ベトナム楽器の響きで国交樹立50周年を祝う、高田の小栗さんが記念コンサート | 横浜日吉新聞

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国交樹立50周年の節目を、高田の小栗さんがベトナム楽器の響きで祝います。

あす(2023年)8月29日(火)16時から17時40分まで(開場15時30分)、かながわアートホール(保土ケ谷区花見台4)で、「ベトナムバンブー“ハンズオン(Hands-On)”コンサート」が開かれます。

高田出身のベトナム竹琴「トルン」奏者の小栗さん(中央)、高田地区で子育て支援を行う青木さん(左)、和泉さん(高田東3丁目のコミュニティカフェ「ゆずの樹」にて)

高田出身のベトナム竹琴「トルン」奏者の小栗さん(中央)、高田地区で子育て支援を行う青木さん(左)、和泉さん(高田東3丁目のコミュニティカフェ「ゆずの樹」にて)

日本とベトナムが外交関係を樹立し50周年となることを記念して企画されたこのコンサートでは、高田出身の小栗久美子さんが結成したベトナムの民族楽器でベトナム竹琴「トルン(Trung)」のアンサンブルグループによる演奏を披露。

バイオリンに森川拓哉さん、パーカッションに佐藤直子さんを招きステージを彩る予定です。

日・ベトナム外交関係樹立50周年を記念して8月29日(火)16時よりかながわアートホールで開かれる「ベトナムバンブー“ハンズオン(Hands-On)”コンサート」の案内チラシ(主催者提供)

日・ベトナム外交関係樹立50周年を記念し8月29日(火)16時よりかながわアートホールで開かれる「ベトナムバンブー“ハンズオン(Hands-On)”コンサート」の案内チラシ(主催者提供)

当日は、「“ハンズオン(Hands-On)”は体験という意味。ご希望の方にベトナム竹琴トルンの演奏を体験いただけるコーナーがあります。ベトナム竹の神秘的な響きを、観て、聴いて、触れる体験もお楽しみいただければ」と、小栗さんは、未就学児から中学生まで、保護者同伴での子どもたちの参加も呼び掛けます。

小栗さんは、横浜市立高田小学校(高田町)、高田中学校(同)を卒業後、「なんとなく英語に特化した道を選びました」と、神奈川県立外語短期大学付属高校(当時:磯子区岡村、現:横浜国際高校=南区六ッ川)に進学した後、東京外国語大学ベトナム語学科・同大学大学院を修了。

ベトナムの民族衣装「アオザイ」をまとい演奏をする小栗さん。「トルン」の名称は音の響きから来ているという

ベトナムの民族衣装「アオザイ」をまとい演奏をする小栗さん。「トルン」の名称は音の響きから来ているという

小学校6年生の頃から地域で習い演奏技術を取得していたマリンバの世界から、ベトナムについて知り学び渡航する中でベトナム中部高原(タイグエン地方)の少数民族に伝わる竹楽器だというトルンと出会い、その普及とアピールに尽力する日々を送っています。

今回の演奏を行うアンサンブルは、小栗さんが講師を務める神田外語大学ベトナム語専攻の卒業生が中心となり結成。

同大学でのトルンを演奏するサークルから発展し、初めて合奏スタイルでの演奏を披露する予定だといいます。

日越交流の舞台でも活躍

日本国内でも、まだトルンを演奏する奏者は多くないと感じているという小栗さん。

「元々、マリンバを演奏していたこともあり、竹を叩くトルンの音の響きと出会った際には感激しました」と、であること、今回コンサートを行うアンサンブルの結成も自身にとって初体験であると説明します。

小栗さんが弾くベトナムの竹琴「トルン」は真ん中に基本の音階となる16本の竹を配置。上下や3列にたがい違いに追加の竹を入れて縄はしごでつないでおり、本数は合計46本。西洋音階(ドレミファソラシド)も弾けるようにしているという

小栗さんが弾くベトナムの竹琴「トルン」は真ん中に基本の音階となる16本の竹を配置。上下や3列にたがい違いに追加の竹を入れて縄はしごでつないでおり、本数は合計46本。西洋音階(ドレミファソラシド)も弾けるようにしているという

