日吉や大曽根などの区内3保育所でも保管、放射線量の高い廃棄物は3/29に撤去 | 横浜日吉新聞

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市の目安値以上の放射線量を計測した廃棄物が横浜市の一部公立小中学校と認可保育所に長期間にわたって保管されてきた問題で、市こども青年局は港北区内の「市立太尾保育園」(大倉山4)と「大倉山保育園」(大曽根1)、「アスク日吉東保育園」(日吉7)に置かれている廃棄物を今月(2017年3月)29日に運び出すと発表しました。

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「保育所におけるマイクロスポット対応について」と題した横浜市の文章(赤色の下線は本紙によるもの)

2011年3月11日の東日本大震災で発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故後、港北区内でも局所的に放射線量が高くなる「マイクロスポット」が現われました。市では同年9月23日に市立保育所7園(当時)の95カ所で放射線量の測定を実施しています。全ての認可保育所の園庭でも放射線量の測定が行われました。

市立保育所では、いずれの場所でも再測定の目安となる数値を下回ったものの、該当箇所では土や石、枯れ葉、苔、埃といった堆積物を除去したうえで、廃棄物として二重のポリ袋に密閉し、ブルーシートなどをかぶせて、園児の近づかない場所に一時的に保管したといいます。また、民間保育所や横浜保育室などについても、市が同様の清掃を求めました。

学校内での汚染汚泥の保管状況(横浜市の資料より)

小学校内での汚染汚泥の保管状況(横浜市の資料より)

その後、翌年2月から3月にかけて廃棄物の空間放射線量を測定したところ、今回の3園などで市対応の目安値以上の空間放射線量となったことから、処理に困った市は、あらためて遮蔽(しゃへい)をしたうえで園内での保管を開始したものです。

このほかの園で一時保管された廃棄物のその後は明らかになっていませんが、たとえば、市立南日吉保育園では2014年9月に「時間の経過とともに放射線量が減少し、安全な状態」(市)になることから、10センチ以上の土をかぶせるなどの安全対策を施したうえで、園庭裏庭などに埋め戻すという処理方法をとったとしています。

鶴見区にある北部汚泥資源化センターの敷地内に保管庫を設けた(教育委員会の発表資料より)

鶴見区にある北部汚泥資源化センターの敷地内に保管庫を設けた(教育委員会の発表資料より)

これまで廃棄物の保管を行ってきた区内3園では、コンクリート製の容器などに入れて管理し、定期的に空間放射線量の測定を行い、その数値も周囲と変わらない状態だといいます。

安全性に配慮されているとはいえ、市の目安値より高い放射線量を計測した廃棄物が敷地内で長年保管されてきたことに対しては、保護者などから撤去を求める声が上がっており、市は昨年(2016年)8月に鶴見区の「北部汚泥資源化センター」に移設することを決定。

このほど、保管庫が完成したことから撤去されることになったものです。なお、運搬に際しては、外部に漏れることがないよう対策を講じた車両を用いるとのことです。

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【参考リンク】

保育所におけるマイクロスポット対応についてPDF、横浜市こども青年局、下部に市内9園での撤去予定日を掲載)

保育所等において「マイクロスポット」となる可能性のある場所の清掃により生じた集積物の放射線量の測定結果について(横浜市こども青年局、PDFファイルに2015年9月現在の保管状況一覧表あり)


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