信号あっても事故多発、区内最後の「一灯式」を新吉田と大倉山で撤去 | 横浜日吉新聞

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信号機があっても事故が多発していた、港北区内最後となる2つの「一灯点滅式」信号がこのほど撤去されました。

神奈川県内に約60カ所となった一灯点滅式信号。港北区内で最後の1つとなった「太尾南交差点」での撤去作業がおこなわれた。正面突き当りには大綱小学校が見える(2月25日)

神奈川県内に約60カ所となった一灯点滅式信号。港北区内で最後の1つとなった「太尾南交差点」での撤去作業がおこなわれた。正面突き当りには大綱小学校が見える(2月25日)

神奈川県警港北警察署(大豆戸町、田村淳一署長)は、区内の「新吉田第二小学校西側交差点」(新吉田町)と、大倉山エリアの「太尾南交差点」(大倉山3)に設置されていた一灯点滅式信号機の廃止を決定。

2カ所の信号機が撤去されたことにより、区内の一灯点滅式信号機がなくなりました。

同警察署によると、一灯点滅式の信号は、もともと通常の信号機を設置するのが難しい狭い交差点に設置されているケースが多かったといいますが、信号が設置された位置が高いことで、ドライバーがそもそも信号に気づかないケースも。

「赤の点滅」は一時停止のルールも守られず出会い頭の事故が頻発していたという(太尾南交差点)

「赤の点滅」は一時停止のルールも守られず出会い頭の事故が頻発していたという(太尾南交差点)

また、道路交通法施行令で定められた赤の点滅で「停止位置において一時停止」黄色の点滅で「他の交通に注意して進行」というルールも、「多くの人々にとって分かりにくかったようです」と同署交通課の原田善之さん

過去5年間に新吉田の交差点では3件、大倉山では2件人身事故がありました」と、いずれも信号無視による出会い頭(がしら)の重大事故が頻発していたと指摘します。

近隣にある新吉田第二小学校(新吉田町)、大綱小学校(大倉山4)のスクールゾーン対策協議会や、新吉田と大倉山の連合町内会への説明をおこなった上での撤去となったといい、「いずれも撤去後の通学時間帯には警察官が現地に赴いています」(原田さん)と、期間は未定ながらも現地での注意喚起もおこなっているとのこと。

新吉田第二小学校西側交差点では道路の優先順位が変更となった。「止まれ」の道路標識を設置、道路に文字も新たに描き注意を喚起している。前方突き当りは御霊橋(ごりょうばし)方面(2月25日)

新吉田第二小学校西側交差点では道路の優先順位が変更となった。「止まれ」の道路標識を設置、道路に文字も新たに描き注意を喚起している。前方突き当りは御霊橋(ごりょうばし)方面(2月25日)

撤去された交差点の一時停止が必要な道路側には、視界にも入りやすくルールが守られやすい「止まれ」の標識、また道路上に「止まれ」の文字を新たに記していますが、「新吉田は、これまでの一時停止の優先順位が交通量により変更となっていますのでご注意ください」と原田さん。

学校や地域の回覧板などを除いて、信号撤去の情報伝達が難しい実情もあり、「現地を通行する可能性がある人に広く伝えてもらえれば」(原田さん)と、信号機の撤去についての情報の周知と、一時停止など交通ルールを遵守しての交差点での通行を呼び掛けています。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

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【参考リンク】

「信号機設置の指針」の制定について(通達)(警察庁・PDFファイル)※「一灯点滅式信号機その他の常に灯火の点滅を行っている信号機については、一時停止の交通規制その他の対策により代替が可能な場合は、信号機の撤去を検討するものとする」としている

新吉田第二小学校西側交差点の場所(Googleマップ)※ストリートビューでは信号を設置していた時の写真も

太尾南交差点の場所(同)


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