【2019年7月時点の記事です】新吉田に、創業半世紀を超える歴史を誇る、横浜市内唯一の「小売販売麺」を製造する老舗企業があるのをご存知でしょうか。
新吉田東7丁目に本社工場を置く総合麺メーカー・株式会社丸紀(まるき)は、1968(昭和43)年に川崎市中原区木月で創業。
1972(昭和47)年に現在地に生産拠点を移転、大手スーパーなど誰もが知る大型店や、食品卸を通じての飲食店への提供を行うなど、横浜や川崎、東京といった大都市へのアクセス立地を強みとした麺の製造販売を行っています。
この丸紀が、地域密着の新たなチャレンジをスタートしたのは、今年(2019年)3月から開始した、毎月第一土曜日の午前中(雨天決行)に行っている「麺の直売会」。
第5回目となる今月の開催も、週末(7月)6日(土)9時から11時までの開催を予定しています。
この直売会では、「あくまで麺の販売のみで、熱々のラーメンや焼きそばなど、すぐ食べられるものを販売するわけではないのです」と、創業者の故・川口竹則さん、現社長の川口紀史さんを継ぐ、経営3代目に当たる川口尚紀常務は、製麺会社らしい“現物”を販売する即売会の特色を語ります。
食品スーパーでは買うことができない、朝打ち立ての生そば(2食入り・250円、価格はいずれも税込)や、業務用熟成中華麺(4食入り・200円)、生うどんやラーメン(麺)、冷やし中華麺や焼きそばなど、自社工場で製造した“自慢の麺”を直売しています。
横浜発祥・名物のサンマ―メンや横浜タンメン、横浜冷やしジャージャー麺(いずれも2人前・各200円)といった、まさに人気の「横浜ご当地麺」を、ここ新吉田で購入できるという、地元・横浜市民にとっても“贅沢”ともいえる直売会。
「当初は約120人の来場だったのが、先月(6月)開催時は200人もの地域の皆さんが来てくれたんです」と、地域の後押しで盛り上がる即売会の開催に、川口常務も強い手応えを感じているといいます。
子どもたちの歓声から生まれた「魔法の焼きそば」体験イベント
麺の直売会のほか、新たに「麺の色が変わる魔法の焼きそば作り」体験イベントを、同日7月6日(土)と、8月3日(土)午前10時から11時まで、小学生(低学年参加も可だができる限り送迎は必須)を対象として行います。
参加条件は、工場が狭いため、保護者の同伴はなく「1人で参加」できること。「小学生に、もっと麺について興味をもってもらいたい」と、川口常務は今回のイベント開催の理由を説明します。
麺製造工場の見学もあわせ行うプログラムとなっており、「麺の色が変わる焼きそばの“不思議な体験”を通じ、夏休みの自由研究テーマの参考にしてもらいたい」(川口常務)とのこと。
なぜ、麺の色が変わるのか。「食品のアルカリ性・酸性と、野菜が持つ色素」がヒント。紫キャベツ、レモンなどを材料とし、色が変化する“アントシアニン”の性質を使って、緑色からピンク色に焼きそばが変わるようすを体感しながら調理する内容となっています。
川口常務は、今回のイベントを企画するにあたり、まずは試験的に家族でトライしてみたといい、「(自分の)子どもたちが笑顔で反応してくれました。色が変わるときの歓声、そしてその感動を、地域の皆さんとも分かち合い、次世代を担う子どもたちにも、丸紀の味を知ってもらいたいと感じたんです」と、子どもたちの笑顔、そして歓声も、このイベント企画を後押ししたと語ります。
「魔法の焼きそば」作りイベントの参加は要事前申込(同社メールにて受付・応募多数の場合は抽選)。参加費は500円(材料費・お土産麺付き)。各自、ノート(メモ帳)、筆記用具、水筒(お茶など)の持参が必要です。
なお、同社で働く社員・パートほかスタッフは、地元・港北区エリアに住まう人が大変多いといい、「(普段は製造がメインの仕事なので)販売に慣れていない従業員も、地域の皆さんと直接、接することができることに、楽しさや手応えを感じているようです」と、全国企業も含め、大激戦になっているという製麺業界内での存在感を示すためにも、より一層の地域密着と、“横浜唯一の”企業を支える、地域からのより力強い声援も必要になっていきそうです。
【2019年8月3日追記】
【参考リンク】
・今年の夏休みの自由研究は「焼そばで実験」(丸紀製麺工場 直売会のブログ)※7月6日(土)開催の小学生体験イベントは残席わずか、先着順で締切になりますとのこと(2019年7月3日午前9時確認・追記)
・第4回 丸紀工場直売会(同ブログ)
・株式会社丸紀の場所(Googleマップ)