<関東アメフト>“諦めない”慶應塾高が逆転で9年ぶり優勝、日大高校は惜敗で4位に | 横浜日吉新聞

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勝利を“諦めない”慶應塾高が9年ぶりに関東大会で優勝。日大高校は3位決定戦で惜敗したものの、28年ぶりベスト4入りという結果を残しました。

先月(2025年)6月28日に富士通スタジアム川崎(川崎区富士見2)で行われた「第51回関東高校アメリカンフットボール大会春季大会」(同連盟主催)決勝戦で、神奈川県代表の慶應義塾高校(慶應塾高)(ユニコーンズ、日吉4)は、駒場学園高校(東京都世田谷区)に24対20で勝利し、9年ぶり7回目の優勝を果たしました。

最終入場者数は1146人にも上った関東アメフト決勝戦は慶應塾高が逆転勝利で優勝した(最優秀バック賞に輝いた鶴田眞司君、慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

最終入場者数は1146人にも上った関東アメフト決勝戦は慶應塾高が逆転勝利で優勝した(最優秀バック賞に輝いた鶴田眞司君、慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

東京都大会を1位通過した強豪校の駒場学園高校に対し、前半(第2クオーターまで)は3対6とリードされ終了します。

「後半の第3クオーターまで、気の抜けない状況が続いており、第4クオーターはじめには、10対20と、デッドラインの10点差となってしまいました」と、趙元来監督は、厳しい試合展開が続いた状況を振り返ります。

多くのキックを決め存在感を発揮していた大島拓翔君は、最優秀ラインマン賞を受賞した

多くのキックを決め存在感を発揮していた大島拓翔君は、最優秀ラインマン賞を受賞した(慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

それでも慶應塾高の選手たちは「誰一人としてあきらめることなく、むしろこの点差をひっくり返すことに嬉々として臨んでいるようでした」と趙監督。

「気持ちで守りに入らず、オフェンスもディフェンスも攻め続けたことが逆転勝利に繋がったと思っています」と、2回のタッチダウンとキックの成功で14点を獲得し、24対20と大逆転。悲願の9年ぶりとなる優勝の夢を果たしました。

一人ひとりが最後まで勝利を諦めることはなかった(野口侑暉君、慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

一人ひとりが最後まで勝利を諦めることはなかった(野口侑暉君、慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

今回、勝利を得られた理由について、趙監督は、「後半の粘り強さがチームの持ち味です。ケガなく体力負けせずプレーし続けられるトレーニングを積んできたことが勝因の1つと考えます」と、県内では他校にも勝る70人を超えるという部員数を抱えた上での日々の研鑽による勝利であると分析します。

球場全体が熱気に包まれ、神奈川1位と東京1位の頂上決戦に相応しい舞台だったといい、「我々も駒場学園も試合前からハイレベルな練習をしており、“見えないオーラ”のぶつかり合いがあるかの、最高の雰囲気(の試合)となりました」と、トップチーム同士の戦いによる独特の試合だったとも語ります。

第4クオーターでの佳境となる貴重な野口君からのタッチダウンパスを受け取り得点を決める高木周君(慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

第4クオーターでの佳境となる貴重な野口君からのタッチダウンパスを受け取り得点を決める高木周君(慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

今後の抱負については、「学生たちには、とにかく自分たちで考え、問題解決のために皆んなで立ち向かいなさいと伝えています。考えに考え抜き、自分で決めたことを自分の責任で実行することが勝利の近道と信じています」と、趙監督は部員たちを熱く激励します。

「秋には今以上に、人間的に成長した彼らの姿をお見せすることをお約束します。ご期待ください。そして再び関東優勝を果たし、クリスマスボウル(全国高校アメリカンフットボール選手権大会)で優勝します」と、新たな決意を抱きスタートを切る一人ひとり、そしてチーム全体の成長にも注目が集まる日々となりそうです。

日大高校は3位決定戦で「悔しい敗戦」

一方、28年ぶりベスト4入りという結果を残したものの、駒場学園高校との「準決勝」を辞退、6月28日に3位決定戦に挑んだ日本大学高校(日大高校)(ファイティングブルドッグス、箕輪町2)は、足立学園高校(東京都足立区)と対戦。

第3クオーター終了時点まで21対14と優位に試合を進めたものの、第4クオーターで足立学園に14点を許し、最後に7点を挙げ追い上げるも、27対28という僅差(きんさ)で惜敗という悔しい結果となりました。

「第51回関東高校アメリカンフットボール大会」のトーナメント表(同連盟の公式サイトより)

「第51回関東高校アメリカンフットボール大会」のトーナメント表(同連盟の公式サイトより)

最後の1プレーまで、一人ひとりの動きが「勝敗」を分けるアメフト競技の魅力を体感できたかのこの春の「日吉」2校の大活躍により、、地域に“高校アメフト”の存在感を示したことでも語り継がれるシーズンになったといえそうです。

優勝の記念に写真撮影。夏期間を経て秋の大会に向けての一人ひとり、またチーム全体の成長に期待したい(慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

優勝の記念に写真撮影。夏期間を経て秋の大会に向けての一人ひとり、またチーム全体の成長に期待したい(慶應義塾高校アメリカンフットボール部提供)

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<高校アメフト>決勝戦は慶應vs日大の「日吉対決」、5月4日に法政グラウンドで(2025年5月2日)※「高校アメフト」の歴史についても紹介

【参考リンク】

第51回関東高等学校アメリカンフットボール大会 6/28(1)(同連盟)※決勝戦の試合結果

第51回関東高等学校アメリカンフットボール大会 6/28(2)(同連盟)※3位決定戦の試合結果

アメリカンフットボール部(慶應義塾高等学校)

「慶應義塾高等学校アメリカンフットボール部 UNICORNS」インスタグラム

学校生活~部活動(日本大学高等学校)※アメリカンフットボール部へのリンク有


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