矢上小で5年生を対象とした「いじめ予防」の授業を実施、日吉出身の弁護士が“いじめ被害を自分事”として考える大切さを伝えます。
先週(2025年)6月12日(木)午前、日吉3丁目の矢上小学校(岸俊介校長)は、5年生の全クラスで、神奈川県弁護士会(中区日本大通)による神奈川版「弁護士が行ういじめ予防授業」を実施しました。
講師には、同弁護士会に所属する、日吉出身の弁護士・谷貝(やかい)弓子さんを、昨年(2024年)6月以来、2年連続で招へい。
「いじめ」とは何か、「いじめ」を予防するためにどうしたらよいかを考える時間を共有しています。
神奈川県で実際にあったいじめ案件を題材に、その際に起きた一つひとつの事例を提示、「いやなこと」として、いじめとしてどこまで重大なこととして感じるかについてや、誰がそれを防ぐことができたのか、当事者はどんな気持ちだったのかという点まで考察。
黒板でイラストを交えた板書を行い、またグループで「どの程度、重大だったか」を子どもたちが話し合うことで、実際に起きた事件の悲惨さを防ぐためにすべきことについて学ぶ時間を過ごしていました。
「児童・生徒自身で考え、自分自身のこととして受け止めてもらうことにより、いじめを予防したいと考えています」(同弁護士会サイト)と銘打つ今回の授業では、いじめの当事者ばかりではなく、“周りの児童”が、クラスや学校内で、当事者の児童らとどう接するべきかについても伝える内容となっています。
谷貝さんは、「いじめを見かけたら、直接止められなくても、被害者に声をかけ孤立させないことが大切です。また、信頼できる大人に子どもたちが相談や状況を報告できる環境があることが重要です」と、いじめを防ぎなくすためには、当事者ばかりでなく、“周囲”の対応や協力が必要と呼び掛けます。
この日は、今年度から同小学校に着任したばかりの、日吉台小学校(日吉本町1)や箕輪小学校(箕輪町2)での勤務経験も長い大塚美穂副校長や、地域の子育て支援者、保護者らも授業を見学、「いじめ予防」に向けての“周囲”の対応の在り方についても学べる機会となりました。
同小学校では6学年児童に対しても、同弁護士会から講師を招き「いじめ予防授業」を行っているほか、「港北区内の大綱中学校(大倉山3)でも、学年全員を対象とした授業に(複数の弁護士らと)参加しました」と、地域で「いじめ予防」のニーズの高まりを感じていると語ります。
「神奈川県弁護士会の相談窓口への連絡も活用してもらえれば」と谷貝さん。
日頃から、子どもたち一人ひとりが「悩みを打ち明けられる」環境づくりや、またクラスの児童や教職員も含めた、「いじめを防ぐ」意識を育むことが大切であるといえそうです。
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・【創立50周年】青空に向かう「風船」にメッセージ、矢上小50周年で“未来に思いつなぐ”(2024年3月1日)
・日吉・菊名の弁護士が川崎に新オフィス、地域に寄り添い“困り事”の解決を目指す(2024年10月31日)※谷貝弁護士が所属する「川崎さくら法律事務所」の創業エピソードなど
【参考リンク】
・【6月12日】5年生 弁護士による「いじめ予防授業」(横浜市立矢上小学校)※今回の5年生の授業について
・【6月14日】6年生 弁護士による「いじめ予防授業」(同)※6年生を対象に片山里美弁護士を招いた授業について
・【広報誌】「弁護士になろう!8人のチャレンジ」を掲載しました。(神奈川県弁護士会)※谷貝弁護士も取材・掲載されている
・こどもページ(同)※子ども向け相談窓口の電話番号など