横浜市会で「新綱島・東口再開発」関連のやり取り続出、3議員が相次ぎ取り上げる | 横浜日吉新聞

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横浜市会はインターネットでも生中継されるほか、録画映像を2日目以降に公開している

横浜市会はインターネットでも生中継されるほか、録画映像を会議後2日目以降に公開している

横浜市の最高意思決定機関である「横浜市会」でも新綱島と綱島駅東口再開発の行方が大きな話題となっています。先月(2016年2月)2日から開かれている第1回市会では、都市整備に関して審議する予算第一特別委員会が2月29日に開かれ、3議員が質問で相次いで新綱島駅と綱島東口の再開発に関する内容を取り上げるなど、地元住民の高い関心を背景に、市会でもそれが現れた格好です。

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綱島東口は3社の路線バスとタクシーと自家用車と歩行者が狭い道路に混在する(2015年11月撮影)

最初に質問に立った都筑区選出の草間剛(つよし)議員(自民党)は、青山学院大学時代にアメリカンフットボール部に所属し、当時は綱島上町(かみちょう)に置かれていた青山学院の綱島総合グラウンド(2001年廃止、現在は大規模マンション「グリーンサラウンドシティ」)に綱島駅から歩いて通った自身の経験を紹介し、「(当時と比べて今も)歩行者環境は変わっていない。(駅周辺の再開発に)しっかり取り組んでいただきたい」と市側に要望しました。

これに対し、都市整備局の平原敏英局長は「この機会を逃すことなく、綱島駅東口の地域全体が安全快適でにぎわいのある街となるよう精力的に取り組んでいく」との決意を述べました。

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「土地区画整理事業」(市が実施)と「市街地再開発事業」(地権者らの組合が実施)が一体的に行われるのは横浜市では初めてのケースとなる(横浜市の説明会資料より)

保土ヶ谷区選出の磯部圭太議員(維新の党)は、土地の「区画整理事業」と「市街地再開発事業」が一体的に行われるのは新綱島・綱島東口の再開発が横浜市では初めてのケースだと述べ、市で今後行われるまちづくりにおいても有効な手法ではないかと指摘しました。

市側は「事業手法のノウハウを蓄積し、他の地区でも選択肢の一つとして検討を進めていきたい」(平原局長)との考えを示しました。

一方、港北区から選出されている白井正子(まさこ)議員(共産党)は、地元議員らしく多くの時間を新綱島・綱島駅東口の再開発に関する質問に充てていました。

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28階建ての再開発ビルは地権者らによる「新綱島駅前地区市街地再開発準備組合」が事業主体となり、横浜市はそこからフロアを買い取る形で「区民文化センター」(芸術ホール)を整備する計画(横浜市の説明会資料より)

同議員の質問を通じ、土地の区画整理事業にかかる57億円のうち市の負担額が33億円であることや、28階建て再開発ビルなどを建設する「市街地再開発事業」については158億円の費用のうち市が6億4000万円を負担する予定であるとの現状が明らかとなり、このなかには区民文化センター(再開発ビル内に整備される芸術ホール)の整備予算は含まれていないことがわかりました。同議員は「(区民文化センターの整備に)神奈川区では40億円かかったと聞いている。港北区でも一定額が想定される」との見方を披露しました。

また、質問内では「再開発ビルの建設を計画する主体となる(地権者らで組織される)準備組合(「新綱島駅前地区市街地再開発準備組合」がビルを建設するうえで)の協力企業は東急電鉄となっている」と明かし、「新しい街の地上も地下(鉄道)も上空(高層の再開発ビル)も東急電鉄が関わることになる。巨費を投入するのだから、特定企業のビジネスチャンス創出事業に終わってはいけない。市民の利益を第一に考えるべき」と述べ、巨額の費用を投じる再開発のあり方に注文を付けました。

5つに分けられた再開発区域のうち、

5つに分けられた再開発区域のうち、2007年建設の比較的新しいマンション「リビオ綱島」が位置する「C地区」と、歴史的建築物の古民家(「池谷(いけのや)」家住宅)や綱島名産である「桃」の農園などがある「E地区」を除き、東口の風景が大きく変わることになる。D地区内に組み込まれた現在のバス乗場の今後についても改善に向け東急電鉄と横浜市が協議していくという(横浜市の説明会資料より)

そのうえで、第二次世界大戦の敗戦後、日吉の街に米軍が駐留した影響で周辺地域の風紀が乱れたとされる過去の歴史を踏まえ、「綱島の街が少なからず影響を受け、イメージが固定されてきた感がある。今回の街づくりにより、子どもや若者、子育て世代が安心して集える街のイメージを発信することができる」との期待を示し、市側に街の魅力向上を図る取り組みを行うことを要望していました。

【関連記事】

<新綱島駅周辺の再開発>説明会に住民200名超、横浜市側への質問も続々(2016年2月17日)

<新綱島駅周辺>動き出す再開発、新年度の関連予算は約5.5億円、芸術ホール設計費も(2016年2月8日)

【参考リンク】

横浜市会の録画中継(2月29日の予算委員会映像は3月2日夕方以降に公開予定)


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