます。

まだインターネットそのものが企業や各家庭にも普及しているとは言えなかった時代に「未来を見据えて」創業。今も「“日吉クオリティ”の高品質な名刺作りにこだわり、日吉周辺や全国各地からの注文に応えるべく商品を産み出している」という「ART名刺工房」(有限会社プリンテック=日吉5)。

創業当時の想いや、今人気が高まっているという「和紙名刺」へのこだわりなどについて、代表の時武(ときたけ)芳晴さんに話を聞きました。

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パソコンを90万円で購入、インターネットで起業するまで

代表の時武芳晴さんは京都生まれ・育ち。東京でのサラリーマン時代を経て日吉で起業した。趣味の「日本全国への旅」は大いに仕事に役立っているという(日曜早朝の京都の風景~2017年8月、時武芳晴さん撮影)

時武さんは京都出身。「仕事でやってきた」という東京での会社員時代、「まだワープロもない時代」だったという1985年ごろに、当時勤務していた会社でも「誰も持っていなかった」というパソコン一式を約90万円で購入

「当時は仕事の書類も手書きがあたり前の時代でしたが、なぜ、手で同じものを書くのだろうと疑問に思うこともあって」と、同じ書類も楽々と作成できるパソコンの力に魅了されていったといいます。

1990年代半ばに入ると、日本にもインターネットの時代が本格的に到来。米マイクロソフト社のウインドウズ(Windows) 95の販売(1995年)もあり、コンピュータやパソコンに精通している人々にとって注目の的となったのが「インターネットを使用したビジネス」。日本におけるインターネット普及率がわずか9.2パーセント(デジタルアーツ株式会社「日本におけるインターネットの歴史」サイトより)という1997年ごろには、時武さんも起業を思い立ったといいます。

起業しやすかったという「名刺」の仕事を思いついた時武さん。「働くのが好き」という時武さんの姿に家族の反対もなく、東京から引っ越してきていた日吉の街で「ART名刺工房」のホームページを晴れて開設、新しい起業家としての人生がはじまります。

ネットなのに「地元の会社」が顧客に。業界の“第一人者”として

「名刺」とインターネットで検索すると、「まだ1社か、2社しかありませんでした」と、“時代の先駆者”としてのネット名刺印刷会社立ち上げに手応えを感じたものの、ネット利用者もさほど多くない時代。「どのようにPRしようか」と手探りでチラシを地域にまいたところ、「本当に運がよかったのです。当時、綱島に拠点を置いていた地元の成長企業数社が、大きな顧客になってくれたんです」。

当時、「誰も扱っていなかった」というスケルトン名刺にも挑戦。スタイリッシュなデザインと印刷の精度の高さもあり、IT企業などに多く購入いただいたとのこと(ART名刺工房提供)

当時、「誰も扱っていなかった」というスケルトン名刺にも挑戦。スタイリッシュなデザインと印刷の精度の高さもあり、IT企業などに多く購入いただいたとのこと(ART名刺工房提供)

ネット企業なのに、地元の企業に救われたという時武さん。以降は、「創業後、10年間は休みなしで働きました」という苦労もあったものの、「ネット検索では、創業してから15年くらいは常に上位5社圏内にあったためか、たくさんの注文がその後も舞い込みました。思いもかけぬ著名人からの依頼もネットらしく多く入ってきて、嬉しくも感じていました。テレビや雑誌の取材も多く来たんですよ」と、リアルの印刷会社ではできない低価格と、通信販売という特性も活かして、着実に業績を伸ばすことができたと、これまでの歴史を振り返ります。

ここ5年くらいは、大手のネット印刷会社も台頭。厳しいITネットビジネス競争のさなか、“日吉の街”での事業継続にこだわってきた時武さん。

“人にはできない”オリジナルの名刺も人気を呼び、「スケルトンの名刺を始めたのは1999年。おそらく日本で初めての商品だったのではないでしょうか。カッコ良さを追求し開発したのですが、これが飛ぶように売れました」と、“他社”にはないオリジナルの名刺づくりが好評を博してきたという時武さん。

“和紙名刺”に特化、木や布名刺も“日吉クオリティ”で商品化

本格的な「手漉き和紙名刺」では日本有数の品質を目指す。“日吉クオリティ”の高品質な名刺をネットで気軽に選ぶことができる(ART名刺工房提供) 本格的な「和紙名刺」では日本有数の品質を目指す。“日吉クオリティ”の高品質な名刺をネットで気軽に選ぶことができる(ART名刺工房提供)

本格的な「手漉き和紙名刺」では日本有数の品質を目指す。“日吉クオリティ”の高品質な名刺をネットで気軽に選ぶことができる(ART名刺工房提供)

今、特に力を入れているのが和紙を使用した「和紙名刺」で、その種類は現在12種類。出身地の京都・丹波の和紙を扱う会社に特注した厚めのものや、岐阜県美濃や福井県越前などの和紙職人に直接発注したものも「手触りも良いので、好評を博しています」。大手企業や大量生産にはない“質の高さ”から注文が多く舞い込んでくるといいます。

桐や、桧(ヒノキ)を使用した「木の名刺」も設計事務所や建築関係者から人気とのことで、さらに新商品として、美術本の装丁にも使用される「細布(さいふ)名刺」も今年(2017年)7月より新発売。上質さも感じられる、まさに“日吉クオリティ”を感じられる新たなジャンルの名刺開発にも日々挑戦しています。

ネット名刺会社として時代を創ってきた時武さんが事業を継続できたのは、「小さくもなく大きくもなく」と心掛けてきたからとのこと。

やりたいことがあれば、つき進むことをお勧めします。人生は一度きり。そう強く感じるようになったのは最近になってからです」と語る時武さんの歩みそして存在は、日吉周辺の若きベンチャー起業家にとっても大きな励みとなりそうです。

【参考リンク】

ART名刺工房(有限会社プリンテック)のサイト

ART名刺工房Facebookページ

日本におけるインターネットの歴史(デジタルアーツ株式会社のサイト)

(提供:ART名刺工房~有限会社プリンテック)


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