9年ぶり「ベスト8」に進出するも、昨夏「甲子園ベスト8」の強豪校に完敗。最後の夏は“勝ち上がれる”チームを目指します。
きのう(2025年)4月27日(日)にサーティーフォー保土ケ谷球場(保土ケ谷区花見台)で行われた「神奈川県高校野球春季大会」準々決勝の戦いに挑んだ日本大学高校(日大高校)(箕輪町2)は、東海大相模高校(相模原市南区)に0対10(7回コールド)で敗戦。
横浜スタジアム(中区横浜公園)で開かれる準決勝への進出はなりませんでしたが、今回、9年ぶりに「ベスト8」入りしたことから、「夏の甲子園」を目指す今夏7月7日(月)に開幕予定の「高校野球神奈川大会」では、第2シード校として出場することになりました。
この日、「春の大会」で好投を続けてきたエースの川村隼吾(しゅんご)君は、先発のマウンドには上がらず、2年生のキンブル光レイ君が代わって登板。
初回は0点に抑えるも、2回表に東海大相模の畳み掛ける猛攻を受け、途中登板した曽根士真(とうま)君とともに8点を失うという苦しい展開に。
3人目の投手として登板したエースの川村君が、以降7回表まで2失点に抑えたものの、攻撃では、6回まで3安打と6四球で得たランナーを、相手の好守などもありホームに返すことができず、「8残塁」という悔しさ残る試合結果となりました。
ベスト8の目標は達成、最後の夏は「第2シード」から
エースの川村君が先発しなかったことについて、日大高校の伊藤謙吾(けんご)監督は、「(川村君が)1試合もたない(投げ続けられない)と思ったので、違うピッチャーで(イニングを)稼ぎたかった」ことが理由であると試合後に語ります。
東海大相模高校の原俊介監督も、「川村君が先発だと思っていた」と語るほど、意外な投手起用になりましたが、伊藤監督は「キンブル君を先発させたのは調子が良かったから」と、2年生として成長を遂げたキンブル君への期待感を抱いたことが理由と語ります。
伊藤監督は、キンブル君について、球速は出てきたものの、「変化球」には課題が残るといい、川村君については、大量得点で差がついた後での登板だったものの、東海大相模打線を2点に抑えたことも踏まえて、「まあまあ頑張ったと思います」と、ベスト8入りの“立役者”としてのこれまでの好投についても「川村(君)のおかげ」と、労(ねぎら)いの言葉を投げかけていました。
日大高校は、今回、主将(キャプテン)の渡辺瑛心(えいしん)君を中心に、県大会「ベスト8」に入ることが目標だったといいます。

「ベスト8に入ったのは川村君の好投のおかげ」と称える伊藤監督は同校で28年来のキャリアを積んできた。港北区の私立3校で毎年秋に実施している「港北カップ」についても「非常にいい会」と、その活動がチーム力強化や、選手のみならず「指導者」の交流機会としても大いに役立っていると語る
昨年(2024年)9月の「秋季大会」では3回戦で敗戦してしまっていただけに、渡辺君は「春に向けて鍛え直し、というところで、春の大会では、試合を積むごとに成長できたと感じました」と、今回“実力の差”が出て負けてしまったことを悔しがり、「夏、『最後、勝ち上がれるようなチーム』を作ることができれば」との新たな目標、そして決意についてもその想いを語っていました。
試合後のインタビューに応じた、キャッチャー(捕手)の武田龍空(りく)くんとともに、「野球と勉強の両立」を目指せることで日大高校を選んだという渡辺君も、“一人ひとりの協力”でその大変さを補(おぎな)い合いながら、その両方を頑張っているといいます。
この日、球場に訪れたチアリーティング部や他の部活動に所属する在校生、また多くの卒業生も含む約4500人の観衆に見守られながら、目標の「ベスト8」に挑んだ日大高校の野球部員たち。
夏の大会に向けての「最後のチャレンジ」に、地域内外からの熱き声援が寄せられる日々となりそうです。
【関連記事】
・【前回記事】日大高校野球部が9年ぶり「春の大会」ベスト8、武相は敗れるも夏は第3シードに(2025年4月21日)
【参考リンク】
・バーチャル高校野球「春季神奈川大会(2025)」(スポーツブル)
・日大(神奈川)(同)※これまでの戦績など
・学校生活~部活動(日本大学高等学校)※「硬式野球部」もリンク先で紹介。部の特徴を「野球を通して人間力を高め、将来の社会で活躍するための基礎を身につける」としている