小栗さんは、2007年に、ベトナム社会主義共和国のグエン・ミン・チェット元国家主席と令夫人来日歓迎レセプションにてステージ演奏を披露。ベトナム大使館在ベトナム日本国大使館などに招かれ演奏を行ったこともあるといいます。

「今回も、日本ベトナム外交関係樹立50周年という記念の年。その記念事業として外務省より正式に認定を受けています」と、小栗さんは、これまでの半生において日越(ベトナム)友好の懸け橋としても活躍してきました。

高田での音楽活動にも尽力

地元・高田出身の小栗さんは、2007(平成19)年頃から高田地域ケアプラザ(高田西2)で開催されてきた地域在住者向けの集い「生きいきサロン」での演奏会を、立ち上げ時から開催に尽力してきた母で声楽家の故・小栗由美子さんの遺志を継ぎ、出演アーティストのプロデュースや自身の演奏を披露するなど、地域でも活躍しています。

高田地域ケアプラザで開催されている「生きいきサロン」に登場した小栗さん、バイオリンとピアノを奏でる夫の森川拓哉さん(6月21日、和泉千津子さん提供)

高田地域ケアプラザで開催されている「生きいきサロン」に登場した小栗さん、バイオリンとピアノを奏でる夫の森川拓哉さん(6月21日、和泉千津子さん提供)

高田地区でのコーラスの会や、港北区でのコーラスの集いの活動にも尽力していたという由美子さんについて、「地域の皆さんとともに歩んだ母が亡くなった際には、大変多くの皆様に別れを惜しんでいただきました」と小栗さん。

高田西4丁目の塩谷寺(えんこくじ)で行われた葬儀に、想像以上の地域からの参列があったと、由美子さんが亡くなった2007年当時を振り返ります。

高田地区で活動を行うNPO法人横浜たかたネットワーク(高田町)理事青木久美子さんも、「『生きいきサロン』では、由美子さんが最初の2曲くらいの歌を、楽しく爽やかに歌ってくれていました」と、亡き由美子さんを偲び、その遺志を継ぐ小栗さんへの感謝の想いを抱いているといいます。

二児の子育てを高田で行う小栗さん。「本格的な音楽を楽しみたい方も、お子様連れの方も、どんな年代の方も聴いて体験して、楽しい癒しの時を過ごせます」とコンサートへの参加を呼び掛ける

二児の子育てを高田で行う小栗さん。「本格的な音楽を楽しみたい方も、お子様連れの方も、どんな年代の方も聴いて体験して、楽しい癒しの時を過ごせます」とコンサートへの参加を呼び掛ける

理事で、高田地区主任児童委員和泉千津子さんも、「小栗さんの地域での活動で、多くの方々がトルンの美しい響きに感激し、また癒されています」と、親子二代で地域貢献を行う小栗さん親子の地域活動への理解と尽力を熱く称えます。

小栗さんは、自身で作曲や編曲活動も行っているといい、オリジナルの楽曲を地域やコンサート会場で披露することもあるとのこと。

これまでは「横浜みなとみらいホール」で奏でることが多かったが、今回は保土ケ谷公園内の「かながわアートホール」での開催となる

これまでは「横浜みなとみらいホール」で奏でることが多かったが、今回は保土ケ谷公園内の「かながわアートホール」での開催となる

小栗さんは、これまでは横浜みなとみらいホール(小ホール)で演奏する機会が多かったといい、「今回は保土ケ谷公園内のかながわアートホールで初めての演奏となります。平日の夕方となりますが、地域の皆様にも、ベトナム竹の音色を体感しにお越しいただければ」と、当日の多くの来場を呼び掛けています。

なお、今回のコンサートの入場料は3000円小・中学生1000円、未就学児は無料。

チケットはインターネット上で開催日まで発売。当日券も販売予定です。

【参考リンク】

ベトナム竹琴”トルン”アンサンブル公演『ベトナムバンブー“Hands-On”コンサート!』(teket ~テケトのサイト)※2023年8月29日(火)までチケット販売中、当日券の販売も予定

トルン(ベトナム竹琴)奏者 小栗久美子/Kumiko Oguri (o.g.music~オージーミュージック)

「かながわアートホール」へのアクセス


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