ネット上から無料で鑑賞、横浜中心部で3年ぶり開催中の「トリエンナーレ」 | 横浜日吉新聞

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今年(2020年)夏から秋まで、3年に1度だけ横浜市中心部で開かれている現代美術の国際展覧会「横浜トリエンナーレ」バーチャル上でも楽しめるようになりました。この週末、家に居ながら作品を堪能してみるのも楽しい時間となるかもしれません。

10月11日(日)まで開かれている「横浜トリエンナーレ2020」の概要(公式サイトより)

当時、日本では初めてとなる本格的な現代アートの国際展の開催都市として、国が横浜市に共同開催を持ちかけたことから2001(平成13)年に市内中心部で始まった「横浜トリエンナーレ」。

イタリア語で「3年ごと」を意味する“トリエンナーレ”の通り、1年延期となった2回目の2005年以降は、3年ごとに横浜市中心部で開かれてきました。

2017年以来の開催年となった今年は、新型コロナウイルスの感染が再拡大するなかで、当初予定より開始日を2週間延期して7月17日から開催にこぎつけており、会期最終日は来月10月11日(日)

主要会場となっているみなとみらいの「横浜美術館」には、なぜか黒っぽい幕が……工事中?

会場の横浜美術館(みなとみらい駅近く)と、みなとみらい線・新高島駅近くの旧「アンパンマンミュージアム」の建物を使った「プロット48(PLOT 48)」の主要2会場では、感染対策から時間指定の事前予約制で入場券一般2000円、大学生・専門学校生1200円、高校生800円。中学生以下は無料・予約も不要)を販売。

密集対策として入場人数の制限が行われていることから、休日などはチケットが売り切れとなっている時間帯も見られ、今年はふらりと気軽に訪れても、入場できない可能性もあります。

インターネット上で館内の作品を眺めることができる(ヨコハマトリエンナーレ2020「バーチャルツアー」より)

そんななか、横浜市などによる組織委員会は、きのう9月24日に360度のパノラマビューで作品を鑑賞できる特設サイト「バーチャルツアー」を公開しました。

このバーチャルツアーでは、横浜美術館など各会場の真正面からスタート。館内ではグーグルマップの「ストリートビュー」のような感覚で操作が可能です。

もう一つの会場となっている新高島駅近くの「プロット48」では、何度も訪れた人ならアンパンマンの姿を思い浮かべてしまいそう

横浜美術館会場のスタート画面を見ると、白い建物だったはずの横浜美術館が黒っぽい幕のようなもので覆われており、工事中なのかと錯覚させられますが、画面上に小さく現れる「赤い丸」をクリックすると、作品解説がPDF形式で表示され、これが「予期せぬ共鳴」と題した作品の一つであることがわかります。

また、カラフルに光る“ガーデンスピナー”と呼ばれる装飾物が一面に吊るされた象徴的な作品「回転する森」も、左右上下に視点を移動させながら鑑賞できるのはインターネット上のバーチャルツアーならではの見どころといえそうです。

画面上の赤い丸の部分をクリック・タップすると、会場に掲示されているものと同じ解説文がPDF形式で表示される(ヨコハマトリエンナーレ2020「バーチャルツアー」より)

現地では、小さくて気づかなかったり、人が集まっていたりして、見逃してしまうことがある解説文も、インターネットでは自分のペースで考えながらゆっくり読むことができるのもメリット。

「現代アートの『わからない』を楽しもう」というキャッチコピーが付けられた今回の展覧会だけに、実際に会場へ訪問していても、していなくても、バーチャルツアーで作品を眺めて解説を読んでおくことは、難解な面を持ち合わせた先端の現代美術作品を理解するうえで有益といえそうです。

【参考リンク】

ヨコハマトリエンナーレ2020「バーチャルツアー」(「横浜美術館」会場)

ヨコハマトリエンナーレ2020「バーチャルツアー」(「プロット48=旧アンパンマンミュージアム」会場)

ヨコハマトリエンナーレ2020「バーチャルツアー」(「日本郵船歴史博物館」会場)※1作品のみ展示

ヨコハマトリエンナーレ2020公式サイト(7月17日~10月11日開催)


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