キューウェル新監督のもと、8選手が新たに加わり2024年のシーズンを迎えます。
横浜F・マリノスは今月(2024年)1月13日に新体制の発表会を横浜市内で開き、来月2月23日(金・祝)からの3連休中に開幕する「2024明治安田Jリーグ」に向けてハリー・キューウェル新監督と新加入の選手らが新シーズンへの思いを語りました。
新体制発表会ではまず、中山昭宏社長が昨年(2023年)のシーズンについて「(2月に天皇杯優勝チームのヴァンフォーレ甲府と対戦した)FUJIFILM SUPER CUP(フジフイルムスーパーカップ)で優勝して幸先の良いスタートを切れたが、夏場を迎えるに当たってケガなどの理由で万全ではないチーム体制となり、苦しい状況が続いた」と振り返ります。
「それでもJ1リーグでは2位、YBCルヴァンカップでは3位となり、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)でもラウンド16に進むことができた。ただ、喜田拓也キャプテンも以前から言っているように、2位では満足できないチームになっていることを昨年もあらためて実感させられた」と総括。
そのうえで、「過去5年間はJ1で優勝2回、2位が2回という成績をおさめており、ポジティブに捉えている。常勝軍団になりつつある今だからこそ、次のステージとして『世界と戦う横浜F・マリノス』を考えていく必要性を感じている」と話しました。
昨夏の経験を踏まえ新たに8選手
「昨シーズン夏場の色々な経験、反省点も踏まえて複数のポジションをこなせる選手かつ我々のフットボールスタイルに合う8選手を迎え入れた」(中山社長)と新加入選手を紹介。
FC町田ゼルビアから移籍したGK(ゴールキーパー)のポープ・ウィリアム選手(29歳、背番号1)は、「F・マリノスのサッカーはGKがすごく攻撃の部分に関わるので、僕のキックだったり、フィールドの部分だったりを見てもらえれば。自信はある」と話します。
東京ヴェルディからはDF(ディフェンダー)の加藤蓮(れん)選手(23歳、背番号16)が加入。「スピードを持った攻撃参加が自分の特徴。サイドバックとして左右両方できるところも自分の強みだと思っているので、その部分でチームに貢献していきたい」と決意を述べました。
DFでアルビレックス新潟から移った渡邊泰基(たいき)選手(24歳、背番号39)は、昨シーズンのF・マリノスとの対戦時について「(激しい攻撃に)90分間気が抜けなかった」と振り返り、「機動力や身体を張った守備が自分の特徴なので、それを出していけたら」といいます。
MF(ミッドフィルダー)では、J1経験の長い山村和也選手(34歳、背番号47)が川崎フロンターレから移籍。「F・マリノスというチームに興味があり、新たなチャレンジをしたかった」と明かします。キューウェル新監督については豪州代表の現役時代を思い出して「“日本代表の天敵”という感覚だった」と振り返り、ともに戦えることを「楽しみ」だと話しました。
天野純選手ら3人がマリノス復帰
期限付きで他チームに移籍していた選手では、来シーズンから3選手が復帰します。
レノファ山口FCへ育成型で移籍していたGKの寺門(てらかど)陸選手(21歳、背番号41)は、F・マリノスユースに所属し横浜高校(金沢区)を卒業。山口での3年間を経て、「キャッチングやセービングなどキーパーとしての基本的な技術は、ユースの時に比べて伸びた」といい、「育ってきたクラブで優勝したい」と語ります。
栃木SCから復帰したMFの植田啓太選手(21歳、背番号48)は、F・マリノスユースに所属し横浜南陵高校(港南区)に通った横浜育ちの選手。F・マリノスについては「小学3年生の時からお世話になっている」といい、「守備の部分はこの3年間でしっかり学べたので、そこの良さも随所に出していきたい」との思いを述べました。
そして、F・マリノスファンにはおなじみのMF・天野純選手(32歳、背番号20)が韓国Kリーグでの2シーズンを経て復帰。「日韓では180度サッカーの違いがあった。Jリーグはより技術的な部分が優れ、Kリーグはフィジカル的な部分が優れている」と経験を語ります。
Kリーグチームからのオファーも届くなか、「でも僕はF・マリノスしか考えていなかった。ファンサポーターの方の笑顔を見たいし、一緒に喜び合いたい」といい、「どう成長したかを感じて欲しい。まずはプレーで見せるのが一番かなと思っています」と話していました。
新人選手では、昨シーズンから特別指定選手としてチームに加わり、昨年4月のセレッソ大阪戦ではDFとして先発出場も果たしている鹿屋体育大学の吉田真那斗(まなと)選手(21歳、背番号44)が正式に加入。「スピードや積極的な攻撃参加を見てほしい。熾烈なレギュラー争いになると思うが、開幕スタメンを狙っていきたい」と決意を示しました。
