これから年末年始にかけては宴席が増えるシーズンです。夜9時や10時ごろは「まだまだ大丈夫!」と思っていたのに加速度的に時が過ぎ、いつの間にか終電間際になって大慌て!ということもあるでしょう。そんな”日吉都民”のみなさん向けに、東京都心部から日吉へ深夜の帰宅術をまとめてみました。(列車などの時刻・運賃は2015年11月23日現在)
東急東横線の「終電」に一度でも乗った経験があれば、あの「元住吉行」という行先表示に、やり切れなさと、それでも日吉の近くまで帰れる安心感とで複雑な気持ちになりながら、つり革に揺られた方が多いかもしれません。
東横線の終電は「元住吉」止まり、その先どうすれば……
東横線の最終電車となる「元住吉行」(各駅停車)ですが、副都心線の和光市駅が始発で、以下のような発車・到着時刻となっています。
和光市(副都心線)0:07発(土休日23:55発)(始発)
池袋(副都心線)0:26発(土休日0:14発)
新宿三丁目(副都心線)0:37発(土休日0:24発)
明治神宮前・原宿(副都心線)0:42発(土休日0:29発)
渋谷 0:47発(土休日0:35発)
※渋谷駅では「JR山手線」の東京・新宿方面から来る0時39分着の列車が到着しない場合、接続待ちのため遅れて出発するケースあり
元住吉 1:09着(土休日0:56着)(終点)
深夜1時過ぎに元住吉駅に放り出された日吉住民としては、「この先、どうすればいいんだ!」と小さく叫びたくもなりますが、さらに遠方の横浜方面へ帰宅する人々がタクシーに群がる姿(なかには客引きにいざなわれ、乗り合いの「白タク」らしき車に向かう人も=こうした”偽タクシー”は違法です)を見ていると、歩いてでも帰れるだけに「贅沢は言えないな……」と思わされるかもしれません。
しかし、いざ元住吉駅から日吉駅まで歩くとなると、15分から20分ほどかかってしまいます。お酒が入った後や雨の日であったなら、それなりに辛いものです。特に仲の谷交差点から日吉駅前まで続く緩く長い坂道を想像するだけで、歩く気を失ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、まず元住吉駅前の商店街を抜けて「綱島街道」へ出るのが得策です。そして横断歩道を渡って、日吉方面へ流れる車線を凝視していれば、駅前よりもタクシーを拾える可能性が格段に高まります。
ただ、東京や川崎市内でしか営業免許を持っていないタクシー会社に当たってしまうと、一応「横浜市内」である日吉方面へ行くことを断られるケースがあるので要注意です。
「ならば、矢上川の先にあるミニストップまででいい!」。このミニストップ木月新矢上橋店は、川崎と横浜市を隔てる「新矢上橋」の日吉側にあるのですが、なぜか住所だけが川崎市の「飛び地」となっています。そんなマニアックな交渉法も考えられますが、細かな市境事情を運転手に理解してもらえるか否かは不明ですし、乗れたとしても、仲の谷交差点から先の長い坂道歩きは避けられません。
元住吉駅から日吉駅までタクシーに乗ると深夜運賃で1000円弱で、それほど出費がないために元住吉行きの最終電車でも良いように感じますが、とにかくタクシーはつかまりづらいし、歩くのもそれなりに大変ということを覚えておいたほうがいいでしょう。
0時30分には必ず新宿三丁目や目黒駅のホームにいること
元住吉駅から歩いたり、タクシーを探したりする苦労を考えた場合、やはり日吉や綱島まで行ってくれる「菊名行の最終電車」に乗るのが安心です。この電車は平日のみですが、副都心線の新宿三丁目駅が始発となっています。
新宿三丁目(副都心線)0:30(始発)
明治神宮前・原宿(副都心線)0:34発
渋谷 0:37発
日吉 1:01着
綱島 1:04着
菊名 1:09着(終点)
(※土休日は池袋23:59発、新宿三丁目0:09発、渋谷0:20発の菊名行が日吉・綱島へ向かう最終電車となります)
こうしてみると、最終の「元住吉行」より新宿三丁目駅での発車時間はわずか7分差、渋谷駅発も10分早いだけです。「最後にあと1杯だけ……」といった行動を自粛すれば、元住吉駅での苦労から解放されることになります。
平日は「0時半が終電!」と覚えておくのが一番分かりやすいでしょう。目黒線・目黒駅発の最終電車も「0時30分発の日吉行」(南北線からの直通電車で、日吉着は0時58分)ですので、頭に叩き込んでおいて損はありません。
