約半年ぶりの「絵本読み聞かせ」に子どもたちの笑顔が見られました。菊名駅から徒歩約7分、綱島街道近くにある港北図書館(菊名6、青木邦男館長)では、今年(2020年)2月の開催以来、約半年ぶりとなる「ひよこのおはなし会」を開催。
新型コロナウイルス感染症対策を行うなかでの、これまでとは「異なる」工夫を施(ほどこ)しての実施となりましたが、当日は2組5人の参加者が来訪、久しぶりのイベント再開に子どもたちや家族の笑顔があふれるひとときとなっていました。
横浜市立図書館の方針として段階的に読み聞かせを8月から再開することになったもので、2月までの開催時には平均的に10組以上来場していたところ、先週(2020年)8月13日11時から11時30分までの開催時には、定員を6組までに制限するというルールを設定。
入室前の手洗いまたは手指消毒、検温、マスク着用や「控えめな声」での実施を呼び掛ける中での開催となりました。
「メジャーを手に、距離は2メートル以上離れるようにと、しっかりと測りました。参加者が座る場所を丸く配置し、アットホームなイメージを出すように工夫しました」と語るのは、9人を数えるという同館の司書メンバーのうちの一人・石岡瑞菜(みずな)さん。
1歳から3歳児を対象とした同おはなし会は月2回実施されており、今月は8月27日(木)にも開催される予定となっていますが、これまでは、一般市民からなる「ひよこボランティア」と呼ばれる登録ボランティアが主体となり、運営を担っていました。
「まずは、感染症対策の観点から、職員である司書がローテーションを組みトライすることしました。今回の様子をお伝えした上で、少しずつボランティアの皆様も活動に戻ってもらいたいと思っています」と、石岡さん、同じく司書メンバーの山中由美さんは、まずは段階を踏み、活動再開を慎重に進めていきたいと説明します。
「おはなし会の最中に、お子さんが万が一騒いでしまったり、泣いてしまったりしても大丈夫。大人が、まずはこのおはなし会で採り上げたわらべうたや手遊び、使用した絵本などについて知ってもらい、その後の生活につながっていくものであれば」と山中さん。
「例え月2回のみのイベントであったとしても、そこで知ったことを想い出し、日々の生活の中で話すことで、本に愛着を感じるようになり、日常の中で楽しい時間を過ごしてもらえるようになるはず」と、山中さんは、“おはなし会への参加のメリット”を伝えていきたいと、熱くその想いを語ります。
同館では、3歳から6歳までを対象とした絵本の読み聞かせ「ひろばおはなし会」の開催も8月19日(水)15時から15時30分まで再開する予定となっており、定員は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、先着12人までに縮小し実施する予定。
「絵本読み聞かせ」再開による課題や問題点を検証しながら、少しずつ「日常」に戻りつつある同図書館では、引き続きパーテーションの増強といった感染症対策の強化にも取り組みながら、他の協力団体によるイベントやボランティア活動も少しずつ再開の幅を広げていく計画とのことです。
市の公的機関の代表格ともいえる「市立図書館」での試み、感染症対策の実例は、これから各地域エリアで少しずつ再開していくであろう「読み聞かせ」イベント開催時の一つのモデルケースとしても注目を集めそうです。
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【参考リンク】
・港北図書館のおはなし会(同)※開催日程など
・港北図書館~交通アクセス(同)