(2018年12月の記事です)日吉駅や綱島駅で東急東横線や目黒線が事故などで運転していないとき、どうやって都心まで出ればいいのか――。東急電鉄のホームページには、細かな「う回ルート」の案内マップが公開されており、そこでは、バスや徒歩で近隣の他の鉄道駅へ出る方法も紹介しています。存在を覚えておいて損はありません。
このう回ルートマップで特に役立ちそうなのは、バスの「振替輸送案内」で、綱島や日吉などの各駅から発着しているバス路線について、運行回数の目安が線の太さで示されています。たとえば、綱島駅ではJR京浜東北線などの鶴見駅や市営地下鉄ブルーラインの新羽駅、グリーンラインの高田駅へのバス路線が太い線で示されており、日吉駅ではJR横須賀線の新川崎駅への路線が若干細い線で結ばれています。東急線の全線が停まったとしても、路線バスが動いていれば、う回して都内や横浜中心部へ往来できる可能性があります。
そしてもう一つユニークなのが「綱島駅近隣の鉄道・バスご案内」と題したマップで、東横線が動いていない場合に徒歩で高田駅や日吉駅へ行くルートが示されています。綱島駅から高田駅へは子母口綱島線を経由して2キロ・約25分、日吉駅へは綱島街道経由で2.2キロ・約28分と計算されています。残念ながら日吉駅から元住吉駅へ、横浜と川崎の「市境」を越えるルートマップはありませんが、こちらも綱島街道経由で1.6キロ・徒歩約21分(グーグルマップ)です。この区間はバス路線がないだけに、覚えておくと良いかもしれません。
2011年3月の東日本大震災の発生時には、首都圏の全鉄道が早々に運転を取りやめるなかで、東急をはじめとした路線バスは異常な渋滞と乗客数のなかでも運行を続けました。
都内から渋谷駅と田園調布駅を結ぶバスに乗り、田園調布からは多摩川を徒歩で越え、綱島街道経由で日吉(約5.5キロ・約70分)や綱島(約7.8キロ・約95分)へ戻ってきた人もいました。バス路線が動いていると、都内からでも日吉や綱島へ戻れる可能性が高まります。
これから雪が降る可能性もあるシーズンだけに、路線バスや他の鉄道路線、徒歩など、自宅までのあらゆる移動手段やルートを覚えておくことはいざという時に役立つはずです。
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・どれだけ雪が降れば東急線は止まるのか? 素朴な疑問に答える小冊子を公開(2017年1月13日、地震で止まる基準も公開)
【参考リンク】
・東急東横線の迂回ルート案内(日吉や綱島など各駅からの地図をPDF形式で公開)
・東急目黒迂回ルート情報(日吉など各駅からの地図をPDF形式で公開)