<日吉新生活ガイド1>約2万の学生・生徒が通う街、小学校や保育所は不足傾向 | 横浜日吉新聞

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日吉新生活ガイドようこそ日吉へ――。今年(2016年)も日吉の街に多くの人が引っ越してきます。慶應義塾の学生や関係者をはじめ、マンションや住宅などへ春から住み始める方も多いことでしょう。

日吉の居住者は横浜市民が大半ですが、日吉駅を中心に考えると、川崎市中原区や幸(さいわい)区、「さくらが丘」側の高津区など、その生活圏は、横浜や川崎といった行政の線引きを越えて広がっています。横浜日吉新聞ならではの新生活ガイド。第1回は日吉という街の大きな特徴をまとめました

日吉の特徴1:横浜・川崎両市の“端っこ”にある

日吉駅の利用者を「日吉住民」と考えると、横浜市民だけでなく川崎市中原区や幸区などの住民も多い

日吉駅の利用者は横浜市民だけでなく、中原区や幸区に住む川崎市民も多い。また首都圏各地に住む約2万人の学生や生徒が通学で使っている

日吉を指す時、主に東急東横線・目黒線・地下鉄グリーンラインの日吉駅や、グリーンラインの日吉本町駅を中心とした場所のことを言います。住所ではかつて「日吉村」を形作っていた4つの町である日吉町(日吉1~7丁目)と日吉本町、箕輪町、下田町が主に「日吉」と呼ばれる地域です。

ただ、住所が綱島(つなしま)や高田(たかた)川崎市中原区(主に木月や井田)、幸区(主に南加瀬や矢上)、高津区(主に蟹ヶ谷=さくらが丘近く)であっても、日々の生活で日吉駅を利用している人を住民と定義するならば、“日吉住民”は数多くいます

下田町は川崎市中原区井田だけでなく、高津区蟹ヶ谷とも接している

下田町(横浜市港北区)は区内の高田(たかた)や高田東、さらには川崎市中原区井田、高津区蟹ヶ谷とも接している

日吉は横浜と川崎の“端”にあるため、行政の線引きに拠らない生活圏ができています。横浜にせよ、川崎にせよ、区役所や市役所などがある行政の“中心部”から少し遠いのは難点ですが、その分、東京都心にかなり近いのが特徴です。

行政関係の手続きでは、横浜市民の場合、住民票の発行など簡単な業務は日吉駅構内にある横浜市の行政サービスコーナーでも行っていますが、それ以外の場合は大倉山駅から徒歩7分の場所にある港北区役所へ行く必要があります。

中原区民の場合は、武蔵小杉駅から徒歩5分の場所に中原区役所が設けられています。幸区役所はJR南武線の矢向(やこう)駅から徒歩約15分という若干不便な場所ですが、南加瀬には「日吉出張所が設置されており、簡単な手続きはこちらで行えます。

日吉の特徴2:首都圏全域から中・高・大学生が通う

日吉駅の改札口を出て横断歩道を渡れば徒歩30秒もかからず慶應日吉キャンパスへ行ける

日吉駅の改札口を出て右手の横断歩道を渡れば、駅から30秒もかからず慶應日吉キャンパス内へ

日吉の駅前(東口)に慶應義塾大学の日吉キャンパスがあり、ここは慶應学生の大半が通います。多くは1~2年生で日吉を“卒業”となり、三田キャンパス(三田駅や田町駅近く)などへ通うことになりますが、理工学部だけは3年生になると日吉3丁目にある「矢上キャンパス」へ移りますので、4年間ずっと日吉ということになります。そのため、同学部生は日吉周辺に住む人の割合が多くなっています。

大学院も含めて日吉キャンパスだけで1万1000人の学生が在籍しており、矢上キャンパスの4000人を合わせると、日吉には約1万5000人の学生が通っていることになります。

また、野球やサッカーなどの運動部の練習場はほとんど日吉キャンパス内や下田町にあるため、運動部員に限っては、3年生以上になると授業は三田キャンパス、練習は日吉キャンパスというスタイルになります。日吉本町2丁目や下田町には運動部員専用の寮も設けられています。

箕輪町2丁目にある日本大学高校・中学校は2000人以上が通う

箕輪町2丁目にある日本大学高校・中学校へは2300人が通う

大学生だけでなく、中高生も多いのが日吉の特徴です。日吉キャンパス内には慶應義塾高校の校舎も設けられており、首都圏各地から2000人以上が通っています。箕輪町2丁目には日大高校・中学校があり、こちらも中高合わせ約2300人の生徒がいます。また、日吉本町1丁目に慶應普通部(中学校)が設置されており、生徒数は700人以上にのぼります。

大学1~2年生(18~20歳)が中心となる日吉キャンパスの学生と、慶應・日大の中高生5000人を合わせると、なんと日吉には2万人の学生・生徒が存在することになります。日吉が若い街といわれるゆえんです。日吉のアパートや寮に住む大学生を除けば大半が通学生なので、学校の長期休暇に入ると、賑やかな日吉の街は一気に静かになります。

日吉の特徴3:小学生も乳幼児もいっぱいの街

日吉南小は校地面積1万533メートルで834名の児童が通う(写真は箕輪町内会の運動会時)

日吉南小は校地面積1万533メートルで834名の児童が通う(写真は箕輪町内会の運動会時)

日吉へ通う中高大学生だけでなく、小学生と幼児がとにかく多いのも日吉の特徴です。ファミリー層向けのマンション建設が相次いでいるためで、保育所は認可の有無を問わず常にいっぱいですし、横浜市立の小学校も多くが現状のままでは受け入れが難しい、とのことで箕輪町2丁目では2020年4月の開校に向けて小学校の建設計画が進められています。

日吉は小高い丘が多いこともあり、自然が比較的多く残り、子育て環境としては悪くはない街です。ただ、小学校前の子どもを保育所に預ける場合は注意が必要です。保育所の数は年々増えているものの、人口増加に追いつけない状態が続いており、特に0~2歳児を預けて仕事をしたいと考える場合は、相当な苦労を覚悟しなければなりません。

横浜市立の公立中学校は日吉に「日吉台中学校」(台中、日吉本町4)と「日吉台西中学校」(西中、日吉本町5)の2校があり、日吉台中が生徒数900人程の大規模校である一方、西中は450人ほどで小ぢんまりしています。(中学校に関する記事一覧

日吉の小学校のなかには、公立ながら私立小学校に近い学力レベルを持つ学校もあり、私立中学校へ進学する児童が多いことも一つの特徴といえるかもしれません。(小学校に関する記事一覧

日吉駅に近い川崎市立の公立中学校では、中原区に「中原中学校(小杉陣屋町1、生徒数350人超)や「井田中学校」(井田杉山町11、生徒数500人超)、幸区には「南加瀬中学校」(南加瀬3、生徒数700人超)があります。

(第2回「交通・買物編」に続きます=随時掲載します)

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