良好な居住環境を探す手がかりに、住民独自の“ルール化”地域は日吉と高田に集中 | 横浜日吉新聞

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家や土地を買う際の大きな参考になるかもしれません。横浜市内約180・港北区内12の建築協定地区の情報とノウハウを得られるサイトが公開されました。居住環境を守るため、エリア内の住民が自主的に“協定”を結んでいることを知らせるデータベースで、特に区内の協定地区は日吉や高田エリアに集中しているため、良好な居住環境を探すうえで貴重な情報源となりそうです。

このほど公開された横浜市建築協定連絡協議会の公式サイト

同サイトは建築協定を結んでいるエリアの住民が集まって組織された「横浜市建築協定連絡協議会」が開設したもので、すべてのエリアの「協定」の詳細がデータベースとして掲載されています。

港北区内では、日吉本町5丁目周辺の「興人日吉住宅地」や日吉台西中学校周辺の「森戸原住宅地区」など6カ所、高田は高田西4丁目の「ネクサス高田」と高田西5丁目の「西原住宅地区」の2カ所の計8カ所あり、日吉と高田だけで区内協定地の大半を占めています。

たとえば、興人日吉住宅地建築協定は、日吉本町鯛ヶ崎公園や日吉本町第四公園の周辺にある一戸建て住宅110区画(2万2492平方メートル)が対象で、同区域内では、

一戸建専用住宅(共同住宅は含まない)や診療所、店舗併用住宅とする
・階数は地階を除き2階建て以下とする
・敷地は協定締結時のものを分割して区画数を増す事は出来ない
・協定区域内には広告塔やこれに類するものを設けてはならない

といった独自のルールを定めています。

横浜市「みんなでつくろうまちのルール 建築協定とは?」より

これにより、一戸建てが中心である住宅街に突然環境を乱すような大型店舗ができたり、狭小住宅ができたり、ワンルーム的なアパートができたりして、住宅街の雰囲気や環境が壊れないようにしているわけです。

同サイトには、建築協定にいたった経緯などを記した事例集も掲載されており、高田西5丁目付近の西原住宅地区では、自治会活動の一環として協定づくりが行われてきたことなどが紹介されています。

一方、対象エリア内であっても、相続や所有者の変更などにより、独自ルールから離脱する土地所有者もおり、港北区のなかでも“歯抜け”となってしまった地域もみられます。横浜市のサイトでは、地図上に「事前協議要望地区から除外される敷地」として掲載されています。

こうした敷地に建てられた住宅を購入して住んだ場合、近所との関係がぎくしゃくしかねないので、同サイトを使って事前にチェックしておくことが必要かもしれません。

【関連記事】

日吉台西中の校歌でも歌う「森戸が原」、良好な住環境を守り続けた住民の思い(2016年9月4日、日吉本町における建築協定エリアの取り組みを取材)

【参考リンク】

横浜市の建築協定地区データベース(横浜市建築協定連絡協議会)

建築協定事例集(すでに協定がなくなった地も一部入っている)

港北区内の建築協定一覧(横浜市、離脱地も含め詳細な地図を掲載)

横浜市建築協定連絡協議会が建築協定地区データベースのホームページを公開(横浜市都市整備局のニュースリリース)

みんなでつくろうまちのルール 建築協定とは?(横浜市都市整備局)


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