約3年ぶりの“日吉対決”は、投打に圧倒する日大高校が一方的に制するという意外な試合展開となりました。
夏の甲子園を目指す「第107回全国高校野球選手権大会」神奈川大会(県高校野球連盟・朝日新聞社主催)できのう(2025年)7月18日、バッティングパレス相石スタジアムひらつか(平塚球場)での4回戦で、第2シードの日本大学高校(日大高校)(箕輪町2)とノーシードの慶應義塾高校(慶應高校)(日吉4)が対戦し、日大高校が7対0で7回コールド勝ちをおさめています。
日大高校は立ち上がりで制球の定まらない慶應先発投手の寺本光希君を攻め、1回裏に押し出しを含めた3つの四球と2本のタイムリーヒットで3点を先制。
5回から登板した慶應エースの関矢健人君らも打ち崩して追加点を奪い、6回裏には試合を決定づける3番打者・武田龍空(りく)君がこの日3安打となる3点タイムリー2塁打で7得点を挙げ、試合を一方的な展開に持ち込みます。
投げてはエースの川村隼吾(しゅんご)君が慶應打線に隙を与えず7回を2安打、無失点の好投を見せ、失策もゼロと固い守備で完封勝利をおさめました。
日頃の“地元”交流で「特別な想い」の一戦に
「日吉ダービー」とも言われる今回の一戦。日大高校のグラウンド(日吉6)から慶應が使用している日吉台球場(日吉4)までは徒歩で約20分程度しか離れておらず、同じ港北区内にある武相高校(仲手原2)と3校で毎年秋に「港北カップ」という対戦による交流も20数年来実施している関係です。
「(日吉対決ということで)意気込みはやはりほかの試合とは全然違う感じでした」と、日大エースの川村君は、“意識しているところがあった”と、この日の試合に賭ける特別な想いがあったことを明かします。
これまで2回行ってきた練習試合でも日大高校が敗戦と引き分けという結果でしたが、「(練習試合でも)個人的には打率が良かった。とにかく先制点を取りたかった」と、1回裏に1点目の打者を迎え入れるタイムリーヒットを放った4番サードの北澤優翔(ゆうと)君も、最後の大会らしく力を出し切るとの想いで試合に臨んだと語っていました。

川村君の調子が上がってきていることが勝因の一つと分析する伊藤謙吾(けんご)監督。「慶應さんとは(ご近所同士)日頃から親しくさせていただいている」と日頃の関係にも感謝の意を表し、次戦の勝利に全力を傾けたいとの思いを語っていた
「悔しい敗戦」でも相手を称える“慶應野球”
一方、敗れた慶應高校の主将で、開会式では選手宣誓の大役も果たした山田望意(のい)君は、宣誓で語った「相手の好プレーを称える」という想いについて、「試合後に(日大高校の選手に対して)自分から“頑張って”と伝えました」と、悔しい敗戦のなか、涙ながらに日頃から交流があった対戦相手への敬意を表します。
1回戦、2回戦と試合を行うなかでも、「(相手チームとの)最後のあいさつを終えた際に、“頑張ってくれ”とか、そういう言葉をもらうことができ、こういう大会を行えて良かった」と、「皆で支え合う」という想いを感じるシーンがチーム内外であったと語ります。
山田主将らは2023年夏の甲子園優勝時には1年生だった世代。「(主将のバトンという点について)先輩たちからは、“真似する必要はない”と言われていたこともあり、あまりそのことは意識はしませんでした」と、自分たちの色を出そうとチームづくりに取り組んだ日々について語ります。
控え選手としてスタンバイしていた山田君は、7回表に最後の打者として代打で登場しましたが、「これまでの様々な思いが巡り、すごく楽しかった。結果はうまくいかなかったですが」と語り、悔しさの中にも、野球の楽しさを体感できる夏だったと今大会を振り返っていました。
公式戦では日大高校が「20年ぶり」勝利
慶應高校と日大高校は、過去25年間(2000年以降)の公式戦(春・秋含む)では7回対戦しており、今回の対戦を含めて慶應が3勝、日大が4勝という成績です。
直近の対戦となった2022年の秋季県大会4回戦では、慶應が「0対7」と8回コールドで圧倒。それ以前の2018(平成30)年の夏、2008(平成20)年の秋も慶應が勝利をおさめていました。
一方、日大は2005(平成17)年の春季県大会決勝で慶應を破って優勝して以来、今回が20年ぶりの勝利となりました。
「これまでの公式戦の中で、一番いいピッチングだった」と日大の捕手(キャッチャー)の武田君が語るエース・川村君ら投手陣のピッチング、また好調な打線や守備が、次戦以降の試合でもどのように輝き、勝利を掴(つか)み取れるのかに注目が集まりそうです。
なお、「港北カップ」で両チームと交流を行っている武相高校も、きのう(18日)にサーティーフォー相模原球場で行われた4回戦で、桐光学園高校(川崎市麻生区)に延長10回タイブレークの激闘の末、1対5で敗退しました。
敗れた慶應や武相高校、他の県立3校も含めた「港北区」代表として、次戦に挑む日大高校への、これまで以上の熱き声援が送られることになりそうです。
2000年から四半世紀にわたる“日吉対決”の公式戦記録
<通算成績:慶應3勝-日大4勝>
- 2025(令和7)年7月18日(夏選手権神奈川大会・4回戦):慶應 0-7 日大(7回コールド)
- 2022(令和4)年9月11日(秋季県大会・4回戦):日大 0-7 慶應(8回コールド)※この大会は慶應が準優勝
- 2018(平成30)年7月13日(夏選手権北神奈川大会・2回戦):日大 1-6 慶應※この大会は慶應が北神奈川優勝=甲子園出場
- 2008(平成20)年10月4日(秋季県大会・準決勝)日大 1-3 慶應※この大会は慶應が優勝
- 2005(平成17)年5月5日(春季県大会・決勝)日大 14-10 慶應(延長11回)※この大会は日大が優勝、慶應が準優勝
- 2003(平成15)年7月13日(夏選手権神奈川大会・1回戦)日大 11-1 慶應
- 2002(平成14)年9月14日(秋季県大会・3回戦)日大 4-2 慶應
(※)過去の試合結果はサイト「バーチャル高校野球」「慶應野球部応援団」「高校野球データベース」「高校野球百科事典」を参照しました
日大高校の対戦予定(5回戦)
(※)各学校名の部分から「バーチャル高校野球」の戦績一覧にリンクしています(春の地区予選の結果は未掲載)。「川崎・横浜北地区」予選の結果は神奈川県高校野球連盟のPDFファイルに掲載されています
(※)7月20日15時20分現在の情報です。試合日程と開始時間は、雨天順延や第一試合の終了時間などによって変更される場合があります。神奈川県高野連の公式サイトなどでご確認ください
▼ 7月20日(日)(5回戦)
平塚11:30目安:〇日大高校 vs 星槎国際湘南(試合詳細/ケーブルテレビ中継)
▼ 7月22日(火)(準々決勝)
相模原9:00予定:日大高校 vs 東海大相模(ライブ配信/ケーブルテレビ中継)
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【参考リンク】
・神奈川県高等学校野球連盟公式サイト(大会情報、観戦案内)
・バーチャル高校野球~神奈川大会(スポーツブル)
・かながわCATV情熱プロジェクト(相模原や平塚での試合を「イッツコム」や「YOUテレビ」などケーブルテレビで生中継)
















