<朝ラッシュの東横線>通勤特急や急行のノロノロ運転緩和に期待、3月に新たな通過線 | 横浜日吉新聞

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2013年に副都心線などと乗り入れて以来、東横線は遅延が多くなっている」うえ、2019年には相鉄との乗り入れも控えている(東急電鉄ホームページより)

2013年に副都心線などと乗り入れて以来、東横線は遅延が多くなっているうえ、2019年には相鉄との乗り入れも控えている(東急電鉄ホームページより)

朝ラッシュ時の東横線のノロノロ運転が少しは解消されるでしょうか。東急電鉄は来年(2017年)3月に東横線祐天寺駅の通過線を完成させ、使用を開始すると発表しました。これにより、東横線の所要時間が短縮して速達性が向上するといいます。

東横線は2013年3月に東京メトロ副都心線や西武池袋線、東武東上線と相互乗り入れを行って以降、特に遅延回数が増加傾向にあります。昨年(2015年)10月末まで1年間の遅延回数を東洋経済新報社が調べたところ、激しい混雑で知られる田園都市線を抜き、東急の全路線でトップとなっていたほどでした。

来年、祐天寺駅に設けられる通過線は、「通勤特急」や「急行」が各駅停車を追い越すための設備で、これによって遅延の減少が期待できるかもしれません。

東横線の各駅停車

通勤特急や急行の先を走る各駅停車を追い抜く機会を増やすことで、一定のスピードアップが期待できそう

たとえば、日吉駅では平日朝8時台の渋谷方面行の列車は1時間に24本あり、2.5分に1本という過密な運行ダイヤとなっています。この時間帯に通勤特急や急行は8本運転されていますが、残る16本は各駅停車のため、これを追い越しながら走る必要があります。

しかし、日吉から渋谷駅の間で各駅停車を追い越せるのは元住吉駅と自由が丘駅、渋谷駅のみ。通勤特急や急行は3駅に着くまでは先行する各駅停車の後ろを走っていくしかないため、ノロノロ運転となってしまいがちです。前の列車が少しでも遅れると、列車遅延につながります。日吉から渋谷までは急行で日中18~19分が所要時間ですが、8時台は停車駅の少ない通勤特急でも最短で22分、急行だと同24分を要しています。

祐天寺駅の上下線の間に通過線1本を新設する計画となっている(東急電鉄「環境報告書2015」より)

祐天寺駅の上下線の間に通過線1本を新設する計画となっている(東急電鉄「環境報告書2015」より)

通過線を祐天寺駅に新たに設けることで、各駅停車を追い抜ける機会が増えるため、スピードアップが図れる可能性が高くなるというわけです。

今回新設される通過線は、渋谷方面と横浜方面の線路の間に1本しかないため、上下線で“共有”する形となる見通しですが、通勤特急や急行の速度アップには一定の効果が見込めそうです。

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【参考リンク】

2016年度の鉄軌道事業設備投資計画、車両新造のほかホームドア設置、駅改良工事に総額489億円(2016年5月13日、東急電鉄)


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