春の「日吉対決」は慶應塾高が日大高校を制し優勝。決勝戦としては43年ぶりの対戦カードとなったこともあり、躍動する選手たちに熱き声援が送られました。
きのう(2025年)5月4日(日)16時から行われた「神奈川県高校アメリカンフットボール春季大会」(県高校体育連盟主催)決勝戦で、慶應義塾高校(慶應塾高)(ユニコーンズ、日吉4)と日本大学高校(日大高校)(ファイティングブルドッグス、箕輪町2)が対戦。
会場となった法政大学第二高校(法政二高)(中原区木月大町)に隣接する「法政大学川崎総合グラウンド」には保護者や両校の関係者などが訪れ、美しいアメフト球場として知られるグラウンドでの対戦を“熱き声援”で盛り上げていました。
第1Q(クォーター)では、先制点こそ日大高校が挙げたものの、慶應塾高が得点を挙げ7対7の同点に。
慶應塾高は次の第2Qでリードすると、そのまま点差を広げて28対14のダブルスコアで前半を終了します。
後半に入った第3Qでは、双方が競い合い、得点ならずで拮抗するも、第4Qに、激しい競り合いが続く中、日大高校側のケガによる選手の離脱が相次ぎ、試合終了まで6分を残し、日大高校側の棄権により試合終了。
春季大会では慶應塾高が21回目、秋季大会と通算すると44回目の優勝を飾る結果となりました。
「共学化」による部員数減少も
春季大会と秋季大会の記録が残る1975(昭和50)年以降の大会記録によると、2016(平成28)年春時点の優勝回数が、法政大学第二高校(法政二高)(オレンジ)が42回、慶應塾高が31回と、大きく差を付けられている状況でしたが、今回の慶應塾高の優勝で、通算46回の法政二高の“背中”が見えてきた状況となっています。
特に日大高校においては、全学年共学化した2004(平成16)年以降、アメリカンフットボール部の部員数の減少傾向が続いてきたといい、ベスト4入りする回数も以降頻度が減る状況が続いてきました。
今回の試合でも、登録選手数が50人を超える慶應塾高と比較しても、18人しかいない日大高校が圧倒的に不利な状況とも言えましたが、「少人数だった割りにはよく頑張った」と、この日、応援に駆け付けた中園健二校長が語るように、同校の選手たちのプレーや駆け付けた人々の応援には「気迫」や「想い」が込められているかのシーンが多く見られていました。
関東大会への出場校を決める、第3代表決定戦で延長タイブレークの激戦の上、鎌倉学園高校(ファイティングスターズ、鎌倉市山ノ内)を破った法政二高も、2018(平成30)年度に全面共学化が完了しています。
新型コロナ禍での活動休止期間も影響を残しているのか、「部員がもっと増えることが望ましい」(法政二高の関係者)との声もあがっていました。
特に、神奈川県内では、公立・私立問わず、部員不足もあり合同チームとしての出場ケースも増えており、アメリカンフットボールのスポーツとしての魅力を伝えていくことはもちろん、チームや学校、そして一人ひとりの選手たちが、アメリカンフットボールを通じて「どのように成長したのか」ということを情報発信すること、またそのチャレンジも、より大切なミッションになっているといえそうです。
関東大会は5月31日(土)開幕
慶應塾高、日大高校、そして法政二高の3校が出場する「関東高等学校アメリカンフットボール大会」は、今月末5月31日(土)から開幕。1回戦が行われる5月31日は早稲田大学東伏見(東京都西東京市)。翌6月1日(日)はセナリオハウスフィールド三郷(埼玉県三郷市)で開催。
2回戦が開かれれる6月7日(土)と8日(日)、準決勝が行われる6月15日(日)はアミノバイタルフィールド(東京都調布市)、そして6月28日(土)の決勝戦は富士通スタジアム川崎(川崎市川崎区)で開催される予定です。
横浜市港北区の2校、隣接する川崎市中原区の1校が、神奈川県を代表するチームとして関東大会で躍動することで、「地域ぐるみ」での“アメフト人気”が高まることが期待されます。
【関連記事】
・【告知記事】<高校アメフト>決勝戦は慶應vs日大の「日吉対決」、5月4日に法政グラウンドで(2025年5月2日)※「高校アメフト」の歴史についても紹介
・【過去記事】<高校アメフット>9/25(日)に日吉陸上競技場で慶應塾高vs横浜など2試合(2016年9月24日)※現在は「日吉陸上競技場」は試合会場として使われておらず、「慶應義塾嵐が丘グラウンド」で実施。当時までの優勝回数などについても掲載
【参考リンク】
・神奈川県春季大会5/4(関東高等学校アメリカンフットボール連盟)※決勝戦と第3代表決定戦の試合結果。慶應義塾高校と日大高校、法政二高の関東大会出場が決定した
・令和7年度 神奈川県春季大会(同)※組み合わせ・試合予定(日程)
・令和7年度 第51回 関東高等学校アメリカンフットボール大会(同)
・アメリカンフットボール部(慶應義塾高等学校)
・学校生活~部活動(日本大学高等学校)※アメリカンフットボール部へのリンク有
・部活動紹介~アメリカンフットボール部(法政大学第二中・高等学校)