かわいらしい“くまちゃん”手人形が登場し、いつもの読み聞かせがスタート――日吉本町駅から徒歩4分。日本で一番古い絵本児童書専門店として知られるこどもの本のみせともだち(ともだち書店=日吉本町2)の「絵本読み聞かせ」活動が、日吉近郊の子育て親子世代に大きな人気となっています。
ともだち書店は1964(昭和39)年、現在は北海道オホーツク地方の滝上(たきのうえ)町に在住する徳村彰・杜紀子(ときこ)夫妻が日吉に「日新堂書店」を開業したことに始まります。1971(昭和46)年に子どもたちの居場所づくりにと、多くの子どもたちで賑わう「ひまわり文庫」を創設、その後1973(昭和48)年3月には書店を「良い子どもの本の専門店 ともだち」に“衣替え”したとのことで、現在では日本で最も古い児童書の専門店となったようです。
徳村夫妻が1982(昭和57)年に北海道に「モリの子どもの村」を開設し、北海道へ移住した後も、「さまざまな担い手を経て」ともだち書店は日吉の町に根付き、今年でようやく満43年を迎えたといいます。
「何度も経営危機がありました」と、現在代表を務める及川智子さん。「おじじ、おばば(徳村夫妻の通称)はとても大らかで、当時数少なかった子どもたちの“居場所”を提供していたようです。子どもたちが集う、絵本に親しめる場所として、このともだち書店を作り上げたのですが、おじじ、おばばが北海道に移住してしまった後も、何度も『続けられるのか、閉店しようか』と、その歴史が終わりそうになったんです。そういった時でも、必ず、“みんなで、乗り越えよう”と。子どもたちと絵本をつなぐ場所を、なんとかこの街・日吉に残そうと、必ず誰かが声を上げ、手を挙げて、この街の児童書専門店を守ってきたのです」と、及川さんはしみじみその歴史を語ります。
一人一人の想いで、今日まで運営してきた「ともだち書店」の活動は、絵本の紹介・販売はもちろん、絵本と子どもたちをつなぐ「読み聞かせ」活動が今では中心となっています。現在、約20名のボランティア・スタッフが、ともだち書店や、日吉や綱島の地区センター、地域ケアプラザなど、港北区内の5箇所の施設で、定期的に「読み聞かせ」活動を実施しています。
特に人気となっているのが、毎月第1~第3月曜日の午前中に、0歳児から未就園児までの子どもを対象とした「くまちゃんのおはなし会」。多い時には20組近くの親子が訪れるという人気イベントで、「10時からが“小さい子”、11時からが“もっと小さい子”が対象、というように対象年齢を分けて、その子どもの年齢に合った絵本を選んでの読み聞かせや手遊び、紙芝居などを行っています」と及川さん。
手人形の「くまちゃん」が始めと終わりに語りかける親しみやすさが大変人気の「くまちゃんのお話し会」にやってくる親子は、日吉近郊ばかりでなく、「電車に乗ってくるリピーターもいるほど」(同店スタッフ)と、その歴史と読み聞かせのスキルに魅了されたファンが多いことを物語っています。
ともだち書店は、結婚、出産、転居などにて、なかなか仲間作りが難しい新米パパ・ママの初めての仲間作りにも最適な場所になっているといい、特に、出会いと別れが多いこの3月には、“春のフェア~おはなし会まつり”イベントを毎週水曜日の午前10時から企画・実施しています。
また、フジテレビが主催する“Be絵本大賞”を選考する絵本書店にも選出。3月10日(木)の午後には取材も入る予定とのことで、「ぜひ、より多くの皆さんに“ともだち書店”に足を運んでいただければと思います」と代表の及川さんは、同店への来訪を広く呼び掛けています。
ともだち書店は、グリーンライン日吉本町駅より徒歩4分、日吉駅より徒歩15分の日吉本町2丁目、南日吉商店街にあります。平日11~17時、土曜13~17時の営業。日曜、祝日はお休みです。
【参考リンク】
・こどもの本のみせ ともだちホームページ
・こどもの本のみせ ともだちスペシャルイベント~春のフェア(2016年3月開催)
・子どもの村訪問~平成27年度 No.88 町長室へようこそ(北海道滝上町ホームページ)
・Be絵本大賞について~選考委員の絵本書店(フジテレビKIDS)
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