商店街も大きく変化する綱島、チェーン店が“神奈川初”の新業態を相次ぎ展開

横浜日吉新聞

綱島駅前でチェーン店が新業態神奈川県初の店として出店するケースが相次いでいます。回転寿司大手のスシローが今週(2019年5月)22日(水)に大衆寿司酒場と銘打った「杉玉」をオープン。先月(4月)20日には、関西を中心に展開中のたこ焼き・お好み焼きチェーン「じゃんぼ総本店」が居酒屋業態となる「ジャンボ酒場」を関東で初展開しています。その一方で、綱島で長年親しまれた地元老舗店の閉店も目立ってきました。新店と商店街の動向をレポートします。

全国7店目となるスシローの「寿司居酒屋」

子母口綱島線沿いに建てられた新しいマンションの1階で5月22日(水)夜にオープンする「杉玉 綱島」はスシローの新業態

子母口綱島線沿いの旧カラオケ店「夢ノ市」跡に建てられた新しいマンション「Ohana(オハナ)ビル」の1階に出店するスシローの新業態店「杉玉」

税別299円に設定された寿司類(1~3貫)をメインに、シュウマイや天ぷらといった各種「つまみ」類の多くを税別299円で提供するタイプの“寿司居酒屋”で、ランチ営業時(11時30分~14時30分)には「まぐろ丼」(税別890円)など10種類の寿司類メニューも設定されています。

運営会社の株式会社スシローグローバルホールディングス(大阪府吹田市)によると、杉玉として綱島は全国7店目となり、神奈川県内では初の店舗。「綱島は東急東横線の沿線にあり、人口の多い地域なので出店した」(同社)といいます。

杉玉は1~3貫で税別299円の寿司をメインとした寿司居酒屋となる(写真は神保町店)

杉玉は当初、“スシロー”の名を一切出さない形で2017年から店舗実証を行ったうえで運営モデルを確立。現在では「収益力の高いビジネスモデル」(同社IR)と位置付けられ、全国で出店を加速する方針が決まっています。

1号店の西宮北口(兵庫県)をはじめ、神楽坂や神保町、阿佐ヶ谷、武蔵境(武蔵野市)、大阪高槻に続き7店目となる綱島での成否は、特に神奈川県周辺エリアでの出店戦略に影響を与えることになります。

日吉にもあった「じゃんぼ」が居酒屋業態

派手な外観が特徴的な「ジャンボ酒場」は関東の初店舗として4月20日に開店

先月(4月)20日に旧「北海道らーめん円山」の跡に出店した「ジャンボ酒場」は、関西を中心に全国で約150店を展開中するお好み焼き・たこ焼きの持ち帰り店「じゃんぼ総本店」に、居酒屋機能を加えた新業態。関東エリアでは初となる店舗です。

店頭での持ち帰りと、25席ほど設けられた店内での飲食も可能な「たこ焼き」(6個税別430円)や「お好み焼き」(豚玉など税別480円)を中心に、一品メニュー(税別180円~380円)、ハイボール(税別230円)、ビール中ジョッキ(税別280円)なども設定したいわば“たこ焼き・お好み焼き居酒屋”

たこ焼きやお好み焼きとハイボールを中心とした居酒屋だが、ランチ時間帯には、唐揚げや焼きそばなど税別500円~600円のランチメニューもある

運営会社のドリームアドバンス株式会社(大阪府東大阪市)は、「ジャンボ酒場としては綱島が関東初の店となるため、ここで失敗すると後が続かない。現在のところ好評をいただいているので、関東エリアでの展開に弾みが付きそうだ」と話します。

持ち帰り専門店のじゃんぼ総本店は、かつて日吉駅前の浜銀通りにも出店していたことがあり、「日吉では(自社の別ブランドである)たい焼き専門店『鳴門鯛焼本舗』も含め、それなりに長く営業してきたが、売上と立地のバランスが良くなかった」(同社)との判断から撤退しています。

