【レポート】相鉄線からJR武蔵小杉駅へ“ワープ”したかのような感覚になりました――。
今月(2019年)11月30日(土)に開業を控えた「相鉄・JR直通線」(相鉄西谷~羽沢横浜国大~JR武蔵小杉~JR新宿方面)で、両社はきのう11月7日に相鉄西谷駅からJR新宿駅までメディア関係者向けの試乗会を開催。試乗列車から見えた沿線の車窓を写真を中心にご紹介します。
横浜駅から二俣川方面へ7駅、現在は各駅停車しか停まらない相鉄本線の西谷駅(保土ヶ谷区)は、今月30日のJR直通線開業後には、乗り換え駅として特急や通勤特急などが停車する交通の結節点となります。
JR直通に合わせて西谷駅に増設された4番ホームから出発した試乗列車は、横浜駅側すぐに新たに掘られた真新しいトンネルへ入ると、わずか3分で新駅の羽沢横浜国大駅に停車。
この間はトンネルなので車窓は見えませんが、白っぽい壁が新たな鉄道であることを示します。
建設費の節約で一部はコンクリートがむき出しとなった部分の目立つ羽沢横浜国大駅も、新しさがあるためか、黒っぽい柱などシックなデザインも相まって、シンプルながら落ち着きを感じます。
同駅から先はJR東日本の運営区間となるため、相鉄からJRの運転士に交代。
出発後はすぐに地上へ出て、貨物駅である横浜羽沢駅のコンテナ群を右手に見ながら東海道貨物線の線路と合流すると、再び今度は約6キロにおよぶトンネル区間に入り、港北区妙蓮寺近くの地下などを横断して海岸寄りを走る東海道本線のほうへと向かいます。
今度は1979(昭和54)年の開業から40年が経過した貨物列車用のトンネルのためか、黒っぽい壁が続きます。携帯電話の電波が弱くなるのは少し心配なところ。
列車は港北区の妙蓮寺駅付近などの地下を通っているはずですが、窓の外は真っ暗。
実際には相鉄の上星川駅やJR横浜線の大口駅近くでは、地上の高架線を走っていますが、騒音対策で線路左右と上部が覆われていて一連のトンネルにしか見えません。
この間5分ほど、地上へ出ると右手に京浜急行の生麦駅が見え、この先は東海道本線や横須賀線、京浜東北線と並んで走りますが、列車は鶴見駅のホームから離れた場所を通過。
高架に上ったり、下りたりと複雑な線路を走り、新川崎駅に隣接する新鶴見操車場(JR貨物の拠点)のなかに入ると、周りは貨物列車ばかり。新川崎にいるはずなのに、駅ホームの姿は遠くにしか見えず、不思議な感覚です。
右手にNEC玉川事業所のビルが見えてきたあたりで横須賀線の線路と合流。左手の東海道新幹線とともに武蔵小杉駅へ。この先は普段の湘南新宿ラインと同じルートで大崎駅やJR渋谷駅などを経由してJR新宿駅へと向かいます。
普段の最高速度は時速120キロとのことですが、今回は試運転列車。羽沢横浜国大からJR武蔵小杉駅への途中ではドアの開かない停車が多く、正確な所要時間は計れませんでしたが、公表された時刻表では羽沢横浜国大駅から武蔵小杉駅までは15分ほど。
若干遠くは感じますが、見慣れない車窓と長いトンネルを走ることもあって、相鉄本線からJR武蔵小杉駅へワープしたかのような感覚になりました。
JR・相鉄直通線の開業は今月末の11月30日(土)。相鉄の海老名を5時43分、横浜羽沢国大は6時5分、JR武蔵小杉駅からは6時20分にそれぞれ出発する新宿行の列車から運転が始まります。
【関連記事】
・なぜ「相鉄・JR直通線」は新川崎や鶴見に停車しないのか、その理由がわかる映像(2019年10月3日、展望動画について)
・羽沢横浜国大の「時刻表」発表、新宿行始発が6時5分、最終は23時52分着(新横浜新聞~しんよこ新聞、2019年9月6日、「相鉄・JR直通線」のダイヤを発表)
【参考リンク】
・都心直通プロジェクト(相鉄、JR直通線の展望映像も)