<神奈川区の病院事件>終末期の医療現場で何が、被害者は新吉田東の男性 | 横浜日吉新聞

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横浜線・菊名駅から横浜方面へ1駅、次駅にあたる大口駅。駅近くにある神奈川区内の病院で、入院していた港北区新吉田東の男性(88歳)の点滴に異物が混入され、殺害されるという事件がテレビや新聞で大きく報じられています。一体、何が起こったのか。連日報道される膨大なニュースや記事から現在までに分かっている内容をまとめました。

地元紙・神奈川新聞では連日1面トップ記事で報じられている

地元紙・神奈川新聞では連日1面トップ記事で報じられている

事件が起きたのは先週(2016年9月)20日(火)。神奈川新聞の記事によると、同日の早朝4時ごろ、心拍数の急激な低下を示すアラームに看護師が気付き、医師が救命措置を行ったものの4時55分に死亡が確認されたといいます。亡くなった男性の点滴に異物が混入された疑いがあると同病院が警察に通報したことで、事件性が強いことがわかったものです。

以下、これまでに明らかになっているのは次の通りです。

  • 被害に遭ったのは高田駅に比較的近い新吉田東3丁目在住の88歳男性。数年前に奥さんが亡くなり、体の具合が悪くなったといい、近所の人からは「トラブルを起こすような人ではない」「恨みをかうような人ではない」の声が相次ぐ(神奈川新聞)
  • 男性は病状が悪化したことから、9月14日に終末期医療を受けるため、横浜市内の別の病院から大口駅近くの同病院に転院した(毎日新聞)
  • この病院は終末期の重傷者が多く、ここで亡くなる方は多い」(報道陣の取材に応じた院長、神奈川新聞)
  • 同病院は、大口駅の西口徒歩3分、内科、整形外科、小児科、リハビリテーション科を持ち、病床数は85(ホームページ)
  • 病院を運営する医療法人財団は60年以上の歴史を持つ。2つの病院と訪問看護ステーション、療養通所介護センター、病児保育室を大口駅周辺で運営している地域密着型の医療法人(ホームページ)
  • 被害に遭った男性の点滴袋や遺体からは、せっけんや洗剤などに含まれる「界面活性剤」の成分が検出された(毎日新聞)
  • 同病院内では、4月にナース服が切り刻まれ、6月に患者1人のカルテが抜き取られ、8月に病院スタッフの飲み物に「漂白剤らしき」異物が混入されるなどのトラブルが相次いでいた(神奈川新聞/産経新聞)
  • 神奈川署では、被害に遭った男性が入院していた同じフロアに入院し、今月18日以降に病死と判断された80~90代の男女3人についても経緯に不審な点がないか司法解剖して調査する方針(神奈川新聞)

以上が9月25日(日)までに報じられている内容です。

p160926p0001

TBS News i」のニュース動画より

港北区にきわめて近い病院で、不審な事件が起きていることは不安になります。現時点では、内部犯行の可能性が取り沙汰されており、同病院側もそれを否定していないようです。

地元紙である神奈川新聞には、院長の会見内容が詳しく載っており、そのなかで次のような気になるコメントがありました。

「高齢者の終末期医療については最近も施設での事件が取り沙汰されている。携わっている特に若い方々がどう感じているか、高齢者の対応にどういう考えを持っているのか。ちょっと信じられないようなこともあるので、そういうものが関与していなければいいなと思っている」(報道陣の取材に応じた院長のコメント、神奈川新聞)

終末期の医療現場だからこそ起こった事件なのか、それとも何らかの恨みによる犯行なのか、今のところは分かりません。犯人の逮捕と背景の追及が待たれます。

【参考リンク】
カナロコの記事「院内相次ぐトラブル 点滴異物で患者死亡」(2016年9月24日)


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