港北区初の“クラファン型ふるさと納税”は綱島・池谷家住宅、300万円に挑戦 | 横浜日吉新聞

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市外在住者はもちろん、横浜市民も寄付が可能です。

横浜市政策経営局は今週(2025年)10月3日(金)から「クラウドファンディング型ふるさと納税」を活用したプロジェクト「幕末の古民家を次世代に継承!~横浜市綱島の池谷(いけのや)家住宅リノベーション」で寄付金の募集を開始し、年内最終日の12月31日(水)まで受け付けています。

2025年10月3日(金)から始まった横浜市「クラウドファンディング型ふるさと納税」のプロジェクト「幕末の古民家を次世代に継承!~横浜市綱島の池谷家住宅リノベーション」の案内チラシ(主催者提供)

クラウドファンディング型ふるさと納税は、市外在住者が寄附金額に応じて「返礼品」を受け取れるだけでなく、市内の在住者は返礼品こそありませんが、ふるさと納税制度の寄付金控除が可能となっているのが特徴。

目的が示されたプロジェクトごとに寄附ができ、“使い道が見える”ことも寄付者の増加につながっており、横浜市ではふるさと納税プラットフォームの「ふるさとチョイス」(株式会社トラストバンク運営)上で寄付を受け付けています。

2025年10月3日(金)の10時に開始されたプロジェクト「幕末の古民家を次世代に継承!~横浜市綱島の池谷家住宅リノベーション」、年内の90日間で寄付額300万円を目指す(「ふるさとチョイスGCF=ガバメントクラウドファンディング」より)

市によるクラウドファンディング型ふるさと納税は、2022年12月から2023年3月まで行われた「消防音楽隊(ポートエンジェルス119)」のパレード服をリニューアルするプロジェクトを皮切りに現在進行中も含め7回にわたって行ってきましたが、港北区内が対象となったのは今回が初めて

池谷家の古民家再生プロジェクトでは、12月末までの90日間に目標額の300万円を集めようとするもので、寄付金は築168年を迎え老朽化が進むなか、半世紀に一度という大改修工事の費用にあてる計画です。

幕末の1857(安政4)年に建てられた池谷家住宅の解説と返礼品(一部)の紹介(案内チラシより)

寄附者への特典は、横浜市都市整備局の「都市デザイン室ホームページ」へ氏名の記載(希望者のみ)や、10万円以上の寄附者には池谷家住宅に新たに設置する銘板へ氏名・法人名の記載や、内覧会への招待が予定されています。

これらは“返礼品”に当たらないため、市内在住者も含め全寄付者が対象です。

加えて、市外の在住者には「池谷家住宅オリジナルポストカード(6枚)」(5000円以上の寄付)や「歴史を生かしたまちづくり横濱新聞 縮刷版(非売品)」(1万円以上の寄付)、「横浜綱島桃エール(ビール6本セット)」(2万円以上の寄付)などの返礼品が用意されています。

「郊外の史跡」に注目集められるか

横浜市のクラウドファンディング型ふるさと納税のうち、文化財・史跡の環境整備を目的としたものでは、昨年(2024年)10月1日~12月31日まで92日間にわたって募集した国指定名勝「三溪(さんけい)園」(中区本牧)を対象に行われたプロジェクトが知られ、目標額の400万円に対し173人から452万円超を集めて達成しました。

どちらも2024年10月から12月に横浜市が行った「クラウドファンディング型ふるさと納税」の2プロジェクトの成否、画像上が三渓園、下が大塚・歳勝土遺跡(「ふるさとチョイスGCF」のページより)

一方、都筑区の横浜歴史博物館に近い国指定史跡「大塚・歳勝土(おおつか・さいかちど)遺跡」で同じ期間に300万円を募集したプロジェクトでは、78人から131万円超を集めたものの目標額は未達成となっています。

どちらも「お礼の品」は見学ツアーなどで大きくは変わりませんでしたが、三溪園は目標額を超え、大塚・歳勝土遺跡は三渓園より100万円低く設定された目標額を達成できずに終えました。

同じ国指定史跡でも横浜を代表する著名実業家が遺(のこ)した著名スポットと、一方は地元以外で注目を浴びづらい郊外の“素朴な弥生遺跡”という知名度や華やかさの違いがそのまま結果に現れたような格好です。

今回も池谷家の古民家再生プロジェクトと同時期に三渓園では旧燈明寺三重塔の保存プロジェクトの寄付金募集を行っており、目標額は池谷家住宅の倍となる600万円としました。

かつて岡山に並ぶ桃の名所だった綱島の歴史を継承し、池谷家では今も桃栽培を続けており、毎年わずかな数の限定ビールが地元の横浜ビールによりつくられている。今回は市外者を対象に2万円以上の寄付で返礼品となった(「ふるさとチョイスGCF」のページより)

池谷家住宅が誕生したのは横浜開港より2年ほど古い年代とされ、温泉と桃で知られる綱島の歴史を象徴する存在として周辺地域では高い知名度を誇りますが、大塚・歳勝土遺跡と同じように「郊外の史跡」の一つ。

郊外でも鎌倉時代からの歴史を持つ「称名寺(しょうみょうじ)境内」(金沢区)の環境整備プロジェクト(2023年10月~12月)のように目標額の300万を上回る391万円を集めて成功させたケースも見られますが、中心部の海や港関連史跡がとかく注目される横浜において、郊外部の文化財と歴史を地域外に広く伝えることができるかどうかも試されています。

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【参考リンク】

2025年10月3日(金)~12月31日(水)横浜市「幕末の古民家を次世代に継承!~横浜市綱島の池谷家住宅リノベーション」(ふるさとチョイスGCF=ガバメントクラウドファンディング)

横浜市「クラウドファンディング型ふるさと納税」の紹介(政策経営局、プロジェクトの一覧)


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