輝くシニアが“子どもたちの見守り”で元気に、老人クラブの酒井さんが「区民表彰」 | 横浜日吉新聞

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現役をリタイアした「シニア」が地域で活動する“輝き”を伝えたい――きのう(2022年)3月30日(水)、横浜市港北区役所(大豆戸町)で、港北区民表彰表彰式がおこなわれました。

港北区民表彰を受賞した「港北区老人クラブ連合会(港北区老連)」第11代会長の酒井松雄さん。鵜澤聡明港北区長と(3月30日)

港北区民表彰を受賞した「港北区老人クラブ連合会(港北区老連)」第11代会長の酒井松雄さん。鵜澤聡明港北区長と(3月30日)

今回の区民表彰の受賞者は、「港北区老人クラブ連合会(港北区老連)」第11代会長の酒井松雄さん

鵜澤(うざわ)聡明港北区長からの表彰状を受領した瞬間、同席した同区役所の高嶋賢一副区長や区福祉保健センターの橡木誠司担当部長田畑哲夫総務課長ら区職員からの大きな拍手が。

2011(平成23)年4月に区の会長として就任した酒井松雄さんは、90年超となったこれまでの人生、また10年超となった活動の日々を振り返りながら、受賞への感謝の想いを、言葉を選びながら述べていました。

「コロナ禍」の継続もあり、港北区役所内の区長室で表彰式をおこない、職員らの大きな拍手で祝うことになった

「コロナ禍」の継続もあり、港北区役所内の区長室で表彰式をおこない、職員らの大きな拍手で祝うことになった

地域を基盤とする高齢者の自主組織で、おおむね自治会・町内会などの範囲で設けられている「老人クラブ」

港北区では、1961(昭和36)年に区内に設置されていた35クラブで「港北区老連」が発足。

1963(昭和38)年に施行された「老人福祉法」において、“地域公共団体は、老人の福祉を増進することを目的とする事業の振興を図るとともに、老人クラブその他該当事業を行う者に対して、適当な援助をするように努めなければならない”と位置づけられています。

これまでの人生や仕事、老人クラブの活動についても笑顔で語る酒井さん。子どもたちに声をかけることでの社会貢献やつながりづくりの大切さについても笑顔で語っていた

これまでの人生や仕事、老人クラブの活動についても笑顔で語る酒井さん。子どもたちに声をかけることでの社会貢献やつながりづくりの大切さについても笑顔で語っていた

師岡町のうち、トレッサ横浜北棟から綱島街道に面した熊野神社入口バス停付近までの「表谷戸」をエリアとする師岡表谷町内会「第2わかば会」会長として、また師岡地区老人クラブ連合会でも会長として活躍してきた酒井さん。

会員約4500人、76クラブ(2021年度)もの市内最大規模の「区老連」の会長としても、区内齢者の健康維持仲間づくりにおいて、また地域への奉仕活動をけん引するばかりでなく、理事に女性が少ないことを問題視し、新たに立ち上げた「女性グラウンドゴルフ大会」を3度実施し定着させるなど、地域における男女共同参画についても実践し成果をあげてきたことが高く評価されています。

特に、シニアの活動のみでなく、「地域を豊かにする社会活動」の一環として、子どもたちの登下校時の見守り活動に力を入れてきたことについても、「(港北区のような)大きな街でも、子どもたちや保護者に“声かけする”ことでの子育ての“お手伝い”ができると思っています」と、地域を知るシニアとして実践してきた子育て支援の大切を力強く訴えます。

港北区制80周年を記念した「ふるさと港北ふれあいまつり」でも港北区老連の「イ~モ煮コーナー」は盛況だった(2019年6月1日、新横浜駅前公園野球場)

港北区制80周年を記念した「ふるさと港北ふれあいまつり」でも港北区老連の「イ~モ煮コーナー」は盛況だった(2019年6月1日、新横浜駅前公園野球場)

今回の受賞について、区高齢・障害支援課の林正隆課長は、「今から30年ほど前に鶴見川沿いで開催されていたという、老人クラブの皆様がつくる芋煮会のイベントが、港北区民のまつり『ふるさと港北ふれあいまつり』に発展したと酒井会長に教わりました」と、同まつりでも“あっという間に売り切れ”てしまうほどに人気だという芋煮を生み出すシニアのパワーに驚きを感じたといいます。

また、「高齢者世代と子育て世代をつなげる活動として、子育て応援隊(港北区地域のチカラ応援事業)と連携した缶バッジの配布、通学見守り活動時などを行う際に着用している“黄色いジャンパー”は、児童・保護者にすっかり浸透するまでになりました」と、高齢者世代の域に捉われない広い視野で活動した酒井さんの功績を称(たた)えます。

酒井さんの呼び掛けにより「黄色いジャンパー」でシニア世代が見守りをおこなう師岡小学校エリア。日々の見守りについての感謝の言葉も多く寄せられている

酒井さんの呼び掛けにより「黄色いジャンパー」でシニア世代が見守りをおこなう師岡小学校エリア。日々の見守りについての感謝の言葉も多く寄せられている

今年(2022)年1月には、「港北区老連」の発足60周年を祝う記念誌「はなみずき70号」を発行。

同クラブの歴史や活動の足跡を24ページ(表紙・裏表紙含む)もの冊子にまとめています。

2020年2月以降の「新型コロナウイルス禍」において、多くのイベントが規模縮小や開催中止になるなど、新たな試練と帰路に立たされた「区老連」や、公共施設の在り方といった“これから”についても、「多世代が顔を合わせられる居場所を」と呼び掛ける酒井会長。

4月から横浜市建築局長に就任する鵜澤区長らに、酒井さんはかつて建築業に従事した経験を踏まえ、「これから造られる公共施設は子育てなどとの複合施設であるべきだ」と提言していた

4月から横浜市建築局長に就任する鵜澤区長らに、酒井さんはかつて建築業に従事した経験を踏まえ、「これから造られる公共施設は子育てなどとの複合施設であるべきだ」と提言していた

特に、酒井さん自身がかつて仕事人として従事したという建築分野においても、公共施設などを「若い人々を育てる場所として、子育て施設なども複合的に取り入れていくべき」と語る酒井会長の言葉に、さらなる地域発展の鍵が込められているといえそうです。

なお、現在、横浜市内に18ある「区老連」のうち、7区の連合会では、「老人」を「シニア」「シルバー」と置き換えることでの名称変更をすでにおこなっています。

港北区内の人口や高齢者が増加しているにもかかわらず、クラブ数は1998(平成10)年の106クラブ以降、年々減少傾向にあることから、現在6区の連合会で導入されているホームページの開設といった新たな取り組みについても、いよいよ本腰を入れる段階になってきているともいえそうです。

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10周年迎えたトレッサ、新スポットに込められた“次の10年”戦略とは(2018年4月28日)※区民表彰受賞についても紹介

【参考リンク】

港北区老人クラブの活動に関するご理解とご協力について(依頼) (港北区のサイト、PDFファイル)※2018(平成30)年1月22日の高齢・障害支援課、地域振興課による資料

かがやきクラブ横浜(横浜市老人クラブ連合会)

各区の老人クラブ(シニアクラブ・シルバークラブ)連合会事務局一覧(同)


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