<横浜開港資料館>リニューアルを終えた「旧英国総領事館」の内部を新公開 | 横浜日吉新聞

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横浜の歴史を象徴する場所に建てられてから1世紀が近づきつつある近代建築物の内部公開が新年度から始まります。

横浜開港資料館(みなとみらい線「日本大通り」駅徒歩約2分)は、きょう(2026年)4月1日(水)から「旧横浜英国総領事館」(旧館)内に新設した展示室の公開を開始し、これまで一般公開されていなかった2階部分など建物内部の多くを見学できることになりました。

横浜開港資料館の旧館(写真正面)は旧「横浜英国総領事館」を転用したもので、左手前の付属棟(旧門番所)は2023年にリニューアルしミュージアムショップ・カフェに転用されている。右側が展示室のある新館(3月24日)

開港資料館は、1931(昭和6)年に竣工した旧横浜英国総領事館にの建物を転用した「旧館」(地下1階・地上3階建て)と、1981(昭和56)年に新築した「新館」(同)を使って1981年(昭和56年)6月に開館。

展示室は新館に設け、市の指定有形文化財である旧館主に事務室などとして使用していたため、一般公開は1階中央にある「記念ホール」など一部にとどまっていました。

旧館の1階館内、1972(昭和47)年に横浜英国総領事館が閉鎖された後は、横浜市が市内出身の作家・大佛(おさらぎ)次郎(1897~1973年)の記念館(現中区山手町の「大佛次郎記念館」)に転用する計画を持ち、一方で県も神奈川県庁が隣接していることから拡張用地としたい意向があったとされるなか、市民から「歴史的な場所なので開国にちなんだものにすべき」と要望が寄せられ、「横浜開港資料館」として転用するに至ったという。このあたりの経緯は飛鳥田一雄市長時代に市の都市づくりで活躍した田村明さんの著書「都市ヨコハマ物語」(1989年)などに詳しい

一方、開港資料館では、文化資源を活用して観光振興や地域活性化を目指す「横浜開港資料館における文化観光拠点計画」が文化庁に認定されたことを機に2021年から施設の大幅な改修工事をスタート。

2023年7月には、市指定有形文化財の一部でもある付属棟旧門番所」のリニューアルを終え、建築当時の図面に記載されていた建物名称を用いた「PORTER’S LODGEポーターズ・ロッジ=門番所の意味)」の名でミュージアムショップ・カフェをオープンしています。

開港広場公園に面したかつての“門番所”は「PORTER’S LODGE(ポーターズ・ロッジ)」という名のミュージアムショップ・カフェとなった。写真後方は1933(昭和8)年に建てられた「日本キリスト教会横浜海岸教会」

このほど、旧館を含めた全体の改修を終えたもので、かつて領事館の職員・家族のスペースだった小部屋と総領事の執務室を新たに展示室として公開。新館から旧館へのバリアフリー連絡通路を整備し、内外装の色も竣工当時のものに再現したといいます。

旧館(左側)と新館(右側)の2階部分を結ぶバリアフリー通路を新たに設けた

旧館の展示室では近隣の観光地でもある元町や中華街、山下町などの歴史が分かる展示やイギリス領事館の歩み、幕末の外交官アーネスト・サトウなどを紹介する一方、建物自体を鑑賞しやすいよう資料や文字情報を抑えた内容にしているとのことです。

横浜開港資料館の場所は、1854(安政元)年に江戸幕府とアメリカによる「日米和親条約」が締結された地であり、中庭には「ペリー横浜上陸図」にも描かれた市登録史跡名勝天然記念物の「玉楠たまくす=タブノキの通称)」が今も残されています。

旧館では横浜英国総領事館時代の雰囲気を味わえるよう展示物は少な目となっている

きょう4月1日から新展示室のオープンにあわせ、7月20日(月・祝)までの期間は開港資料館が持つ古文書や古写真、絵地図など重要資料の原本特別公開する「横浜の記憶~多彩な収蔵資料」が始まります。

7月20日(月・祝)まで特別公開「横浜の記憶~多彩な収蔵資料」が行われている

また、横浜開港資料館は、4月1日から来年の1月31日(日)まで(オンライン販売は3月末まで)販売される首都圏107カ所の博物館や美術館などの入場・割引がセットになった「東京・ミュージアムぐるっとパス」(2500円、使用開始から2カ月間有効)の対象施設となっており、同館で購入も可能です。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

【参考リンク】

横浜開港資料館(みなとみらい線「日本大通り」駅4番出口から徒歩2分、関内駅から徒歩15分、県庁本庁舎に隣接)

横浜開港資料館旧館(旧横浜英国総領事館)の建物案内(横浜市中区、市指定有形文化財)

ミュージアムショップ&カフェ「PORTER’S LODGE(ポーターズ・ロッジ)」(こちらも市指定有形文化財の旧英国総領事館の付属棟=旧門番所を転用)

「東京・ミュージアム ぐるっとパス2026」(2026年4月1日~2027年3月31日、入場可能または入場割引となる都内を中心とした107施設のうち、横浜開港資料館や神奈川県立博物館など横浜市内5施設も対象となっている)


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