地域をきれいにしたい「想い」届く、新吉田あすなろの大竹さんが環境大臣賞 | 横浜日吉新聞

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自分の住む地域を「きれいにしたい」という想いが、国や環境大臣に届き、地域全体へとその活動が伝わります。

国が定める環境基本法(1993年施行)では、6月5日を「環境の日」と定めており、環境省では毎年、この日を含む6月を「環境月間」として、様々な取り組みを実施。

「地域環境美化功績者」として表彰された大竹さん(右)、漆原区長。資源循環局港北事務所の松本所長も表彰式をバックアップ(6月30日)

「地域環境美化功績者」として表彰された大竹さん(右)、漆原区長。資源循環局港北事務所の松本所長も表彰式をバックアップ(6月30日)

地域環境の保全または地域環境美化に関して、顕著な功績があった個人や団体に対し、「環境月間」に合わせて環境大臣が行っている表彰者が発表され、横浜市港北区内の新吉田あすなろ連合町内会で活動を行う大竹繁(しげる)さんが、2023年度の「地域環境美化功績者」として選出。環境大臣賞として表彰されました。

大竹さんは福島県会津若松市の出身。就職などに伴い、新吉田あすなろ地区に転入。

新吉田東1丁目の早渕川に近い一帯と、新吉田東5丁目の吉田橋から新田中学校までバス通りに接した周辺、「四ツ家前・東銀・峰」をエリアとする新吉田第一町内会に所属する大竹さんは、2003(平成15)年から、地域での美化活動を行う横浜市の「環境事業推進委員」としての地域活動をスタートします。

大竹さんの受賞理由を記した横浜市記者発表資料

大竹さんの受賞理由を記した横浜市記者発表資料

活動を始めた当初は、「まだごみの分別が始まった頃で、その方法を地域の皆さんにお伝えするだけでも大変な時代でした」と、特に資源ごみについて、行政が集めるのではなく、地域での「集団回収」を行うことへの変化もあり、その周知徹底に苦労したという時代を思い起こします。

常に地域での「アイデアマン」として知られる大竹さんは、活動当初から今に至るまで、地域での分別徹底の資料配布やごみの捨て方の指導、クイズを交えたごみの資源化チラシを制作するといった“地域ぐるみ”での啓蒙活動に奔走。

現在は同委員の新吉田あすなろ地区の会長として、港北区の同委員副会長としても、その任を担い、地域美化への日々の尽力を行ってきました。

表彰式では「ミズキー」「イーオ」も激励

横浜市資源循環局街の美化推進課長の藤塚さんや小野さん(左より)も来訪し大きな拍手を送っていた

横浜市資源循環局街の美化推進課長の藤塚さんや小野さん(左より)も来訪し大きな拍手を送っていた

表彰式は環境省では行われず、「地域」での実施ということで、先月(2023年)6月30日午後、港北区役所(大豆戸町)で行われました。

この日は、賞状を授与した港北区の漆原順一区長や、資源循環局港北事務所の松本美穂所長横浜市資源循環局街の美化推進課長の藤塚貴代さん小野哲也さんほかの職員も市庁舎から駆け付け、大竹さんの20年間の歩みや苦労を労っていました。

特に昨年度、ごみ収集車の火災発生が目立った「二次電池」(充電し使用するリチウムイオン電池、バッテリー)を「燃やすごみ」に混ざらないよう分別方法を啓発するチラシを配布したことも、大きな評価につながったとのこと。

大竹さんが受け取った表彰状と記念品。西村明宏環境大臣の名前も

大竹さんが受け取った表彰状と記念品。西村明宏環境大臣の名前も

仕事や独学で学んだという、得意のパソコンスキルもフル・活用しての掲示物や配布物の制作により、「分別などの意識も徹底できたのか、マナー違反はだいぶ少なくなりました」と大竹さんは、これまでの活動を振り返り、地域の人々とのコミュニケーションによりごみ集積場がより“美しく”なったことを喜びます。

記念撮影時には、港北区キャラクター「ミズキー」や、「ヨコハマ3R夢(すりむ)」プラン(一般廃棄物処理基本計画)キャラクターの「イーオ」も来場し、“地域ぐるみ”での大竹さんの表彰式を盛り上げていました。

次世代に伝えたい「地域美化への想い」

大竹さんも活躍している横浜市の「環境事業推進委員」は、「ヨコハマ3R夢プラン」を進める中で重要な役割を担う存在だといい、任期は2年

港北区長室でこれまでの活動を振り返る大竹さん

港北区長室でこれまでの活動を振り返る大竹さん

横浜市からの委嘱で就任しますが、各自治会・町内会から1人の推薦が基本人数(地域実情で異なる)となっており、現在、4月からの新たな委嘱期間(2025年3月まで)に突入。

市全体では約1200人、区内でも約190人が活躍しているといいます。

ごみの分別排出の実践・啓発活動や、環境行動の実践・啓発活動、地域清掃活動の推進や地域への情報提供清潔できれいな街づくりの推進や、住民からの相談と行政機関への連絡の役を担っているといいます。

港北区のキャラクター「ミズキー」やヨコハマ3R夢(すりむ)キャラクターの「イーオ」も激励に

港北区のキャラクター「ミズキー」やヨコハマ3R夢(すりむ)キャラクターの「イーオ」も激励に

一般廃棄物の減量および再生利用を促進するボランティアとして地域で活動していただくリーダー」としての位置付けになっているとのことですが、「その中でも、大竹さんは多くの委員の信頼感を得て活躍しています」と松本所長。

活動の経験から講師として招聘(しょうへい)され登壇することもあるといい、大竹さんは、「地元町内会(新吉田第一町内会)の子ども会で地域行事を行ったのですが、イベントは盛況でも、なかなか町内会活動に入ってくる人は少ない。今後とも多く若い世代の皆さんとつながり、次世代を育むことができれば」と、自身の信念、そして「国」にまで届いた“街をきれいに”したいという熱き想いを次世代につないでいきたい考えです。

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【参考リンク】

横浜市の1団体・2名が環境大臣賞を受賞しました!令和5年度地域環境保全功労者表彰・地域環境美化功績者表彰(横浜市記者発表資料)

ヨコハマ3R夢(スリム)プラン(一般廃棄物処理基本計画)(横浜市資源循環局)

横浜市環境事業推進委員の推薦について(港北区連合町内会)※PDFファイル、2021~2022年度の推薦依頼文書


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