<渋谷駅>再開発の完成は2030年以降、東急・JR・メトロの3者で駅前を一新へ | 横浜日吉新聞

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【沿線レポート】今も再開発工事が続く渋谷駅で完成後の姿が少しずつ見えてきました。

東急とJR東日本、東京メトロの3社が再開発ビル「渋谷スクランブルスクエア」の第2期工事をはじめ、渋谷駅の改良、ハチ公広場と東口広場の整備などを同時に進める「渋谷駅街区計画」について、2030年度から順次完成させる計画を発表しています。

「渋谷駅街区計画」について説明する東急都市開発本部の大塚要課長、右隣はJR東日本マーケティング本部の石坂謙治マネージャー、東京メトロ都市・生活創造本部の桑名勝課長(7月8日、渋谷スクランブルスクエア内で)

当初は2027年度の完成を目指してきた渋谷スクランブルスクエアの第2期工事(中央棟・西棟)については、インバウンド旅行者を含めた来街者増加などの変化を踏まえ、広場空間と歩行者動線の再編ほか計画を見直し、今年(2025年)5月に着工。

新たな渋谷駅街区計画では、完成は2030年度以降に順次という形となり、渋谷スクランブルスクエアの中央棟と東棟は2031年度完成、全体の完成が2034年度と設定されました。

計3棟で首都圏最大級の商業施設に

2019年11月に開業した地上47階・地下7階建ての渋谷スクランブルスクエアですが、現時点では旧東急百貨店東横店(東館)と旧東急渋谷駅の跡地に建てられている「東棟」だけが営業している状態です。

スクランブル交差点側から眺めた「渋谷スクランブルスクエア」の東棟(2019年完成済み)と2031年度に完成を予定する中央棟・西棟のイメージ(渋谷駅街区共同ビル事業者提供)

今後、2031年度にはJR駅の直上「中央棟」(地上10階・地下2階建て)が建ち、旧東急百貨店東横店(南館)などの跡地周辺には「西棟」(地上13階・地下4階建て)を設けて計3棟とする計画です。

全棟完成後の渋谷スクランブルスクエアは、1フロアあたりの売場面積が最大約6000平方メートルに拡大し、首都圏最大級の駅直上ショッピングセンターになるといいます。

中央棟の10階屋上には、各国大使館などと連携したグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」を整備し、渋谷スクランブル交差点などの街並みを見渡せる空間を提供するとのことです。

「渋谷スクランブルスクエア」第2期工事(中央棟・西棟)の概要(東急・JR東日本・東京メトロの共同ニュースリリースより)

銀座線の直上に“スカイウェイ”

渋谷駅街区計画でもっとも最初となる2030年度の完成が予定されているのは、駅前の歩行環境を変える“歩行者ネットワーク”の一部です。

なかでも象徴的な存在が銀座線の線路上に設けられる約800メートルの「4階東口スカイウェイ(仮称)」で、「渋谷ヒカリエ」の脇から渋谷スクランブルスクエア中央棟(2031年度完成予定)に接続するものです。

宮益坂交差点(渋谷ヒカリエ)側から見た東京メトロ・銀座線直上の「4階東口スカイウェイ(仮称)」(画像左下)と渋谷マークシティ方面への歩行者ルートのイメージ(渋谷駅街区共同ビル事業者提供)

この4階東口スカイウェイの完成により、最終的には、JR線路上空の「中央棟4階広場(仮称)」(2034年度までに完成予定)や「西口3階上空施設(仮称)」(2030年度完成予定)などを通じ、「渋谷マークシティ」(京王電鉄・渋谷駅)方面へ歩行者デッキで移動できるようになります。

明治通りの上に設けられた東京メトロ・銀座線の線路と、その上部で工事中の「4階東口スカイウェイ(仮称)」。銀座線の線路は写真奥に写る渋谷マークシティ3階にある車庫へつながっている(7月8日)

現在、渋谷ヒカリエ周辺の「宮益坂地区」では市街地再開発事業が始動しており、さらに宮益坂の青山通りと交差する「宮益坂上」でも「渋谷二丁目西地区」の再開発が予定されています。

「宮益坂地区」での市街地再開発事業の位置(「宮益坂地区第一種市街地再開発事業」に関する東急の資料より)

「宮益坂地区」市街地再開発事業の完成イメージ、画像右下に「4階東口スカイウェイ(仮称)」が見える(「宮益坂地区第一種市街地再開発事業」に関する東急の資料より)

これら周辺の再開発も含めた完成形は、

宮益坂上(渋谷二丁目西地区再開発)~宮益坂地区(再開発)/渋谷ヒカリエ~「4階東口スカイウェイ(仮称、銀座線線路直上)」~「渋谷スクランブルスクエア中央棟4階広場(仮称)」~「同西口3階上空施設(仮称)」~渋谷マークシティ道玄坂上交番前方面

という形で、全部が完成した際には「宮益坂上」交差点付近から「道玄坂上交番前」交差点近くまで約1キロにわたってデッキやビル内を中心とした歩行者ルートが確保される計画となっています。

工事中の「4階東口スカイウェイ(仮称)」から見た「渋谷スクランブルスクエア」第2期工事や「中央棟4階広場(仮称)」(2034年度までに完成予定)などの整備予定地。右奥のビルが渋谷マークシティ、左奥は渋谷フクラス(2019年開業)、左最奥の細長い建物がセルリアンタワー(7月8日)

JR渋谷駅を改良、乗換環境も改善

2030年度にJR渋谷駅では、スクランブルスクエア中央棟の3階新たな改札口やコンコースの整備がおおむね完了し、1階では駅の東西(東口広場~ハチ公広場)を結ぶ最大幅員20メートル超の自由通路も整備されます。

3階改札前コンコースの完成イメージ(JR東日本提供)

銀座線ではコンコースも新たに完成を迎えることから、東急東横線の渋谷駅からJR線や銀座線への乗り換え環境は、現在よりも改善される予定です。

また、2034年度までに「ハチ公広場」や「東口地上広場」が再整備され、「中央棟4階広場(JR線路上空)(仮称)」や「西口3階上空施設(仮称)」、さらにビル10階の「中央棟10階広場(仮称)」が完成し、計2万平方メートルの広場空間が誕生し、駅前の快適性が向上することが期待されます。

スクランブル交差点側から眺めたハチ公広場の再整備イメージ(渋谷駅街区共同ビル事業者提供)

整備される各広場の位置図(東急・JR東日本・東京メトロの共同ニュースリリースより)

まずは5年後の2030年度に、“渋谷再開発の最終章”となるまちづくりの輪郭が見えてくることになりそうです。

【関連記事】

進展する「渋谷」の一大再開発、明治神宮前や代官山など次駅にも広がる(2023年6月12日)

東横線・渋谷駅→JRへの乗換時も便利、JR側に高層ビル直結の新改札口(2020年1月20日、渋谷スクランブルスクエア東棟の完成に対応)

【参考リンク】

「『100年に一度』の大規模再開発、渋谷駅街区計画、最終章へ~2030年度に渋谷駅および駅を中心とした歩行者ネットワークが概成を迎え翌年度、渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)が完成します」(東急、JR東日本、東京メトロ、2025年5月9日)

渋谷再開発情報サイト「渋谷再開発&まちづくり」(東急グループの渋谷再開発に関する総合サイト)

渋谷区「令和12(2030)年度概成 渋谷駅と、駅を中心とした歩行者ネットワークは快適な歩行空間に生まれ変わります」(歩行者視点での変化を紹介、2025年6月15日号)


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