箕輪町2丁目計画で市が説明会、「高さ60メートル」を認めた根拠問う声が続出 | 横浜日吉新聞

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旧アピタ日吉店(箕輪町2)など一連の大規模跡地を使った再開発で、横浜市は「港北箕輪町二丁目地区 地区計画」の素案説明会をきのう(2017年3月)17日の19時から日吉南小学校(日吉本町4)の体育館で開き、参加した約200人の住民らからは高さ60メートルまでの建物を認める計画となっていることに対する質問が相次ぎました。

日吉南小で行われた素案説明会は19時から20時40分ごろまで行われたが、質問が足りず、途中で打ち切られたため市側に詰め寄る人も見られた

日吉南小で行われた市の素案説明会は19時から20時40分まで行われたが、質問時間が足りず、途中で打ち切られたため市側に詰め寄る人も見られた

同地区計画では、野村不動産がマンションなどの建設を計画している「A地区」(約4.9ヘクタール)について、「建築物の高さは、60メートルを超えてはならない」と定めています。これに対し住民から「高さ60メートルまでを認めた根拠は何か」「高さ60メートルの建物だと壁のようになる」「市民の意見よりも事業者の意向ばかり聞いている」といった声が続出。

市側は60メートルまでの建物を認める計画について「民間が所有する敷地のなかで、地域に貢献できる空間とするために、バランスを考えた結果」といった主旨の回答を続けたところ、一部住民から「まったく説明になっていない」などと怒号が飛び、会場が騒然となりました。

同計画は、A地区において建築物の緑化率を最低15%と定めている一方、「解体工事に際して(旧野村総研データセンターと旧損保ジャパン日本興亜の日吉センター入口にあり、地域の桜の名所となっていた)桜並木が切り倒されており、住民の気持ちを無視している。緑化すると言っているのにおかしいではないか」との声があり、市側は「地域から意見はいただいているが、民有地なので制限をかけるのは難しい」と回答。

「港北箕輪町二丁目地区 地区計画」の位置図、赤い部分がマンションなどを建設する「A地区」、青い部分が小学校を建てる「B地区」で、旧NRI野村総研のデータセンター跡地がそのまま小学校用地となっている(横浜市が公表した「計画図1」より)

「港北箕輪町二丁目地区 地区計画」の位置図、赤い部分がマンションなどを建設する「A地区」、青い部分が小学校を建てる「B地区」で、旧NRI野村総研のデータセンター跡地がそのまま小学校用地となっている(横浜市が公表した「計画図1」より)

また、2020年4月開校予定の新小学校(箕輪小学校)建設予定地が「B地区」(約1.0ha)となっていることについて、「なぜ『プラウド日吉』(旧DOWAサーモテック横浜工場跡地=6835平方メートルを使った177戸のマンション)の場所ではなく、高圧線(JR東日本による15万4000ボルトの送電線と鉄塔)の下にある現在地だったのか」と質問があり、市側は小学校建設に1万平方メートルの土地が必要だったことなどを説明しました。

今回の説明会で市側は、日大高校入口交差点から日吉7丁目方面へ向かう道路(市道箕輪第161号線)に危険性が指摘されていることを踏まえ、道路周辺住民との意見交換を始めたことや、サンテラス日吉バス停に「バスベイ」(バスが停車するスペース)を設ける検討を行っていることを明かしました。

市は今月29日(水)まで、地区計画の計画図などが閲覧できる「縦覧」期間中に、住民が意見を公式に述べることができる「公述」の申し出があった場合は、4月25日(火)夜に日吉南小で「公聴会」を行う予定です。

【関連記事】

箕輪町の再開発で市が素案、「公聴会」での意見表明は3/29(水)までに提出必要(2017年3月16日)

<横浜市>箕輪町計画での高さ60mを正式決定へ、3/17(金)夜に日吉南小で説明会(2017年2月23日)

<野村不動産・箕輪町計画>周辺交通環境が未改善のままの再開発、住民が疑問視(2016年10月15日、野村不動産が行った2回目の説明会)

【参考リンク】

港北箕輪町二丁目地区地区計画の決定について(横浜市都市整備局、説明会当日のスライド資料[PDFファイル]も掲載)


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