延長タイブレークでの激戦を制することができなかった悔しさが、来年に向けての“糧”となるようにと祈るばかりです。
きょう(2024年)9月28日(土)午後、サーティーフォー保土ケ谷球場(保土ケ谷区花見台)で行われた「神奈川県高校野球秋季大会」準々決勝の戦いに挑んだ慶應義塾高校(慶應塾高、日吉4)は、平塚学園高校(平塚市)に延長10回タイブレークの末、4対5でサヨナラ負けを喫するという悔しい敗戦となりました。
1回裏、先発した1年生投手の寺本光希君が1死2塁からセンターへの2塁打を放たれ1点の先制を許します。
しかし3回表、1番打者の青木祐貴君がライトへのタイムリー2塁打を放ち1対1の同点に。
続く関瑛太君がレフトへのタイムリー安打で2対1と逆転します。
7回表には、四球と死球で出塁した打者を代打の金山大祐君がレフトへのタイムリー2塁打で2点を追加、4対1とリードを広げます。
平塚学園は9回裏、7回裏からマウンドに立った大村哲誠君を攻め4対4の同点に。
10回裏の延長タイブレークでは三塁を守っていた紺野真太郎君がマウンドに立ち、平塚学園の上位打線と対戦したものの、最後は1死満塁からサヨナラ犠牲フライを放たれ5対4でゲームセット。
一時はリードをし、8回表は2死満塁のチャンスを活かせず、相手を上回る8安打を放ちながらもサヨナラ負けを喫するという「悔しい敗戦」となりました。
「悔しさ」バネに“春まで”の成長を
今回の敗戦について、主将でキャッチャー(捕手)の山田望意(のい)君は、「試合に入る前に森林さん(森林貴彦監督)から『謙虚に行こう』という話があり、9回の守備に入る前も『とにかくしっかり3人アウトを取って』という話があったのですが」と、主将、そして捕手という立場で投手をカバーしきれなかったことへの悔しさをにじませます。
1年生ながら先発し平塚学園を6回1失点に抑えた寺本君は、「強いボールを投げるように頑張ってきました。相手はどんなボールに対しても食らいついてきて投げづらいという印象はありました」と語りながらも、涙ながらに「これからも頑張りたいと思います」との決意を語ります。
寺本君の後を継ぎ7回からマウンドに立った同じく1年生の大村君は、「寺本が試合を作ってくれたなかで自分が崩してしまって、先輩たちと甲子園に行こうと意気込んでいたが、申し訳ない」と止まらぬ涙とともに語ります。
それでも「みんなで笑って、辛いときも楽しもう」と、苦しいシーンも乗り越えてきたといい、「自分はまだ体がまだ細くて、ケガをしやすい体質でもあると思うので、この冬、体をしっかりつくって必ず次は先輩たちをいい思いにさせられるように頑張りたい」との決意を語っていました。
森林監督は、「いろいろなポジションでまだ『代役』が頑張っているという状態。みんなで点を取る、守るという意識は強いチーム。その良さで、一体感とか連帯感をさらに高めつつ、野球は“個”で勝負しなければならない場面があるので、“個”の力を強めていけるよう、そこは頑張ってほしい」との新たなエールを選手たちに送っていました。
夏の「甲子園」を目指す闘いは、冬を越す春の県大会(地区予選)での、夏のシード権獲得を目指す試合まで時期を待つことになりますが、慶應塾高は他校との交流や神奈川県内でのリーグ戦(2024年2月現在13校が参加)の実施といった“日本の野球界を変える”取り組みを行っていることもあり、今より実力、また人間的にもより成長した選手たちの姿に出会えることを期待したいところです。
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・【試合結果】<秋の高校野球>武相高校が準々決勝で“完敗”、一冬越えての成長に期待(新横浜新聞~しんよこ新聞、2024年9月30日)※リンク追記、武相高校も横浜高校に悔しい敗戦となった
・【告知記事】<秋の高校野球>慶應・武相が準々決勝を保土ケ谷で、準決勝からCATV中継も(2024年9月26日)※2024年10月7日追記:平塚学園高校は3位決定戦で横浜隼人高校(瀬谷区阿久和南1)に勝利し関東大会への出場を決めました
・【対戦表など】<高校野球>秋の県大会に慶應・日大・武相・港北が出場、春・甲子園への夢に挑む(2024年9月6日)
・甲子園優勝までの道のりを紐解く、慶大卒記者が「慶應高校野球部」新書を出版(2024年7月22日)※生徒の自主性を重んじる「教育論」としても参考となる一書
【参考リンク】
・令和6年度神奈川県高等学校野球秋季県大会「試合結果」(一球速報.com)