<東急バスや臨港バスなど>ICカード利用時の「特典ポイント」相次ぎ終了 | 横浜日吉新聞

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チケットがつきました――。路線バスの運賃箱にパスモ(PASMO)やスイカ(Suica)をタッチした際、そんな自動音声を聴くことが無くなりそうです。東急バスや臨港バス(川崎鶴見臨港バス)、横浜市営バスなど首都圏のバス各社は、乗車回数に応じてポイントを付ける“バス特”と呼ばれる「バス利用特典サービス」を終了する方針を相次いで決めています。

株式会社パスモによる「バス特(バス利用特典サービス)」の紹介ページ

バス特は、2007(平成19)年3月に私鉄やバスなどの交通機関に「パスモ」が導入された際、ICカードの利用を促すための特典として首都圏の路線バス会社が導入したサービスで、毎月(1日から末日までの1カ月間)バスの利用額に応じてポイント還元される仕組み。

たとえば、東急バスの場合は1カ月間の利用額が1000円に達すると、100円分のバスポイントが自動的に付き、次回乗車時には100円が“割引”される形です。

バスの乗車時、運賃箱の読み取り機にパスモやスイカを押し当てると、「チケットが付きました」「チケットを使いました」といった音声が流れるのは、このバス特のポイント付与が行われたり、ポイントを使ったりした証(あかし)で、あまり気づかないうちに“得”をしていたことになります。

導入会社のバス出入口には「バス特」のマークが掲げられている

このバス特について、今月(2021年)3月以降、首都圏のバス会社が相次いで終了することを発表しており、「ICカード乗車券の利用率が9割を超え、ICカード乗車券の普及促進という当初の目的を達成」(臨港バス)、「当初の目的を果たした」(東急バス)と終了の理由を説明しています。

一方、バス特の終了は、新型コロナウイルス禍による路線バスの乗客減が影響しているとの指摘があり、横浜市交通局が市会で明かしたところでは、市営バスでの割引額は年間7億円から9億円に上っているといいます。バス路線網の維持や料金の値上げを抑えるために特典の終了はやむを得ない、との議論も市会の場で聞かれました。

今後は運賃の支払い時に「チケットがつきました」の音声が聴こえなくなる

バス特は、東急バスでは4月11日(日)、臨港バスは4月2日(金)を最終日としており、横浜市営バスについては5月中までは現状を維持したうえで終了する見通し。このほか、川崎市バスや相鉄バスが3月31日(水)、神奈川中央交通は4月2日(金)までとしています。

【参考リンク】

横浜市営バス「バス利用特典サービス(バス特)」についての制度説明(横浜市交通局は終了時期を未発表だが、5月末には終了する見通し)

「バス利用特典サービス」見直しのお知らせ(東急バス、2021年4月11日まで)

【重要】「バス利用特典サービス」終了のお知らせ(臨港バス、2021年4月2日まで)

バス利用特典サービス終了のお知らせ(川崎市バス、2021年3月31日まで)


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