都市計画を決定する際の最終段階となる「横浜市都市計画審議会」(会長・森地茂政策研究大学院大学教授)の第142回会議が今週(2016年8月)23日に中区長者町の明治安田生命ラジオ日本ビルで開かれ、綱島駅東口と新綱島駅周辺の再開発に関する地区計画の議案6件が一括して審議されました。
都市計画審議会は大学教授などの学識経験者や市会議員ら25名で組織され、このなかには「横浜市の住民」として「横浜のまちづくりに携わった経験のある者」などの肩書で3名が加わっています。横浜市が行う都市計画に対し、第三者の立場から意見を述べる機関として置かれています。
今回の会議では、全10議案中6議案を綱島の計画関連が占めました。その影響か、10人分の一般傍聴席に11人が傍聴を希望し、市の会議では異例といえる傍聴者が抽選になったほどでした。
会議では、横浜市側から新綱島の案件について25分ほどかけて説明が行われた後、審議が行われました。
3人の委員からは、28階建てのタワーマンションが持続可能な街づくりにどのように寄与するのかや、環境への配慮、広場におけるデザインの考え方、駐輪場の規模は適正かなどについて、質問が上がりました。
これに対し横浜市都市計画課は、持続可能な街づくりのためにバリアフリー化へ配慮していることや、駐輪場の規模については、放置自転車の台数が408台だったことなどを説明。街のデザインに関しては「地権者らとグランドデザインの検討を進めており、まだ始まったばかりの段階だ」と明かしました。
15分弱の質疑後、委員全員から異議がなかったため原案通り可決。都市計画審議会の場では大きな議論に発展することなく、最終決定となりました。
なお、今年(2016年)6月24日から7月8日まで行われた「都市計画案の縦覧」では、住民からの意見書提出はなかったとのことです。
綱島駅東口と新綱島駅周辺の再開発に向けた地区計画については、2015年8月に地権者と市が行った2回の説明会から始まり、今年2月の都市計画素案説明会や、3月の公聴会を経て、今回の都計審の決定ですべての都市計画手続きが終わりました。
ただ、今回決定された地区計画では「D地区」と呼ばれる東口駅前エリアについては具体的な整備内容が決まっていないため、計画が進展した際には、再び説明会などが行われる予定です。
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