キューウェル新監督が思い語る
新しいことに挑戦したい、として昨シーズン終了後にチームを離れたケヴィン・マスカット前監督に代わり、来シーズンはハリー・キューウェル新監督(45歳)がF・マリノスの指揮官に就任しました。
キューウェル氏は、直近ではスコットランドの「セルティックFC」でコーチとして、F・マリノスの元監督だったアンジェ・ポステコグルー監督(2023年6月までセルティック監督)を支え、また豪州出身者としてマスカット前監督とも旧知の間柄。「彼らとは長い付き合いで、ずっとサッカーの話ができる最高の関係」と明かします。
昨年7月には国際親善試合でセルティックFCの一員として来日し、F・マリノスとも対戦しており「素晴らしいチームだと思った。アンジェ(ポステコグルー)からも日本でやるチャンスが来たら絶対に受けたほうがいいと聞いていた」とのエピソードも披露。
そのうえで、「どういう戦い方をするかについて現時点で深く話すのは控えたいが、強度の高いサッカーを続けていくことは何も変わらない。そこに少しプラスアルファで何かを加えていくので、その点を見ていただけたら」と話しました。
中山社長はキューウェル新監督について、「F・マリノスが大事にしている『アタッキングフットボール』をきちんと理解しており、この継続と彼が持っているものを加えて進化させ、F・マリノスのサッカーを高めてくれる監督」と期待を示しています。
2024年のF・マリノスは、ACLの準々決勝進出をかけて2月14日(水)に敵地で、21日(水)には日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で「バンコク・ユナイテッド」と対戦した後、23日(金・祝)から25日(日)までの1日に今季からJ1に昇格した東京ヴェルディとのアウェー戦でリーグに突入します。
新体制でリーグ優勝奪還とACL制覇を目指す2024年シーズンはまもなくです。
2024年シーズンの新加入選手(1月13日時点)
<新加入>
- DF・背番号44:吉田真那斗(まなと)選手(21歳、鹿屋体育大学)[詳細]
<期限付き移籍より復帰>
- GK・背番号41:寺門(てらかど)陸選手(21歳、レノファ山口FCへ育成型期限付き移籍)[詳細]
- MF・背番号20:天野純選手(32歳、韓国「全北現代モータース」へ期限付き移籍)[詳細]
- MF・背番号48:植田啓太選手(21歳、栃木SCへ期限付き移籍)[詳細]
<他チームから移籍加入>
- GK・背番号1:ポープ・ウィリアム選手(29歳、FC町田ゼルビア)[詳細]
- DF・背番号16:加藤蓮(れん)選手(23歳、東京ヴェルディ)[詳細]
- DF・背番号39:渡邊泰基(たいき)選手(24歳、アルビレックス新潟)[詳細]
- MF・背番号47:山村和也選手(34歳、川崎フロンターレ)[詳細]
- ※ハリー・キューウェル監督(45歳、セルティックFCコーチ)[詳細]
前シーズン以降の主なチーム離脱選手
- GK・背番号1:一森純選手→ガンバ大阪より期限付き移籍期間が満了[詳細]
- GK・背番号32:田川知樹選手→カターレ富山へ育成型期限付き移籍[詳細]
- GK・背番号50:オビ・パウエル・オビンナ選手→ヴィッセル神戸へ完全移籍[詳細]
- DF・背番号33:角田涼太朗選手→海外クラブへの移籍を前提に2024年1月にチーム離脱を発表[詳細]
- MF・背番号16:藤田譲瑠(じょえる)チマ選手→昨年夏からベルギー「シント=トロイデンVV」へ完全移籍[詳細]
- MF・背番号34:木村卓斗選手→愛媛FCへ育成型期限付き移籍[詳細]
- FW・背番号10:マルコス・ジュニオール選手→サンフレッチェ広島へ完全移籍[詳細]
- ※ケヴィン・マスカット監督→シーズン終了後に退任(その後中国「上海海港」の監督に決定とのこと)[詳細]
(※)今シーズンから横浜F・マリノス関連の記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」に加え、「横浜日吉新聞」にも随時掲載します
【関連記事】
・【前年記事】<横浜F・マリノス>2023年シーズンへ新体制、成長期待の7選手が加入(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年1月16日)
・【前シーズン記事】<F・マリノス>逆転優勝へ望みつなぐ金曜日、ホーム最終戦は11月24日夜(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年11月20日、シーズン終盤で連覇を逃した)
【参考リンク】
・2024横浜F・マリノス新体制発表会レポート(横浜F・マリノス)
・2024年2月以降の試合日程(横浜F・マリノス)