しかも、これらの最終電車に乗れば、日吉駅では路線バスが待ってくれています。
1時10分発「サンヴァリエ日吉行」(日22系統)
(土曜日は0時42分発、日曜運休)
1時19分発「北綱島、高田駅前経由・東山田営業所行」(日40系統)
(土曜日は1時11分発、日曜運休)
こんな遅い時間なのに、下田町と南日吉方面へ向かう2系統の「深夜バス」最終便に乗ることができるのです。
深夜バスは運賃こそ2倍(440円)かかりますが、タクシーに比べれば格安です。
日吉住民の賢い選択は、いくら遅くなったとしても、
平日の0時半には必ず「新宿三丁目駅」や「渋谷駅」「目黒駅」のホームに立っていること!(※「渋谷駅」はほんの少し遅い0時37分発です)
これをとにかく厳守することです。
※なお「地下鉄グリーンライン」の中山行最終は日吉駅0時40分発(土休日は0時28分発)です。また、深夜バス「高田町行」(日21系統)の最終は23時54分発(日曜運休)なので、沿線の方はお早目の帰宅を。
山手線の最終でも間に合ってしまう「深夜急行バス」
いや、そうは言っても、ついつい……ということもあるのが悲しいところ。元住吉行の最終電車が出発し、副都心線や東急東横線の駅のシャッターが閉じられた後であっても、タクシー以外で日吉や綱島へ帰る方法がまだ残されています。
それが渋谷駅前の「西口バスターミナル」を午前1時台に発車する「深夜急行バス」です。
これは高速道路を経由して東横線沿線の各駅を結ぶ“特別なバス”で、日吉駅や綱島駅を通り、新横浜駅(一応の終点はバスの車庫がある新羽営業所)までを結んでいます。
土曜休日(祝日の前日は運転)を除き、渋谷駅西口のバスターミナル「32番のりば」(「モヤイ像」近く)発
1:10(月~金の平日のみ)発※日吉2:04着、綱島駅入口2:09着
1:20(金・祝前日のみ)発※日吉2:14着、綱島駅入口2:19着
1:30(水~金・祝前日のみ)発※日吉2:24着、綱島駅入口2:29着
という3本のバスが設定されています。
たとえば、山手線の内回り最終電車は、新宿駅を1時ちょうどに発車(池袋発は0時51分発)するのですが、この列車の渋谷駅到着は1時7分です。なんと、深夜急行バスに間に合ってしまうのです。(1時10分発の便は微妙です)
ちなみに、大崎駅を0時42分に出発し、五反田0時43分、目黒0時46分、恵比寿0時48分と結んでいく山手線外回り池袋行の最終電車は渋谷駅が0時52分着ですので、余裕で間に合います。
日本で一番遅くまで動いている山手線の終電に乗れさえすれば、日吉や綱島へ帰れてしまうという何とも便利、ある意味で「罪作り」なバスです。
特別なバス路線なので、運賃は日吉駅までが1600円、綱島駅入口(綱島街道)まで1700円の運賃が必要ですが、タクシーに比べれば3分の1以下の出費ですみます。
この深夜急行バスの注意すべき点は、座席定員が決まっているため、満席の場合は乗れないことがあることです。金曜日や忘年会シーズンはバスの台数が増やされますので、乗れないという可能性は少ないのですが、乗車を断られるリスクがあるということは考えておく必要があります。
そして、一番危険なのがバスに乗った後のことです。
時間が時間だけに、バスに座れた安心感で眠ってしまい、目が覚めたらそこは新横浜駅!なんてことになると、タクシー利用時並みの出費となりかねませんので、要注意です。万が一、新横浜駅から日吉駅までタクシーに乗ったとすると深夜料金で3000円ほど必要です。
渋谷から日吉までタクシーだと6000円以上かかる
えっ、渋谷発の深夜急行バスにさえ乗り遅れてしまった?
そんな場合は、もうタクシー利用しかありません。
・渋谷駅から → 日吉駅まで、6200円~6400円
・新宿駅から → 日吉駅まで、7900円~8200円
・新橋駅から → 日吉駅まで、7500円~8000円
これくらいの料金(高速道路料金を除く)を支払って、タクシーに乗って家に帰るべきかどうかを考えるしかありません。
なお、ヤフー(Yahoo!JAPAN)に「東京のカプセルホテル特集」というページがありましたので、ここにリンクを貼っておきます。もしかしたら、タクシーよりは安くつくかもしれません。
これからの時期は、どうか家路にお気をつけて!
【参考リンク】
・タクシー料金を調べる(taxisite)
・「駅から時刻表」(都内JR・私鉄各駅から/都内地下鉄駅からそれぞれの時刻表)