1食360円から提供の中学生向け「ハマ弁」、日替わりメニューは意外と魅力的

横浜日吉新聞
5月27日に公開された「ハマ弁」のホームページ、中学生にも親しみやすいデザインとしている

5月27日に公開された「ハマ弁」のホームページ、中学生にも親しみやすいデザインとしている

横浜市は今年(2016年)7月1日から一部の中学校で開始する配達型弁当の「ハマ弁」のホームページをこのほど公開しました。この中学生向け配達弁当は1食税込360円からという価格にしてはそれなりに洗練されており、2種類から選べる日替わりの「おかず」や日替わりの汁物のメニューを見る限りはなかなか魅力的に見えます。

給食の提供がない横浜市立の公立中学校では、昼食については家庭で弁当を作って持参する形を基本としているものの、「共働き世帯の増加や就労形態の多様化など社会状況の変化から、弁当作りが難しい場合があるなどの課題」(横浜市)が持ち上がっていました。

「ハマ弁」の名称は中学生の投票で決定した(横浜市のチラシより)

「ハマ弁」の名称は中学生の投票で決定した(横浜市のチラシより)

神奈川県全体では、全国のワーストレベルとなる25%の公立中学校でしか完全給食を行っていないこともあり、県内各地で保護者から給食実施の要望が高まっているのが現状です。そんななか、川崎市が中学校での完全給食実施の試行を昨年からはじめるなど、中学校での給食の実施を向けた動きが加速しています。一方で横浜市は県内最大となる148の中学校を抱えることもあり、「給食センターの建設用地や財政的な課題」(2015年10月、林文子市長)から、横浜独自の配達弁当としてハマ弁を誕生させたものです。

ただ、こうした学校外の場所で調理して学校まで宅配する“デリバリー型”の弁当や給食は、生徒のもとに届いた時に冷たくなっていることから評判が悪く、これまでに大阪市や神奈川県相模原市などでは、改善を余儀なくされた経緯もあります。

ハマ弁は“横浜らしい中学校昼食”として、栄養バランスに配慮したうえで、メインとなる日替わりのおかずが2種類から選べたり、ご飯の量が調整できたり、ご飯と汁物は温かい状態で提供されますパソコンやスマートフォンなどで1日単位から注文(7~10日前締切)できる利便性も確保しました。

一週間のメニューの一例、学食や社食の日替わり定食のようなイメージだ(「ハマ弁」ホームページ)

一週間のメニューの一例、学食や社食の日替わり定食のようなイメージだ(「ハマ弁」ホームページ)

日替わりとなるおかずメニューがなかなか充実しており、たとえば、7月1日のメニューで見ると、Aが「煮込みハンバーグ・スウィートキャロット」、Bが「たらのカレームニエル・スウィートキャロット」という2種から選択できるおかずを用意。その後のメニューを見ても、「鶏の唐揚げ・プチトマト」「さんまのオーブンパン粉焼き・プチトマト」「とんかつ(ソース)・ボイルキャベツ」「さばの竜田揚げ・ボイルキャベツ」「キーマカレー」「かじきのガーリックパン粉焼き・ブロッコリー」など多彩で、おおむね“肉系”と“魚系”の2種類から選べるようになっています。

「ハマ弁」第1日目のメニューAはハンバーグ(「ハマ弁」ホームページ)

「ハマ弁」第1日目のメニューAはハンバーグ(「ハマ弁」ホームページ)

これらは、ごはんが付いて税込360円という価格ですが、“オプション”として日替わりの汁もの(一例「コーンたっぷりポタージュ」や「ねぎと豆腐の香味スープ」「白菜と油揚げのみそ汁」など)が同30円牛乳は同80円で追加することも可能です。汁ものや牛乳のフルセットだと1食あたり同470円となります。たとえば、1カ月あたり20日間食べたとすると9400円です。学校給食費の1カ月4000円前後と比べれば高額となりますが、コンビニなどの弁当よりは割安感があるうえ、中学生に適した栄養バランスも考えられているといいます。

おかず+ごはんの基本セットは360円、汁ものと牛乳を付けたフルセットだと470円になる(「ハマ弁」ホームページ)

おかず+ごはんの基本セットは360円、汁ものと牛乳を付けたフルセットだと470円になる(「ハマ弁」ホームページ)

実施にあたって横浜市は、全体運営をJTBグループの株式会社JMC(東京都中野区)に委託。JMCの下で献立作成や決済管理を幼稚園給食などを提供する株式会社わくわく広場(東京都中央区)が担当し、弁当の製造や配達は、川崎区などで宅配弁当「フレッシュランチ39」を展開する株式会社美幸軒や、保土ケ谷区の弁当宅配業者・ハーベスト株式会社、相模原市緑区で幼稚園給食事業を行うエンゼルフーズ株式会社の3社が担う枠組みとしています。教育現場だけでなくビジネス現場における仕出しでも実績のある弁当事業者を集めた形です。

今回公開されたハマ弁のホームページは、主に注文を受け付けるためのものですが、トップページにマンガ風のイラストを活用したり、美味しそうな写真による日替わりメニューを掲載したり、コラムのコーナーも設置予定であるなど、デザインも内容も充実を図っています。

開始当初の7月は、都筑区や青葉区、緑区の12校のみで実施し、来年(2017年)1月までには港北区内も含め市内全校で順次実施する方針です。日吉や綱島、高田に住む生徒はもうしばらく待つ必要があります。

大人からすると、360円ほどでこのメニューを食べられるのは羨ましいと思ったりもしますが、果たして食べ盛りの中学生を満足させることはできるでしょうか。なにより、一般的な給食費と比べて倍以上のコストを払わねばならない親を納得させられるかどうかが一番の焦点となりそうです。

【関連記事】

<文科省調査>中学校の給食実施率は全国平均88%、神奈川だけが24%の惨状(2016年1月24日)

<川崎市>高津区の中学校で初給食、財政難の横浜市は今も「家庭弁当」推奨(2016年1月7日)

【参考リンク】

ハマ弁の公式ホームページ(2016年6月1日受付開始)


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