＜日吉・綱島＞“最後の旅行会社”と2つのスーツ店が相次ぎ撤退を表明 | 横浜日吉新聞

昨年（2020年）の春に始まった新型コロナウイルス禍で、大きなダメージを受けた業界のチェーンが日吉・綱島でまた店を閉じようとしています。最後に残った旅行代理店は今月（2021年）12月23日に、また、2店あるビジネススーツ（紳士服）チェーンは来年1月中に相次いで撤退する計画です。

新型コロナ禍にともなう外出自粛の影響で、日吉駅前では昨年6月に海外旅行に強みを持つ「HIS（エイチ・アイ・エス）」（日吉本町1）、続く8月には旅行業界最大手の「JTB」（同）が相次いで撤退。

日吉駅構内で営業する「東急トラベルサロン日吉駅」がJTBの提携店として、同社旅行商品や航空券・JR券を扱う総合旅行代理店として残っていましたが、このほど今月12月23日限りでの閉店を告知しました。

東急電鉄が運営する東急トラベルサロンは、「テコプラザ」という名で1991（平成3）年から東急沿線の主要駅に出店しており、2015（平成27）年以降はJTBとの提携を機に現在のブランド名に変えています。

昨年時点では沿線12駅に13店を展開していましたが、今年に入り自由が丘駅や大井町駅、目黒駅などの6店舗を相次いで閉鎖。現在は日吉駅や武蔵小杉駅など6駅7店にまで減らしており、日吉も閉店対象となりました。

日吉駅の東急トラベルサロンが閉店すると、日吉周辺の大手旅行代理店はすべて撤退することになり、武蔵小杉（JTB、HIS、東急トラベルサロン）やトレッサ横浜（JTB、近畿日本ツーリスト）などが最寄りの店舗ということになります。

「AOKI」「はるやま」の別ブランド店

もう一つ、日吉と綱島の街から撤退を計画しているのが紳士服チェーンが展開する“スーツ店”で、日吉東急アベニュー2階の「オリヒカ（ORIHICA）」とアピタテラス綱島2階の「パーフェクトスーツファクトリー（P.S.FA＝Perfect Suit Factory）」が来年1月中での閉店を計画しています。

オリヒカは「AOKI（アオキ）」、パーフェクトスーツファクトリーは「はるやま」とどちらも全国系紳士服チェーンによる別ブランド。

“郊外店・中高年男性向け”というイメージの強かった紳士服チェーンが当時の20代から30代男女に訴求するビジネスウェア店として、2000年代前半から都心部やショッピングセンターを中心に展開を始めたチェーンで、当初はスーツの低価格もあって支持を集め、店舗数を拡大していきました。

ただ、新型コロナ禍にともなう外出自粛やリモートワークの進展で紳士服チェーン各社は苦しい運営を迫られており、日吉と綱島でも2店舗が撤退を表明。現在、両店とも閉店日を掲示しない形で閉店セールを行っていますが、オリヒカは来年1月16日、パーフェクトスーツファクトリーは1月末に閉店する見通し。

日吉東急アベニューのオリヒカは、かつてパーフェクトスーツファクトリーが日吉東急から撤退した場所で2014（平成26）年に出店した経緯があり、その後、2018（平成30）年3月にアピタテラス綱島がオープンすると同時にパーフェクトスーツファクトリーが“再出店”を果たしていましたが、両チェーンとも同じタイミングで日吉・綱島からの撤退を決めました。

なお、紳士服チェーンではイトーヨーカドー綱島店（綱島西2）の3階にあった「洋服の青山」も今年5月に撤退していますが、綱島東2丁目の綱島街道沿いでは「AOKI横浜綱島東店」が営業しており、当面は最寄り店ということになりそうです。

日吉・綱島の周辺では、和食チェーン華屋与兵衛の跡に焼肉チェーン「プレミアムカルビ」（日吉7＝11月24日開店）、ドン・キホーテの跡に家電量販店「エディオン」（箕輪町2＝12月3日開店予定）、ユニクロの跡に100円ショップ「ダイソー」（樽町2＝12月3日開店予定）など、チェーン店の撤退後もコロナ禍でダメージの少なかったチェーンが出店を決めており、一定の規模を持つテナントが空き店舗となっていないことは、幸いといえそうです。

【関連記事】

・日吉・綱島・高田エリアにおける開店・閉店情報（随時更新）

・＜日吉・綱島＞2020年春から1年の閉店・出店動向、コロナ禍でも買物環境は維持（2021年3月2日、今年春時点の状況）

【参考リンク】

・東急トラベルサロン日吉駅（2021年12月23日閉店予定）

・ORIHICA（オリヒカ）日吉東急アベニュー店（閉店セール中）

・P.S.FA（Perfect Suit Factory＝パーフェクトスーツファクトリー）アピタテラス横浜綱島店（閉店セール中）