今回は利益率が高いとされるアルコールメニューを加え、港北区内に“再上陸”する形となった同チェーン。綱島を皮切りに関東エリアでの出店を加速させる構えです。

肉のハナマサや「へぎそば」店も新業態

これ以外にも綱島駅周辺では、関東エリアを中心に業務スーパーを展開する「肉のハナマサ」(株式会社花正)が新業態となる「ハナマサプラス」を県内初店舗として4月25日に出店。駅西口至近の24時間スーパーとして、生活インフラ的な存在となりつつあります。

1月にオープンした洋風なイメージの“へぎそば店”「ISSHIN.(イッシンドット)」は幅広い客層を取り込む

また、都内中心部で新潟県名産のそばをメインとした「へぎそば 一真(いっしん)」を展開する株式会社ISSHINホールディングス(東京都墨田区)は、今年1月に新業態となる「へぎそばとガレットISSHIN.(イッシンドット)」を駅西口商店街に出店。

「へぎ」と呼ばれる板状の器に盛り付けたメインの「へぎそば」や、ランチ時の丼もの類だけでなく、そば粉で作るフランス伝統の「ガレット」をメインメニューの一つとして加えることで、同社の従来店とは異なる洋風店舗のそば店として、男女問わず幅広い年齢層の客を取り込みます。

このほか、東口では今年1月、新業態ではないものの、名古屋市に本社を置く株式会社ブルームダイニングサービスが全国展開する鶏料理の居酒屋チェーン「がブリチキン。」は、関内に次ぐ横浜市内2つ目のフランチャイズ店として、綱島に出店しています。

地元老舗店の相次ぐ閉店、変化する街の行方

東横線で横浜市の入口となっているのは日吉駅ですが、大学生の多い駅だけに、駅周辺の飲食店では夏や春などの長期休暇中に売上が大きく変動する傾向が見られます。

大学生の多い日吉駅前の飲食店は夏や春の長期休暇中には客が激減する傾向も(日吉駅近く)

そのため、大学生以外を主要顧客とするチェーン店は、横浜や神奈川県への足掛かりとして、知名度の高い東横線沿線で、都心部から近いベッドタウンかつ横浜市内でもある綱島駅を出店地に選ぶケースが目立ちます。

加えて、2023年3月末までに新綱島駅(仮称)の開業を控え、東口の大規模な再開発で人口増加が期待できることも好影響を与えます。

ただ、出店には、駅に近い場所で自社の基準に適合した良好な物件が見つかるか否かや、「他にも出店希望者が並んでいるなかで、ビルオーナーが当社を選んでくれた」(あるチェーン)というように、ビル所有者の意向も見逃せません。

駅東口の中華食堂「キングチャイナ」は惜しまれながら4月20日に閉店した

現在、綱島駅の周辺では、地元で長年親しまれていた駅東口の中華食堂「キングチャイナ」(4月20日閉店)をはじめ、西口駅前では喫茶店「チョビ(CHOBI)」(3月25日閉店)や「隠れ家甘味風月堂」(5月16日閉店)といった地域の老舗店が惜しまれながら相次ぎ店を閉じています。

全国系でもイトーヨーカドーの周辺で「ローソン港北綱島西二丁目店」(3月31日閉店)が出店から2年超で撤退し、イオンの酒類専門店「イオンリカー綱島店」も先月20日に店を閉じました。

こうした閉店や撤退の動きに加え、駅東口では、再開発による駅前再編をにらんだ大手事業者が、地域のオーナーが所有する老舗ビルを丸ごと買収する動きも見られ、そこで営業しているテナント構成にも影響を与える可能性があります。

東急電鉄だけでなく、一部の土地所有者もそれぞれ再開発を目指す駅の高架下周辺をはじめ、新綱島駅の再開発ビル建設や、東口駅前の高層ビル構想など、今後も大きな変化が起きる綱島では、チェーン店からの注目を浴びながら、商店街を構成する店舗も変わっていくことになりそうです。

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日吉・綱島・高田エリアにおける開店・閉店情報(随時更新)

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【参考リンク】

鮨・酒・肴「杉玉 綱島」の案内(綱島もるねっと、5月22日にプレオープンし、29日以降はランチ時も営業)

ジャンボ酒場綱島駅前店の位置(ドリームアドバンス株式会社)

じゃんぼ総本店の公式サイト

HEGISOBA & GALETTE ISSHIN.(へぎそば・ガレット イッシンドット)


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