「こども防災フェア」の3回の実施を経て、綱島SSTと港北区役所が“防災”の普及啓発に向けてのタッグを組むことになりました。
横浜市港北区(大豆戸町)とTsunashima SST(綱島SST)まちづくり運営協議会(綱島東4)は、先月(2025年)3月28日、「災害対応力の向上等に関する包括連携協定」を締結。
災害が発生、または災害が発生するおそれがある場合に、綱島SST内の一部の施設で一時的に避難者を受け入れることをはじめ、同協議会に参画している企業などの先進的な知見や技術、サービスを活用した災害対応力の向上に資する取り組みを、両者が協力して進めていくことになりました。

協定の締結に臨んだ「Tsunashima SST(綱島SST)まちづくり運営協議会」の代表会員でパナソニックグループの宮原智彦さん(パナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社ビジネスソリューション本部長)(左)と竹下幸紀港北区長(ニュースリリースより)
綱島SST は、2011年に閉鎖した旧松下通信工業(パナソニック)の工場跡地に参画企業と横浜市などのの行政機関が協力し“次世代都市型スマートシティ”として開発。
2018(平成30)年3月に「まちびらき」を迎えて以降、代表会員のパナソニック株式会社(パナソニックグループ)を中心に、正会員で核テナントのアピタテラス横浜綱島を運営するユニー株式会社や、「プラウド綱島SST」を新築・分譲した野村不動産株式会社など9企業が参画、アドバイザーに「国際学生寮」を置く慶應義塾大学、オブザーバーに横浜市を迎え入れ、「まちづくりプロジェクト」としての活動を行い7周年を迎えています。

「綱島SSTまちづくり運営協議会」には横浜市をオブザーバーとして10団体が集まり、地域の課題を解決しながら「サスティナブルにイノベーションを起こし続けること」を目指して活動を行っているという(ニュースリリースより)
今回の協定の締結期間は1年間(来年2026年3月末まで)となっていますが、両者が協議の上での延長が可能。
実際、災害が発生した際に、アピタテラス横浜綱島の駐車場などを一時的な避難場所として、避難者を可能な範囲で受け入れることや、区が円滑な災害対応を行うための施設や電気・ガス・水道などのライフラインの提供、イベント共催などによる区民への「自助」・「共助」の啓発といった内容を盛り込んでいます。
そしてゴールを、区民や事業者の「防災意識向上」や「地域の活性化」に関する取り組みを行うこととしています。
今回の協定締結がこの時期になったことについて、港北区総務課の吉田勇一課長は、「2023年から、若年層への防災啓発を目的とした『こども防災フェア』を共同で開催するなど、綱島SSTの皆様と協力関係を構築してきました」と、これまで3年間培ってきた実績を踏まえ、さらなる先進技術やサービスを活用しての災害対応力の強化をはかるための協力を進めるために、協定を締結するに至ったと説明します。
特に、同フェアの開催に向けた話し合いの中で、「地域住民の安全・安心の実現と、フィールドリサーチを通じたイノベーション(技術革新)、地域の価値向上を目的とした相互協力の取り決めがあると、より効果的な防災啓発ができるのではないかという意見が出ていました」と、それぞれの企業が目指す“イノベーション”や“地域の価値向上”に向けた取り組みが、今回の協定に結びついていると感じているといいます。
今後、これまでも実施してきた近隣の小学校への防災啓発の授業を、綱島SSTの見学会といったスタイルで実施していくことも想定しており、実施時期は各学校と調整し、希望に応じて随時対応していく予定としています。
吉田課長は、「この協定を契機に、同協議会との連携をさらに深め、地域の皆様の安心・安全につながるような取り組みを進めていきたいと思います」と、まだ時期未定なものの実施する予定となった「こども防災フェア」などのイベントの開催や、“いざ”の災害発生時の対応力の強化にも挑みたい考えです。

アピタテラス横浜綱島の北綱島交差点側1階にある「サンストリート」では港北消防署などによる「防火ポスターコンクール」や、近隣の箕輪小学校、日吉南小学校、日吉台小学校、そして矢上小学校の作品展示も行われた(3月8日)
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【参考リンク】
・ 港北区とTsunashima サスティナブル・スマートタウンは、協力して防災に取り組むため、災害対応力向上に関する包括連携協定を締結しました(パナソニックグループ)
・港北区とTsunashima サスティナブル・スマートタウンは、協力して防災に取り組むため、災害対応力向上に関する包括連携協定を締結しました(横浜市記者発表資料~港北区総務課)
・Tsunashima サスティナブル・スマートタウン公式サイト