<アネスト岩田レーシング>2024年の目標は「表彰台」、2年目の挑戦が始まる | 横浜日吉新聞

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2024年もアネスト岩田が自動車レースに挑戦します。

アネスト岩田株式会社(新吉田町、深瀬真一社長)は、「ANEST IWATA Racing(アネスト岩田レーシング)」のチーム名で今年(2024年)4月から始まる「Super GT(スーパーGT)」のGT300クラスに参戦すると発表しました。

今年も「ブルーリンクフェス」の会場に爆音を轟かせて参戦マシンが登場し、初の披露となった。今シーズンもトヨタの「レクサスRC F(アールシー・エフ)」をベースとしたマシンだが、カラーリングが若干変わり「2024年仕様」となっている(2月18日)

同社は昨年(2023年)4月から国内最高峰の自動車レースといわれるスーパーGTに「ANEST IWATA Racing with Arnage(アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ)」のエントラント(競技参加)名で参戦。

全8戦を通してのチーム順位は27チーム中17位最高位は第6戦(宮城県スポーツランドSUGO)での7位でした。

新吉田町のアネスト岩田本社で開かれた地域イベント「ブルーリンクフェス」は今年が2年目、スーパーGTへの参戦体制を発表する場にもなっている

2月19日に新吉田町のアネスト岩田本社で開かれたイベント「ブルーリンクフェス(BLUE LINK FES.)」では2人のドライバーとともに参戦マシンが公開され、新シーズンへの意気込みを語っています。

前年同様にAドライバーをつとめるイゴール・オオムラ・フラガ選手は、新デザインとなったマシンに乗ってステージに登場。「昨年よりたくさんのお客さんに来ていただき本当にうれしい。去年の経験を生かし、もっと上を目指せるよう頑張っていきたい」と宣言。

今年もAドライバーをつとめるイゴール・オオムラ・フラガ選手(左)とBドライバーの古谷悠河選手

前年に続いてBドライバー古谷悠河(ふるたにゆうが)選手は「昨年は表彰台(1~3位)を獲得できていないので、まずは表彰台を獲り、そこから優勝を目指す」と決意を述べました。

前シーズンは両選手にとってスーパーGTは初の参戦となり、ルーキーとして臨んだシーズンでした。

フラガ選手は「僕らはGTの特殊なタイヤの経験がまったくなく、最初は少してこずった部分もあった。シーズン中盤くらいから方向性を見つけ出し、徐々に戦闘力がアップしてきた」と振り返り、「去年得た経験で、同じ車で慣れたメンバーとのサーキットとなるので、今年こそは上位を目指す」と話します。

ステージ上で記念撮影におさまる両選手、右はチームの武田克己総監督、左は司会をつとめた元AKB48のタレント・平嶋夏海さん。平嶋さんはバイクレースへの参戦経験を持つことでも知られる

古谷選手も「(チームに)ノウハウが蓄積され、ドライビング的にも少しずつ良くなっている。タイヤやマシンとドライバーが上手くかみ合い、マッチさせることができれば、必ず良い結果が出るという手応えがある」と力強いコメント。

チームの武田克己総監督(アネスト岩田取締役常務執行役員)は「昨年は初めてのことばかりだったが、今年はもう少し余裕を持って迎えることができると思う。2人のドライバーとともに2023年以上の結果を出すことを目指して頑張っていく」と話していました。

今シーズンもタイヤはヨコハマ(横浜ゴム)、カーナンバーは「50」

3人目のドライバーとして前シーズンは所属していた小山美姫選手が他の自動車レースに参戦するためチームを離れ、ドライバーは2人となりましたが、チーム体制自体は前年とほぼ変わらないといいます。

初のシーズンで蓄積した経験とノウハウを発揮したい2年目のアネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ。4月13日・14日の「岡山国際サーキット」から始まる新シーズンで昨年以上の上位を狙いたいところです。

eスポーツでのフラガ選手に熱い視線

レースの参戦体制を発表する場として昨年から始まった大型地域イベント「ブルーリンクフェス」。今年は昨年を上回る1720人が来場し、地域の家族連れとモータースポーツファンを中心に朝から賑わいました。

好天に恵まれ朝から多数の家族連れやモータースポーツファンが訪れた「ブルーリンクフェス」

今年、注目を集めたのが自動車レースゲーム(ドライビングシミュレーター)「グランツーリスモ」の実演です。

フラガ選手はリアルの自動車レーサーとして活躍するだけでなく、2018年に「FIAグランツーリスモ選手権」ネイションズカップで初代世界チャンピオンを獲得するなど、eスポーツ界でも知られた存在

フラガ選手による「グランツーリスモ」の実演イベントはかなりの熱気、子どもの見学も目立ち、コーナーの攻め方など細かな質問を投げかけていた

ブルーリンクフェスでは、フラガ選手がグランツーリスモを実演しながら会場からの細かな質問に答えるイベントも行い、プロの技術に観客が真剣なまなざしで見つめていました。

またチームメイトである古谷選手との対戦では、リアルのレースとは異なる環境に若干戸惑う古谷選手に対し、フラガ選手が安定した技術で勝利をおさめました。

チームメイトの古谷選手(左)とグランツーリスモで対戦するフラガ選手

なお、グランツーリスモの開発元であるソニー系の株式会社ポリフォニー・デジタルは、アネスト岩田レーシングの参戦パートナーとしてマシンのデザインを担当しています。

片山右京さんの自転車チームも支援開始

ブルーリンクフェスには、元F1ドライバー片山右京さんも来場し、ステージに上りました。

スーパーGTでは、アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュと同じGT300クラスで「GOODSMILE RACING & TeamUKYO(グッドスマイルレーシング&チームウキョウ)」の監督をつとめています。

この日は自動車ではなく「自転車」レースをアピールした片山右京さん

自動車レースではライバル関係にある片山さんですが、昨年から自転車ロードレースチーム「JCL TEAM UKYO(ジェイシーエル・チームウキョウ)」を結成して代表者となっており、日本国籍チームで初の「ツール・ド・フランス」出場と表彰台を目指して活動を本格化させています。

アネスト岩田の欧州法人が同チームの活動をサポートすることを決めており、今回のイベントであいさつすることになりました。

片山さんは「自転車も少しずつレベルが上がっている。クルマ(自動車)も面白いのですが、自転車も応援していただけたら」と会場に集まったモータースポーツファンにアピールしていました。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

【関連記事】

<アネスト岩田レーシング>初のシーズンは17位、全レースで「完走」は成果(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年11月14日、参戦初年の全成績)

【参考リンク】

アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ(ANEST IWATA Racing with Arnage)の公式サイト(レースレポートなど)

スーパーGT(SUPER GT)の公式サイト(2024年は4月13日~11月3日まで全国6会場で全8レースを予定)


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