「横浜日吉新聞」は、きょう(2020年)7月18日(土)で丸5年が経過し、6年目に入ります。
2015(平成27)年7月18日にスタートした当サイトは、当時、筆者(西村)が在宅勤務や保育園への送迎などで地元である日吉との関わりが大きくなり、情報を得たいとの思いから、会社員の傍らで立ち上げた個人的なブログサイトでした。
現在は十数万の読者と港北区内を中心とした約30社・団体・個人の支援によって運営を続けており、当サイトでは日吉・綱島・高田を中心としたエリアの情報を、また別サイトの「新横浜新聞~しんよこ新聞」では、2023年3月までに「東急新横浜線(相鉄・東急直通線)」でつながる新横浜を中心とした港北区南部エリアの話題をそれぞれ発信しています。
本サイトを始めたのは、子どもを「盆踊り」へ連れて行こうと思ったら、そうした情報にまったく触れられなかったことがきっかけでした。スタートの時期が7月になっているのはそのためで、仕事で都心へ通いながら日吉で子育てをしている人と、地域情報を共有したいとの思いもありました。
以後、綱島や高田など周辺に情報収集範囲を広げながら、5年間にわたって子どもと一緒に楽しめるイベントや街の話題を中心に発信してきましたが、今年の夏はそうしたイベントや祭りがまったく無くなってしまいました。
2月下旬以降、地域で計画されていたほぼすべてのイベントや祭りが開催断念に追い込まれており、参加を楽しみにしていた人に加え、時間をかけて準備してきた主催者の立場に立つと、やり切れない思いがします。
また、当初の予定では、来週7月23日には「東京2020オリンピック」が始まり、英国のキャンプ地となっている日吉周辺でも大きく盛り上がるはずでしたが、それさえも遠い出来事のようです。
「横浜日吉新聞」でも、5周年ということで読者のみなさんを対象とした公開イベントを開く計画を立て、会場も押さえていましたが、それどころではない環境になりました。
新型コロナウイルスの影響で、外出さえ難しかった4月や5月のことを振り返ってみますと、「新横浜新聞~しんよこ新聞」のエリアである新横浜では、東海道新幹線へ乗り換える客やビル街のオフィスで働くビジネスパーソン、日産スタジアムではサッカーを中心としたスポーツイベント、夜は横浜アリーナでの音楽イベントと、常に多くの人で賑わっていた街ですが、すっかり人の姿が消えていました。
あまりに変わり果てた新横浜の姿を見る度に泣きたくなるような思いになりましたが、一方で、日吉や綱島、高田の街では不思議とそうした感情が湧いてきたことがありません。
病院やスーパー、保育所などの生活インフラは無事であるのか、買物の場は危険になるほどの混雑はしていないか、学校や閉まっている店はいつになれば再開できるのか、川崎市に比べ横浜市の消極的な情報公開姿勢はどうにかならないか――など、生活を維持していくための心配事が常に消えなかったからなのかもしれません。
そうした「日常生活の場」である日吉・綱島・高田エリアで過ごし、歩きながら一つだけ心強く感じたことがあります。
それは、普段なら昼間は、東京や横浜の都心へ仕事へ出かけてしまう人の一部が日常生活の場にとどまって業務をこなしていたことで、これにはどこか安心感が湧きました。街は静まり返っていても、家々やマンションのなかには人が居るのだと。
「在宅勤務」や「テレワーク」といった概念を定着させることの難しさは、2011年3月に起きた東日本大震災以降の9年間という長い時間が示していますが、それでも当時の危機を経ていたからこそ、今回の事態に対応できたこともあったかと思います。
日常生活の場で会社の業務を行うことは、課題も多く残り、可能な職種や業種も限定されてしまいますが、昼間は都心へ通っている人のうち、数パーセントでも地域にとどまることができれば、平日昼間は高齢層と小さな子どもを連れた女性と学生ばかりという街の様子が変わるかもしれません。
朝と夜に集中する交通機関の混雑緩和につながりますし、地域の商店街や飲食店、スーパーなどの活性化も期待できます。働く場となっている東京や横浜の中心部ではなく、生活の場に視点が向くことで、地域の防災や子育てといった「まちづくり」の面でもプラスになるはずです。
今は、感染者数が再び拡大するなかで、外へ出ることさえ不安が拭い去れない不安定な状態が続いており、この先も秋から冬へ向かって、事態がどう動くのかも分かりません。
まだ先の見えない我慢の多い日常が続きますが、今回の辛い出来事が街が変化する第一歩となることへの望みを持ちながら、6年目も、生活に役立つことを第一に、希望を持てるような情報発信を行ってまいります。(2020年7月18日、西村)
【関連記事】
・5年目も日吉・綱島・高田を中心に「港北区北部エリア」情報を発信してまいります(2019年7月18日、前年の記事)
・激しい変化のなかで迎えた5年目、今後も日常を刻み続けてまいります(2020年7月8日、5年目を迎えた「新横浜新聞~しんよこ新聞」について)