今年(2016年)1月7日から、高津区子母口(しぼくち)の東橘(ひがしたちばな)中学校で中学校給食の試行を続けている川崎市は、このほど生徒と保護者らを対象としたアンケートの結果をまとめ公表しました。これによると、昼食に弁当の継続を望む回答は保護者544名中わずか3名にとどまっていました。
このアンケートは今年2月12日から同19日まで行われたもので、同校の生徒989人中869人(87.9%)から、保護者は925人(世帯)中544人(58.8%)からそれぞれ回答を得ました。
「中学校給食が始まったことについて、どう思いますか」との問いに対し、生徒の回答では 43.0%が「よい」と答え、「どちらかといえばよい」の34.8%を合わせて77.8%が肯定的にとらえました。
「どちらかといえばよくない」(13.5%)と「よくない」(7.5%)と回答した21.0%の生徒に理由(2つまで複数回答可)を尋ねると、「家からの弁当の方がよいから」が36.2%でトップ。これに「準備や後片付けが大変だから」の25.6%と、「自分の嫌い・苦手な物が多く出る」の12.3%が続きました。
一方、保護者側は給食の開始に対して86.6%が「よい」と回答。「どちらかといえばよい」の10.5%と合わせ、実に97.1%が肯定的にとらえました。
「どちらかといえばよくない」(2.8%)と「よくない」(0.2%)と答えた3%の保護者に理由(2つまで複数回答可)を聞いたところ、「量が少ないと思われるから」が33.3%でトップ。「お弁当を食べさせたいから」「お弁当のときより、子どもとのコミュニケーションの機会が減ったから」がともに12.5%という結果でした。「その他」と回答した25%の保護者に内容尋ねると「子どもからおいしくないと聞いているから」と「牛乳が飲めない」がともに2件ずつ回答がありました。
生徒、保護者ともに目立っていたのが「量が少ない」という声です。教職員に対するアンケートでも給食の食べ残しについて61.8%が「ほとんど残らない」と答えていることから、中学生ならではの「量」を工夫する必要があるのかもしれません。
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【参考リンク】
・「中学校完全給食試行実施に関するアンケート」の集計結果について(川崎市、2016年3月16日)
※本記事の見出し左横イメージ写真は川崎市による資料「川崎市立中学校完全給食実施方針」(PDF)から転載