東急の「豪華列車」が四国にも進出、JR各社と連携し来年1月から運行 | 横浜日吉新聞

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【レポート】北海道に続き、今度は四国でも運行されることになりました。

東急グループは、横浜駅から伊豆方面へ運行している豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」を愛媛県松山市方面へ運行する「四国・瀬戸内クルーズトレイン」を来年(2024年)1月から3月にかけて計6回を設定し、今月(2023年)7月27日(木)から抽選販売の受付を始めます。

2017年7月から横浜駅から伊豆方面を運行している観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」。普段は8両編成の「電車」として運行しているが四国内ではトンネルの幅が小さいことから、車両の屋根上にあるパンタグラフ(集電装置)を撤去し、5両に減らして機関車が引っ張る形で運行する(東急提供)

ロイヤルエクスプレスは2017(平成29)年7月から東急グループ伊豆急行(伊東~伊豆急下田)などとともに横浜駅から伊豆方面へ運行している観光列車。食事やホテル、現地観光などをセットにしたツアー商品として販売されています。

ロイヤルエクスプレスの車内、ピアノも設置されており、生演奏が提供される(東急提供)

2020年8月には災害で落ち込んだ北海道の観光振興を目的に、現地発着で運行する取組を始めており、今回はその“第二弾”として四国でも同様にロイヤルエクスプレスを使った3泊4日の旅行プランを新たに設定したものです。

来年1月26日から3月1日までの毎週金曜日に岡山駅を出発する四国・瀬戸内クルーズトレインは、瀬戸大橋を経由して香川県の琴平に向かい、愛媛県の松山まで海沿いを走るというコース。四国内の琴平と松山に加え、途中の「しまなみ海道」にも足を伸ばして広島県尾道市の離島でも宿泊する行程となりました。

「四国・瀬戸内クルーズトレイン」の行程図、岡山駅発着の3泊4日で運行する(東急提供)

車内では地元4店舗の料理人が四国・瀬戸内エリアの食材を使って仕上げた独自の昼食を味わいながら移動し、夜は地域の著名な宿泊施設で宿泊。旅行代金は3泊4日で1人あたり96万円からで、1列車あたりの定員は最大30人としています。

ツアーを主催する東急の社会インフラ事業部・松田高広統括部長は「地域の皆さまとともに、四国・瀬戸内の魅力にあふれたこれまでにない世界に誇る旅舞台をつくっていきたい」と力を込めました。

鉄道会社ならではの観光振興

ツアーごとに独自のテーマ曲がつくられ、バイオリニストの大迫淳英さんらが車内で生演奏する(6月30日、都内)

1列車あたりの定員を最大で30人までに絞り、1人あたり100万円近い旅行代金に設定された日本有数の豪華列車であるロイヤルエクスプレス。

先に運行を始めている夏の北海道でも人気を博しており、四国のツアーも抽選販売となる見通しです。

今回のツアーはJR3社の協力で運行する。左からJR西日本の大路洋司理事(東京本部長)、JR四国の西牧世博代表取締役社長、東急の髙橋和夫取締役社長(当時、現副会長)、JR貨物の犬飼新代表取締役社長(3月27日、都内)

JR四国西牧世博(つぎひろ)社長は、ロイヤルエクスプレスの運行について「これまでにも増して観光振興と誘客促進を通じ、四国の活性化につなげていきたい」と話します。

香川県東京事務所の森岡英司所長も「(JRの前身である)国鉄時代の観光キャンペーンに『青い国・四国』とのキャッチフレーズがあったが、その青い国にロイヤルブルーの車体が走ることを想像すると今から大変うきうきしている」と期待を寄せました。

ロイヤルエクスプレスは「鉄道会社ならでは新たな観光振興」(東急・松田統括部長)として、乗客減で厳しい運営を強いられている四国の鉄道にも好影響を与える可能性があります。

「四国・瀬戸内クルーズトレイン」と沿線地域の魅力を説明する関係者ら。左から香川県東京事務所の森岡英司所長、愛媛県東京事務所の河上芳一副所長、JR四国の長戸正二専務取締役・鉄道事業本部長、両備ホールディングス執行役員トランスポーテーション&トラベル部門の大上真司副部門長、ドーンデザイン研究所主宰・デザイナーの水戸岡鋭治氏、東急の社会インフラ事業部・松田高広統括部長(6月30日、都内)

車両デザインを担当した水戸岡鋭二さん(ドーンデザイン研究所主宰)は、「北海道へ行くだけでもすごいことだと感じていたが、不可能と思っていたことが現実になった」といい、「これからの観光列車は県やJRや私鉄の範囲を越えて日本中を自由に走れるような鉄道の旅ができればと考えており、今回がそのさきがけとなる。JR各社や国土交通省鉄道局などが応援してくれ、夢のようなプロジェクトが完成した」と喜びます。

東急は多くの鉄道会社と東横線・目黒線を直結させて沿線の利便性を高めたように、かつて全国進出していた経験を生かし、ロイヤルエクスプレスを通じてJR各社や地域をつなぎ、国内の観光振興を図っていく考えです。

【関連記事】

東急の「豪華電車」が日本の最北端へ、横浜~伊豆を走るロイヤルエクスプレス(2023年2月6日)

【参考リンク】

THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)の公式サイト(東急株式会社)

THE ROYAL EXPRESS「四国・瀬戸内クルーズトレイン」(2024年1月~3月出発)


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