来年(2024年)の「師岡熊野神社」創建1300年を前に師岡の街を練り歩く神輿(みこし)の姿にも、大きな注目が集まりそうです。
師岡熊野神社総代会や氏子会、師岡地区連合町内会などが協力して組織された「千三百年祭奉祝行事祭礼委員会」は、今週末(2023年)8月19日(土)と20日(日)に師岡熊野神社で(師岡町)「師岡町御祭礼(祭り)」を行います。
まず初日の19日に、神輿が立ち寄る「神酒所(みきしょ)」を町内各地に設営。
子ども神輿や山車(だし)の飾りつけや大人神輿の組み立て後、師岡熊野神社で「宵宮」(よいみや=前夜祭)を16時から行います。
16時から始まる奉納演芸では、「御霊入れ(みたまいれ)」(神様を本殿から神輿に遷す神事)の際に、師岡お囃子(はやし)の会と、同会の立ち上げに向けての指導を行ったという鶴見区の潮田(うしおだ)囃子保存会が囃子を演奏。
昨年に続き地元・南谷戸地区ゆかりの声楽家・吉野陽香さんが、「夏は来ぬ」や「夏の思い出」、「知床旅情」などの歌声を披露する予定です。
また、鶴見区や川崎市を拠点に活動しているという和太鼓教室の「耀座(かがやきざ)」も昨年に続いて登場し、華やかな太鼓の音を境内に響かせるプログラムを計画しているとのこと。
16時30分から「抽選券」の配布をスタートするという「福引き抽選会」は18時から19時30分まで実施し、「夜店」は15時から20時ごろまで神社鳥居前に出店し、宵宮を彩る予定です。
町内を練り歩く“最後の”神輿に注目
翌8月20日(日)は「本祭」として、朝9時に大人神輿が師岡熊野神社を出発。
師岡町内の南谷戸、打越谷戸、仲谷戸の各神酒所やトレッサ横浜、沼上耕地公園、師岡小学校などを巡回した後、師岡小学校に集合した子ども神輿や山車とともに師岡熊野神社に集結。
16時30分から奉納演芸、17時からは同神社で神輿の「還御祭」(神様を神輿から本殿にもどす神事)を行う予定となっています。
同日も16時から20時ごろまで、神社前に夜店が出店するとのことです。
神輿の“世代交代”で「感謝祭」も
来年(2024年)、同神社の創建1300年を記念して開かれる予定の「千三百年祭」を祝うため、祭礼委員会が新しい「宮神輿」を製作しており、1990(平成2)年に奉納された現在の「町神輿」は今回の祭礼が最後となる予定です。
町が中心となって奉納した現在の町神輿は今回で引退し、神社が持つ宮神輿が新調されることになったためです。
新たな宮神輿は来年の千三百年祭に向け、千葉県市川市の「有限会社中台製作所」(1848年創業)で製作が行われており、「“師岡熊野神社”の神輿らしいデザインや、伝統技術を今も守り続ける職人の技術を間近で感じてほしい」という理由から、先月7月22日(土)と28(金)には地域住民向けに製作現場の見学ツアーも実施しています。
来年春には新たな宮神輿が完成して同神社へ奉納されると同時に、現在の町神輿から“世代交代”することになります。
「この町神輿の奉納を機に現在の神輿会が発足し、その後約30年間にわたって神輿会の発展を牽引してきました」と、祭礼委員会の委員長で同神社氏子総代表の鈴木聡さんは、現在まで活躍してきた町神輿への感謝の想いを語ります。
特に「商店街」といった経済的な支柱になるような組織も存在しない師岡町で、「神輿を通じた交流が街の人々に生まれ、受け継がれ、発展してきたのも、これまでの町神輿があったからこそ。新たな宮神輿を作ろうという機運もそこから生まれた」と鈴木さん。
「現神輿は今後も師岡の“神輿文化”の礎として、町内の皆様に永く記憶に残していただければ」と、還御祭の後には「感謝祭」も行う予定とのこと。
今回の祭礼で見納めとなる町神輿と、新たな担ぎ手も募集しているという師岡町の「神輿文化」を支える人々の姿に、大きな注目と共感が寄せられる祭礼のひとときとなりそうです。
【関連記事】
・8月19日(土)に新田中で4年ぶり「ふれあい夏まつり」、トレッサ縁日は金曜から(2023年8月14日)
・【前年記事】<レポート>子ども・大人みこしの声が街に響く、師岡熊野神社で3年ぶり祭礼(2022年8月25日)
【参考リンク】
・師岡熊野神社インスタグラム(Instagram)
・師岡熊野神社 創建千三百年 奉祝行事 <氏子広報>インスタグラム(Instagram)
・トレッサ夏祭り(トレッサ横浜)※8月20日(日)について「地域の師岡熊野神社氏子神輿会のお神輿がトレッサにもやってくる」として時間を「13時15分頃」予定(状況により時間は前後する可能性)と告知