綱島西で“魔の2歳児”殺める痛ましい事件、子育ての悩みはとにかく外へ吐き出せ | 横浜日吉新聞

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NHKの「NEWS WEB」より

事件を伝えるNHKの「NEWS WEB」より

綱島西5丁目で痛ましい事件が起きてしまいました。NHKやTBSの報道によると、一昨日(2016年3月)29日(火)の17時半ごろ、34歳の母親が「自分の息子の首を絞めて殺した」と港北警察署に自首してきたため、同署が母親の自宅を調べたところ、2歳の男の子が亡くなっていたといいます。

事件が起きた場所は北綱島小学校(綱島西5)の近く、大手メーカーの社宅となっている共同住宅です。殺人の疑いで逮捕された母親は、41歳の夫と子どもの3人で暮らしており、殺害した28日(月)の夜から29日(火)朝にかけては、夫は不在だったとみられます。警察の取り調べに対し、母親は「息子が言うことを聞かなくなってきて育児で悩んでいた」(TBS)と供述しているとされています。

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痛ましい事件が起きた綱島西5丁目の共同住宅

詳細な取り調べはこれから行われるようですが、育児の悩みが原因で自分の子どもを殺してしまったというのは、あまりに残念です。今回被害に遭った子どもは2歳。「魔の2歳児」という言葉があるように、第一次反抗期に差し掛かるこの時期の子育ては特に苦労がともなうといわれます。

港北区では生後4カ月までに、地域で活動している民生委員や児童委員などが訪問する「こんにちは赤ちゃん訪問」という取り組みが行われていますが、それ以降の家庭訪問は基本的にありません。個別に相談や心配事がある場合などは、保健師が定期的に家庭を訪問することも行われていますが、これは自ら申し出る必要があります。

また、相談を行う機会として、4カ月と1歳6カ月と3歳児に対して行われる乳幼児健診はありますが、1歳6カ月以降は1年半近く間隔があいてしまうことになります。

外へ出ていくことさえ辛いときは電話でもOK

外へ出ていくことさえ辛いときは電話でもOK

2歳児前後の一番苦しい時期は、自ら動かない限りは助けを得ることができない環境になりがち。だからこそ、自分一人で抱え込まないことがもっとも大事です。

子育て相談は日吉や綱島の地区センターはもちろん、下田地域ケアプラザや日吉本町地域ケアプラザ、くっくおさんぽ保育園(日吉6)など、身近なところで行われています。また、今年(2016年)3月30日から綱島東小学校の近くに子育て支援施設「どろっぷサテライト」がオープンしており、ここへ行けば子育てのプロが待機していますし、同じ悩みを抱えた利用者と交流ができるかもしれません。

外へ出ることさえ辛いときは電話してしまいましょう。横浜市児童相談所(045-948-2441)でも、港北区役所の子ども・家庭支援相談(045-540-2388)でもいいでしょう。また、神奈川県が運営する「テレホン相談(子ども・家庭110番)」(0466-84-7000)では、9時から夜20時まで毎日休みなく受け付けています。

港北区役所のこども家庭支援の担当者も「育児に関する悩みがあれば、一人で抱え込まずにぜひ区役所に相談してください」と話します。

港北区では昨年(2015年)12月28日にも師岡町で、42歳の父親が自宅で6歳の長男の首を締めて殺害してしまう事件が起きたばかりです。

子育ての悩みは、家庭内や親だけで抱え込んで“限界”に達する前に、行政や地域に助けを求めてください。子育て世代が多い港北区ならではの支援が受けられます。

(2016年7月16日追記)同日付の神奈川新聞の報道によると、今回の事件で逮捕された母親は7月15日付で横浜地方検察庁が不起訴処分にしたとのことです。

【参考リンク】

神奈川県テレホン相談(子ども・家庭110番)(0466-84-7000、毎日朝9時~夜8時まで)

子どもと養育者の総合相談(045-540-2388=ゴヨーワ ニーサンパパ、朝8時45分~17時15分、土日祝は休み)

地域での子育て相談(港北区の各地域で開催中)

港北区地域子育て支援拠点「どろっぷ」(大倉山と綱島東にあります)


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