港北区内で「民泊」として法律に基づく届出を行った6軒のうち、3軒が日吉の民家でした。横浜市保健所はこのほど、今年(2018年)6月に施行された“民泊新法(住宅宿泊事業法)”に基づく届出のあった先月(2018年8月)末付けでの住宅一覧を公開しました。
民泊は、自宅やマンションの部屋などの民家を宿泊場所として有償にて貸し出すことで、米国の大手仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー=略称「エアビー」)」の進出もあって日本でも広まりつつあります。
一方、旅館業法などによって防火基準などの順守を求められる一般の宿泊施設とは異なり、民泊は誰でも自由に参入できることから、法律の規制を逃れるための“ヤミ民泊”と呼ばれる宿泊施設も増加。そのため、国では今年6月に法律を新たに施行し、自治体への届出を課したほか、横浜市も民泊の営業に一定の制限をかける条例を設けました。
法律に基づく届出は13~14項目、最大で20項目の書類記入が必要となるなどの煩雑さに加え、各自治体による独自の“規制”が行われたこともあって、法施行後の“正式な民泊”を行う住宅は全国で激減。港北区内でも届出を行った住宅は8月末現在でわずか6軒にとどまっています。
横浜市保健所が公表した届出一覧によると、東横線妙蓮寺駅や新横浜の周辺部で3軒が届け出たほか、残り3軒は日吉駅を最寄りとする日吉2丁目のマンション2軒(同一建物の2部屋)と、日吉本町2丁目の一戸建て1軒でした。
日吉の民泊は、9月18日現在いずれもAirbnb(エアビー)に登録して宿泊者の募集を行っています。利用者の「レビュー(評価コメント)」によると、海外からの来日客が目立っており、慶應義塾大学に用事があって利用したとの記載もありました。
2つの大学キャンパスを抱える一方で、一般に利用できる宿泊施設がない日吉の街だけに、個人による民泊が“貴重な宿泊施設”として活用されている様子がうかがえます。今後、日吉で営業する新たな民泊は増えることはあるのでしょうか。
【関連記事】
・観光拠点の新横浜で「民泊」はどうなる? 認める法律と市の独自規制は6月施行(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年2月14日)
【参考リンク】
・住宅宿泊事業(民泊)の届出について(横浜市健康福祉局)
・Airbnb(エアビーアンドビー)(民泊仲介サイト)