一足早い春の足音、日吉・下田町の梅の花が早くも見頃となっています。下田町3丁目の東急バス「下田地蔵尊前」バス停前にある「眞福寺(しんぷくじ)」では、門前と境内にある「しだれ梅」の白い花が、例年より早く満開となりました。
1635(寛永12)年に開基、約400年近い歴史を誇る同寺を彩る「しだれ梅」ですが、副住職の青木康雄さんによると、「梅は、咲き始めてから満開になるまでの期間が長く、今年(2021年)はようやく満開になったのですが、残念ながら2月15日の激しい風雨に打たれて、だいぶ散り始めてしまいました」と、一足早い春の嵐を嘆きます。
しかし、本堂裏手の枯山水庭園側にある紅梅も見頃となっており、冬から春までの季節を彩る、同寺に多く植えられているという椿の花も、これから花が多く咲いていく見込みとのこと。
2017(平成29)年春(4月・5月)には、港北区内で人気が高まる「港北オープンガーデン」にも初参加。「境内にも、プランターで花を植えるなど、皆様に境内の風景も楽しんでもらえたら」と青木さん。
横浜市港北区が発行する「楽・遊・学」2015年3月号に掲載されたエッセイ「シリーズわがまち港北」(第195回)の取材で同寺を訪れたという、公益財団法人大倉精神文化研究所(大倉山2)研究員の林宏美さんは、「かつて眞福寺のほど近くに住んだ俳人の秋元不死男(1901~1977年)について、句碑のことや椿のことなどを書きました」と、横浜市中区元町の出身で、第20回(1971年度=昭和46年度)横浜文化賞を受賞したという秋元氏について、また同氏にゆかりの同寺について執筆した当時を振り返ります。
「想い出としては、調査に行った時にちょうど参拝に来ていた地元の方が話しかけてくださり、眞福寺が『椿のお寺』と呼ばれていることや、子宝祈願にご利益がある(回り地蔵がある)といった話をいろいろと聞かせてもらえたことが思い出されます」と取材時を懐かしむ林さん。
「コロナ禍」で外出自粛が叫ばれる中、日々の生活には制約が伴うものの、身近な地元探訪としての「まち歩き」のひとときは、一足早い春の到来を感じる貴重な時間となるのかもしれません。
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・【わがまち港北番外編】こうほく歴史まち歩き~第2回:日吉の昔と今を歩く(後編)(2021年2月10日)※林宏美さんによるエッセイ
【参考リンク】
・准秩父三十四札所観音霊場ご案内(眞福寺公式サイト)※「6.各札所案内」第1番「眞福寺」をクリックするとPDFファイルで同寺の公式情報を見ることができる
・書籍「わがまち港北」公式サイト ※第3巻69~72ページに第195回エッセイを掲載
・枝垂れ梅の2代目。日吉・下田町の真福寺(とうよこ沿線ホームページ)
・シリーズわがまち港北「第195回 港北区ゆかりの俳人-秋元不死男」(眞福寺のシダレウメに関する記述あり)
・港北オープンガーデン(港北区)※今年(第9回)も眞福寺は参加予定