<JR武蔵小杉>混雑対策で12月に「新ホーム」、今後は新改札とアクセス路

横浜日吉新聞

【レポート】この先、JR武蔵小杉駅の「横須賀線・湘南新宿ライン」の乗場が大きく変わります。

JR東日本は武蔵小杉駅の横須賀線側で整備を進めている横浜方面行の新ホームを今年(2022年)12月18日(日)から使い始めるとともに、今後は川崎市が中心となって東京寄りに新たな改札口を整備。東急武蔵小杉駅方面を結ぶ改札外の新たなアクセスルートも設ける計画です。

東急の武蔵小杉駅とJR横須賀線ホームの位置図、混雑対策としてホームや改札口の新設、改札外の新アクセスルートを整備する計画(川崎市議会「まちづくり委員会」2022年6月1日の資料に各施設の位置などを追記・一部加工した)

横須賀線の武蔵小杉駅ホームは今から12年半前の2010(平成22)年3月、東急駅から500メートルほど離れた位置に開業しました。

駅周辺で高層マンションの建設が相次いだことや、停車駅の少ない横須賀線や湘南新宿ラインで品川・東京・新宿方面へ速達できる利便性の高さもあって年々混雑が加速

横須賀線ホームの開業とともに横浜寄りに設けられた「新南口」、東海道新幹線が並走しているため工事の際は影響を与えないよう何かと苦労が多かったとされる

横須賀線ホームの開業直後となる2011(平成23)年度に1日平均9万9617人だったJR駅全体の乗車人員は、新型コロナウイルス禍前の2018(平成30)年度には同13万752人に達しています。

その結果、朝のラッシュ時間帯は1本しかない横須賀線ホームや横須賀線側に新設された「新南口」に人があふれ、南武線のホームを通じて東急駅方面を結ぶ改札内の「連絡通路」にも乗り換え客が集中。

横須賀線だと品川駅まで2駅という速達性の高さもあり、利用者は増え続けた(2021年10月)

2019年11月には「相鉄・JR直通線」(相鉄線~羽沢横浜国大~武蔵小杉~新宿)の乗り入れが始まることもあり、抜本的な混雑対策が求められていました。

JR東日本と川崎市は、2018(平成30)年7月に連携協定を結び、JR側が横須賀線ホームの増設を担当し、川崎市側は改札口の新設と新たな改札外アクセスルートを整備するとの方針を決めています。

新ホームで約3割の混雑緩和へ

新ホームは、横須賀線ホームの真横に広がるNEC玉川事業場側にせり出す形で、15両編成に対応した長さ311メートル・基本幅員約5メートルの規模で計画。

2021年10月時点でのホーム新設工事(左側)の様子、隣接するNEC玉川事業場から用地を取得してスペースを確保した

エレベーターとエスカレーターを各1カ所、階段3カ所を東京寄りの位置を中心に設ける予定です。

建設工事は横須賀線ホームの開業10年を迎えた2020年4月ごろから本格化し、2年半が経過した現時点では新ホームが姿を現しており、残る細かな工事を行っている状況となっています。

9月26日時点での新ホーム(左側)の様子、ほぼ完成しているように見えるが使用開始は12月18日を予定

使用は今年12月18日(日)から始める予定で、新ホームを横浜方面行とし、現在のホームは東京方面行として方面別に分割

JR東日本横浜支社によると、朝の通勤時間帯はこれまでと比べて3割程度の混雑緩和になるといいます。

2024年3月までに「新改札口」

横浜方面行の新ホーム完成とともに始まる次の混雑対策が新改札口の設置です。

新ホームの東京寄りに設けられる新改札口・駅舎の完成予想図、2024年3月(令和5年度)までに供用開始を目指す(川崎市・JR東日本の2022年9月16日ニュースリリースより)

現在、JR武蔵小杉駅の改札口は東急駅と連絡する「北口(南武線改札)」と、横須賀線ホームの横浜寄りに設けられた「新南口(新南改札口)」の2カ所となっており、両改札口間は600メートルほど離れています。

新たな改札口は、横須賀線の新ホームに接続する形でもっとも東京寄りに設ける計画。これによって横須賀線ホームでは両端に改札口が設置されることになります。

川崎市が議会で説明したところによると、この横須賀線新改札口は、新ホームと同様にNEC玉川事業所から用地を取得し、工事費用の12億3500万円超の大半を市が負担。2024年3月(令和5年度)までに供用開始を目指す考えです。

東急駅~新改札間にアクセス路

新改札口の至近を走る綱島街道では、JR南武線の線路をまたぐ「上丸子跨線橋(こ線橋)」が20年以上の時間を要する難工事の末、今年3月28日に4車線化を終えています。

長期にわたる難工事の末、今年3月に4車線化が完了した綱島街道(東京丸子横浜線)「上丸子跨線橋」

東急駅方面から新改札口へは、綱島街道を渡らなければアクセスできない位置にあるため、上丸子跨線橋の完成によって、その下部を通る改札外ルートを設けることが可能となります。

新改札口は「綱島街道」「東海道新幹線」「横須賀線」の3つを横断しないとたどり着けない位置に設けられる(川崎市議会「まちづくり委員会」2022年6月1日の資料より)

新改札口から「横須賀線」「東海道新幹線」「綱島街道」の下を横断するためのアクセスルート完成予想図(同)

新アクセスルートを設けることで、川崎市では現状の4割程度が分散化すると想定しているとのことです。

「東海道新幹線」(手前)と「横須賀線」(奥)の線路を横断できる場所は多くない、左横の線路は南武線

一方、「東急駅~新改札口」間の新たなアクセスルートの沿道はマンションが中心に建ち並ぶエリアとなっており、現在のグランツリー武蔵小杉付近を通るルートのように商業施設は見当たりません。

東急駅(東口)から見た新アクセスルートへの道、三井住友銀行横の道を直進する

東急東口から三井住友銀行横を直進すると現在は綱島街道の「上丸子跨線橋」に阻まれて行き止まりとなっており、この先に新改札口へのアクセスルートを新設する

東急駅近くには三井住友銀行やコンビニが入る商業ビルも位置し、1階部分にテナントスペースを設けているマンションもあるため、乗り換え客で人通りが多くなれば賑やかさが出てくる可能性もあります。

この10年超で大きく変わった武蔵小杉駅は、まだしばらくは変化を続けていくことになりそうです。

【関連記事】

JR武蔵小杉の新ホーム供用は「年度末頃」、新川崎駅の要望は進展なし(2022年6月20日、当初は新ホーム使用開始が来年3月ごろの予定だった)

東急線にも影響与えた「湘南新宿ライン」、運行20周年で1都4県スタンプ巡り(2021年11月29日、湘南新宿ラインの歴史について、誕生当時に武蔵小杉駅は無かった)

【参考リンク】

JR横須賀線武蔵小杉駅及び駅周辺の混雑緩和に向けた取組(川崎市)

JR東日本「武蔵小杉駅」の構内図(えきねっと)


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