白金高輪駅から延伸「品川地下鉄構想」、審議会が早期事業化を答申 | 横浜日吉新聞

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日吉や綱島から品川へ行きやすくなるのでしょうか。東京メトロ南北線・都営三田線の白金高輪駅から品川駅へ延伸する「品川地下鉄構想」について、国交省(国土交通省)の諮問機関である交通政策審議会は、「早期の事業化を図るべき」との答申を今月(2021年)7月15日にまとめました。

白金高輪駅とつながれば品川駅から都心部への利便性は格段に高まりそう

この「品川地下鉄構想」は、将来的にリニア中央新幹線の始発となる品川駅と、六本木などの都心部を結ぶ路線として意義があると、2016(平成28)年に交通政策審議会に位置づけられており、2019(平成31)年3月には国交省が採算性などについて詳しい調査を行っていました。

国交省による2019年の「東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する調査」では、品川地下鉄構想は、白金高輪駅から品川駅まで約2.5キロ区間に事業費800億円と10年の時間をかけて新線を整備し、途中駅は設けず両駅間を約4分で結ぶことを想定。

2021年4月の「第3回 東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会」で配付された資料に「品川地下鉄構想」の現状がまとめられている

1日あたり13.4万人から14.3万人の利用が見込まれることから、「収支採算性は良好」(同調査)としています。

運行頻度は全時間帯で1時間あたり12本とし、南北線(麻布十番方面)と三田線(三田方面)からの直通運転を想定。六本木や溜池山王といった都心部と品川駅を結ぶという目的があるため、現時点の構想では、東急目黒線方面と直通運転が行われる可能性は低そうです。

今回、交通政策審議会から出された答申「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」のなかでは、品川地下鉄構想に対し、「費用便益比や収支採算性ともに概ね良好な数値が結果として示されており、近年の品川駅周辺の開発計画の進展も踏まえると、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきである」と結論づけています。

東急目黒線での通勤客にもおなじみの白金高輪駅。都心方面へは白金高輪が始発着となる列車も多く、乗り換えを強いられる

計画の進め方については、「東京メトロのネットワークとの関連性があり、運賃水準や乗換利便性など利用者サービスの観点や整備段階での技術的な観点からも、東京メトロに対して事業主体としての役割を求めることが適切」とし、十分な公的支援を行うことを条件に東京メトロが事業主体となることを求めています。

建設だけでも10年程度を要する可能性のある構想とされているだけに、まずは事業化の決定が待たれます。

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<横浜市>「相鉄・JR直通線」の品川方面乗り入れと鶴見駅への停車は諦めず(新横浜新聞~しんよこ新聞、2019年2月27日、「相鉄・JR直通線」を品川駅方面へ乗り入れるべきとの声は根強い)

【参考リンク】

東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について~交通政策審議会より答申をいただきました(国土交通省鉄道局、2021年7月15日、今回の答申内容)


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